夢見町の史
Let’s どんまい!
2009
August 15
August 15
2002年、俺は26歳でした。
この歳になって大量のアルコールを飲むと、記憶をなくすことが珍しくなくなるんですよ。
幸い、人様に迷惑をかけるような酔い方はしてはいないようで、その点では勝手に安心しています。
ただ、自分がどのように酔っ払っていたのかを、人から改めて聞くのはやはり恥ずかしいわけで。
スナックでの勤務を終え、その帰り道のでのこと。
シラフのママが運転する車内には、看板娘Kちゃんと1人の酔っ払い。
その酔っ払いは既に、記憶が飛んでいる状態です。
もちろん、それが俺。
で、Kちゃんが不意に、こんな疑問を口にしたのだそうです。
「そういえばさー、豆腐屋さんって何であんなに朝、早いんだろうねえ。店にもよるんだろうけど、早いトコは夜中の2時とか3時に電気つけて、何かしてるじゃん」
別に俺に訊ねたのではないのでしょうけれど、酔っ払いが応えました。
「しょれはしゃ~、アレだよう。『豆腐の素』が、早く届くからだよう~」
豆腐の素!?
なにその謎の物質。
とても26歳の社会人の発言とは思えません。
脳の弱い26歳は、その後も続けて同じ様な事を力説したのだそうです。
「早く着くでしょ~? 豆腐の素は~。だかりゃ~、豆腐屋しゃんも~、早いの」
頼むから、もう黙ってくれ自分。
ママはおそらく、「この子はもう手遅れだ」とでも思ったのでしょう。
たしなめるように口を開きます。
「そうよねえ。私も聞いた事あるよ~。『豆腐の素』って、届くのが早いんだよね~」
早かろうが遅かろうが、絶対にそんな変な原料は届くまい。
ってゆうか、豆腐屋に「豆腐の素」が届くというのは、一体何系の発想なのでしょうか。
次の日、その話を聞いて俺は凹みました。
何故ならば、「めさは豆腐の原料が大豆であるということも解らなくなくなっちゃう奴だ」と証明されてしまったからです。
豆腐の元は大豆だっつうの。
この歳になって大量のアルコールを飲むと、記憶をなくすことが珍しくなくなるんですよ。
幸い、人様に迷惑をかけるような酔い方はしてはいないようで、その点では勝手に安心しています。
ただ、自分がどのように酔っ払っていたのかを、人から改めて聞くのはやはり恥ずかしいわけで。
スナックでの勤務を終え、その帰り道のでのこと。
シラフのママが運転する車内には、看板娘Kちゃんと1人の酔っ払い。
その酔っ払いは既に、記憶が飛んでいる状態です。
もちろん、それが俺。
で、Kちゃんが不意に、こんな疑問を口にしたのだそうです。
「そういえばさー、豆腐屋さんって何であんなに朝、早いんだろうねえ。店にもよるんだろうけど、早いトコは夜中の2時とか3時に電気つけて、何かしてるじゃん」
別に俺に訊ねたのではないのでしょうけれど、酔っ払いが応えました。
「しょれはしゃ~、アレだよう。『豆腐の素』が、早く届くからだよう~」
豆腐の素!?
