夢見町の史
Let’s どんまい!
August 25
よーし!
怪我した!
軽い重症だ!
咄嗟に思ったことが、それだった。
これはチャンス、と。
仕事中、右手をがっつり負傷した。
これをネタに日記が書けるぞ。
血をダラダラ垂らしながら、小さくガッツポーズ。
分厚いガラスの破片に右手をぶつけ、俺は手首に30のダメージを負っていた。
重いガラスが俺の手首を切り裂き、ぶっ刺すと同時に、細胞を押し潰した。
斬撃と打撃、両方の傷みが同時に発生する。
ひゃっほーう。
超痛そう。
何故か他人事だ。
なかなか血も出てるし、骨まで痛む。
皮膚の薄い箇所にガンって当たったから、簡単に芯まで達したのだろう。
骨に凹み程度の傷が付いていそうな感覚。
尖ったガラスの先は骨に当たって止まったので、肉を貫通させるに至らなかった。
したがって縫うほど傷は深くないし、ダメージの面積も小さい。
筋や血管も無事だ。
そこは安心。
でも見た感じは、すっごい痛そう。
これは日記に書かなきゃ駄目でしょう。
さて。
ではこの中途半端な重症ネタを、どう料理しようか。
取り合えず、弟に見せびらかす。
「スヴェン見て。痛そじゃね?」
「うっわ! 痛そう!」
実の弟による普通のリアクションにがっかりだ。
「どうしたの、それ!」
「ガラスが当たった」
しまった。
俺まで普通の返答をしてしまった。
違うだろ俺。
どうしたのって訊かれたら、そこは「君こそ怪我はないのかい?」とか意味わかんないこと言うべきだろ。
ふと、弟が立ち去る。
しばらくすると、彼はティッシュと消毒液を持って、無言でこちらを見つめていた。
「おう。ありがとスヴェン。でもいいよ。俺、怪我しても手当てしない派なんだ」
ばかか俺は!
違うだろ!
弟が何も言わずこっちを見てたら、「なんだい? 仲間にしてほしいのかい?」だろうが!
もしくは「1歩毎にHP回復するから大丈夫」とかでしょ。
自分にもがっかりだ。
っつーか痛くて仕事にならん。
「いてて。いて。おおう、おー! おう! いてー」
アメリカのエッチなビデオみたいな声が出た。
なかなかいい調子になってきたじゃないか俺。
弟は素直に心配してくれる。
「マジで痛そうだー。自分、人の怪我を見るの駄目なんだよ~」
「あ、それ解る! だからよかったよ、怪我したのが俺で。こんな傷、他人がしてたら嫌になる。でもね、この傷、たぶんお前が思ってるほど痛くないよ」
愚か者の人?
だからなんでそこで普通トークなんだよ俺よォ!
ばかですか!?
空気読むなよ!
「人の怪我が痛そうだと、股間がきゅーってなるよね」
「なるなる!」
どうだっていい。
「バンソウコウ、いる?」
「ん? いらない」
「手当てしなよー」
「しないよー」
お前ら付き合ってんの?
もう好きにしたらいい。
せっかく軽い大怪我したのに、そうやって一般的なリアクションだけ取っていればいいさ。
痛い損。
怪我なんてするんもんじゃない。
この程度でよかった!
って言うところですが
めささんの場合は
なんでここで止まっちゃったわけ?
血管からピューッていかないわけ?!
もう骨なんていらない
今日から軟体動物になる!
って感じですか?(-∀-)ニヤニヤ
まあお大事に(^ω^;)
いつも楽しく読ませてもらってます。重傷をネタにするその根性自体が重症な気も…笑
にしても読んでて痛い痛い…。さりげに文章力あるからリアルな描写が痛いよ~(つд`)
あんまし言いたくないですが、深い傷の細かい描写はちょっと得意でない方もいらっしゃるかもなので、安心して楽しく読みたいので今後はないといいなぁ…なんて。
特に鋭利なもので手首を切るとかだとあまり思い出したくないこととか連想してしまう時もあるので…
生意気言ってすいません。これからも楽しい文章を書いてってください!
いろんなコトが起こりすぎです
しかも今回は軽い重傷‥
『ネタになる』と考える前に
ちゃんと手当してくださいね
お大事にー(>へ<)
あぁ、想像するだけで手のチカラが抜けていく‥わら
今回の日記は、多少グロテスクな表現が含まれていましたね。
怪我などの話が苦手な皆さん、本当にすみませんでした!
ちなみに、後日談です。
怪我は3日で治りました。
手当てしないでも、どうにかなるものです。
でも皆さんは怪我したら、絶対に治療してくださいね。
めさでした。
続きましては、ハッピーバースデイのコーナー(?)です。