なにその謎の物質。
とても26歳の社会人の発言とは思えません。
脳の弱い26歳は、その後も続けて同じ様な事を力説したのだそうです。
「早く着くでしょ~? 豆腐の素は~。だかりゃ~、豆腐屋しゃんも~、早いの」
頼むから、もう黙ってくれ自分。
ママはおそらく、「この子はもう手遅れだ」とでも思ったのでしょう。
たしなめるように口を開きます。
「そうよねえ。私も聞いた事あるよ~。『豆腐の素』って、届くのが早いんだよね~」
早かろうが遅かろうが、絶対にそんな変な原料は届くまい。
ってゆうか、豆腐屋に「豆腐の素」が届くというのは、一体何系の発想なのでしょうか。
次の日、その話を聞いて俺は凹みました。
何故ならば、「めさは豆腐の原料が大豆であるということも解らなくなくなっちゃう奴だ」と証明されてしまったからです。
豆腐の元は大豆だっつうの。
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2009
August 15
August 15
俺が高校生だった頃、ある日の夕暮れ。
いつものように2人の悪友と共に帰路についている途中。
友人らが交わしている会話の内容が、その日はどうも変でした。
「しっかしさぁ、あんなデカいビン、どうやってケツに入れるんだろうなー?」
「ああ、入んねえだろアレは~」
「そうだよなー、無理だよな。あんなデカいビン、どうやってもケツ入られねえよな」
「ああ。もう物理的に無理だよ~」
「全く、あのビンはデカ過ぎる」
「ケツに入るサイズじゃねえよ~」
ケツに何を入れるだって?
2人は構わず続けます。
「無理矢理入れるんじゃねえ?」
「ズボッ! って?」
「ははははは! ケツが裂けちまうぜ」
さっきから何を言っているのだこいつらは!
街中で、それも人通りが多い中で喋っていい内容じゃ間違いなくねえぞ!?
だって大きなビンを尻に、だなんて!
入れなきゃいいじゃん!
ばかー!
俺はもう、たまらず赤面します。
「おい! さっきっからなんて話してんだよ! 通行人とかいっぱいいるのに!」
ところが2人は「は?」とか言って不思議そうにしていやがりました。
不思議そうにしたいのはこっちだ。
俺はあたふたと、手足をジタバタさせます。
「いいか? そうゆうアブノーマルな話はだな、せめて2人きりの時にしろよな! いや待って! それも危ないッ!」
すると、悪友の片方が尋ねてきます。
「お前、さっきっから何言ってんの?」
それは俺が訊きたいことだがまあいい。
説明ぐらいはしてやろうじゃないか。
「だからあ、デカいビンをケツに入れるとかって話題で盛り上がるなって言ってるわけ! 通行人もいっぱいいるし、恥ずかしいじゃん! 入れなきゃいいじゃん!」
すると、何故か2人はゲラゲラと笑い初めます。
この人達、なんか怖ーい!
すると悪友が、
「ウイスキー・ヒップスっていうウイスキー、知ってるか?」
知らん。
「あるんだよ」
あるのか。
「小さいビンで、ジーパンのケツポケに入るように、真上から見ると丸みを帯びた三日月ってゆうか、まあ分厚いサイフみたいな形してんだよ」
それがどうした?
「そのウイスキー・ヒップスのデケえサイズのやつが売ってんだよ。相当デカいンだけどさあ、形がケツポケにフィットする形のままなんだ」
要するに、お尻のポケットに入れて持ち運ぶという前提で作られたウイスキーがあるそうなんですよ。
それで名前がウイスキー・ヒップス。
で、ですね、その前提をくつがえし、形状はそのままなのにサイズだけが大きくなったウイスキー・ヒップスが売られていたのだそうで、彼らはその商品に対して突っ込んでいたと言うんですね。
確かに分厚いサイフみたいな形状は、お尻のポケットに入れる為の筈なのに、でっかくしてどうする。
と、ツッコミたい気持ちは解りました。
しかし、既に略されている「ケツポケ」を、さらに略して「ケツ」って言うな!
バカッ!
紛らわしいったらありゃしません。
さて、誤解が解けたところで友人からの一言。
「めさお前、一体何と勘違いしてたんだ?」
俺はこの質問に対し、さらに顔を赤らめたのでした。
ビンは入らないよねえ…。
いつものように2人の悪友と共に帰路についている途中。
友人らが交わしている会話の内容が、その日はどうも変でした。
「しっかしさぁ、あんなデカいビン、どうやってケツに入れるんだろうなー?」
「ああ、入んねえだろアレは~」
「そうだよなー、無理だよな。あんなデカいビン、どうやってもケツ入られねえよな」
「ああ。もう物理的に無理だよ~」
「全く、あのビンはデカ過ぎる」
「ケツに入るサイズじゃねえよ~」
ケツに何を入れるだって?
2人は構わず続けます。
「無理矢理入れるんじゃねえ?」
「ズボッ! って?」
「ははははは! ケツが裂けちまうぜ」
さっきから何を言っているのだこいつらは!
街中で、それも人通りが多い中で喋っていい内容じゃ間違いなくねえぞ!?
だって大きなビンを尻に、だなんて!
入れなきゃいいじゃん!
ばかー!
俺はもう、たまらず赤面します。
「おい! さっきっからなんて話してんだよ! 通行人とかいっぱいいるのに!」
ところが2人は「は?」とか言って不思議そうにしていやがりました。
不思議そうにしたいのはこっちだ。
俺はあたふたと、手足をジタバタさせます。
「いいか? そうゆうアブノーマルな話はだな、せめて2人きりの時にしろよな! いや待って! それも危ないッ!」
すると、悪友の片方が尋ねてきます。
「お前、さっきっから何言ってんの?」
それは俺が訊きたいことだがまあいい。
説明ぐらいはしてやろうじゃないか。
「だからあ、デカいビンをケツに入れるとかって話題で盛り上がるなって言ってるわけ! 通行人もいっぱいいるし、恥ずかしいじゃん! 入れなきゃいいじゃん!」
すると、何故か2人はゲラゲラと笑い初めます。
この人達、なんか怖ーい!
すると悪友が、
「ウイスキー・ヒップスっていうウイスキー、知ってるか?」
知らん。
「あるんだよ」
あるのか。
「小さいビンで、ジーパンのケツポケに入るように、真上から見ると丸みを帯びた三日月ってゆうか、まあ分厚いサイフみたいな形してんだよ」
それがどうした?
「そのウイスキー・ヒップスのデケえサイズのやつが売ってんだよ。相当デカいンだけどさあ、形がケツポケにフィットする形のままなんだ」
要するに、お尻のポケットに入れて持ち運ぶという前提で作られたウイスキーがあるそうなんですよ。
それで名前がウイスキー・ヒップス。
で、ですね、その前提をくつがえし、形状はそのままなのにサイズだけが大きくなったウイスキー・ヒップスが売られていたのだそうで、彼らはその商品に対して突っ込んでいたと言うんですね。
確かに分厚いサイフみたいな形状は、お尻のポケットに入れる為の筈なのに、でっかくしてどうする。
と、ツッコミたい気持ちは解りました。
しかし、既に略されている「ケツポケ」を、さらに略して「ケツ」って言うな!
バカッ!
紛らわしいったらありゃしません。
さて、誤解が解けたところで友人からの一言。
「めさお前、一体何と勘違いしてたんだ?」
俺はこの質問に対し、さらに顔を赤らめたのでした。
ビンは入らないよねえ…。
2009
August 15
August 15
みなさんは前回アップしたエピソード、「ニコラス・ケイジ」はもうご覧になられたでしょうか?
内容は、「めさが俳優のニコラス・ケイジをニコラス刑事だと勘違いしていた」という恥ずかしい話です。
俺はこの件以来、固有名詞と役職を混合して考えないようにしていたんですよ。
もう恥ずかしい思いをしたくはありませんからね。
そんなある日のこと、俺の耳にある人物の名前が飛び込んできました。
K1選手、ミルコ・クロコップ。
テレビでよくK1を観戦するのですが、俺はなかなか選手個人に興味を待ちません。
興味があるのは、どんな戦い方があるのかとか、どんな場面でどういった戦術が有効なのか、俺にも習得出来そうな技があるのか等々です。
したがって俺、ミルコ・クロコップ選手がまさか本当に警察官だとは知らなかったんですね。
「ミルコ・クロコップ? はは~ん。その人、コップとかいっといてデカじゃねえな。ニコラス刑事の件がなかったら危うく騙されるとこだったぜ」
ところが、このミルコ・クロコップ選手は本当にお巡りさんなのでした。
ある日、友人がこんなことを言い出します。
「いやあしかし、ミルコは強えなあ」
ん?
ああ、あの色白の選手?
「おう。お前知らねえの? ミルコ・クロコップ」
バッカだなあ、微妙に知ってるよ。
「なんだ微妙って。いや、でもあの試合は凄かったなあ。あんなのが警察にいたら俺、絶対に犯罪とか怖くて出来ねえよ。凄いよな、警官までこなすだなんてさ」
ハッ!
こいつはホントにバカですね。
まあ正直、俺も以前は似たような間違えをしたことがあったからな。
こいつも俺と同じような勘違いの1つや2つはするかも知れん。
ここは1つ、友として彼の間違いを正しといてあげますかね、はいはいと。
「なあ、笑ってもいい?」
俺はにやにやとムカつく笑みを浮かべ、友を諭しにかかります。
「お前ミルコの事を警察官だと思ってねえか? アホだろお前。そんなことは他の奴に言っちゃ駄目だぜ? ニコラス・ケイジを刑事だと思ってる奴と一緒のレベルだぜ」
「はあ?」
「だ、か、ら! 名前が名前だから仕方ないのかも知れないけどさ、コップは刑事じゃねえよ。ミルコなんだよ」
…続き、もう書かなくてもいいですか?
俺は頑なに「ミルコ・クロコップは警察関係者ではない」と無駄に頑張って言い張り続けました。
警官だっつうの。
説教じみた俺の熱弁は続きます。
「正直言うと俺さあ、ちょっと前にニコラス・ケイジをデカだと思ってたんだよ。でもニコラス、デカじゃないじゃん、俳優じゃん。それと一緒だよ、お前の勘違いは」
「勘違いしてるのはお前だよ! ミルコ・クロコップは本当に警官だ!」
「あっはっはっはっは! ナイスジョーク!」
「ジョークじゃねえよ! ホントだって!」
「ふふふッ! お前も面白いなあ。ホントに警官?」
「ホントに警官」
2002年、始めの頃のお話でした。
内容は、「めさが俳優のニコラス・ケイジをニコラス刑事だと勘違いしていた」という恥ずかしい話です。
俺はこの件以来、固有名詞と役職を混合して考えないようにしていたんですよ。
もう恥ずかしい思いをしたくはありませんからね。
そんなある日のこと、俺の耳にある人物の名前が飛び込んできました。
K1選手、ミルコ・クロコップ。
テレビでよくK1を観戦するのですが、俺はなかなか選手個人に興味を待ちません。
興味があるのは、どんな戦い方があるのかとか、どんな場面でどういった戦術が有効なのか、俺にも習得出来そうな技があるのか等々です。
したがって俺、ミルコ・クロコップ選手がまさか本当に警察官だとは知らなかったんですね。
「ミルコ・クロコップ? はは~ん。その人、コップとかいっといてデカじゃねえな。ニコラス刑事の件がなかったら危うく騙されるとこだったぜ」
ところが、このミルコ・クロコップ選手は本当にお巡りさんなのでした。
ある日、友人がこんなことを言い出します。
「いやあしかし、ミルコは強えなあ」
ん?
ああ、あの色白の選手?
「おう。お前知らねえの? ミルコ・クロコップ」
バッカだなあ、微妙に知ってるよ。
「なんだ微妙って。いや、でもあの試合は凄かったなあ。あんなのが警察にいたら俺、絶対に犯罪とか怖くて出来ねえよ。凄いよな、警官までこなすだなんてさ」
ハッ!
こいつはホントにバカですね。
まあ正直、俺も以前は似たような間違えをしたことがあったからな。
こいつも俺と同じような勘違いの1つや2つはするかも知れん。
ここは1つ、友として彼の間違いを正しといてあげますかね、はいはいと。
「なあ、笑ってもいい?」
俺はにやにやとムカつく笑みを浮かべ、友を諭しにかかります。
「お前ミルコの事を警察官だと思ってねえか? アホだろお前。そんなことは他の奴に言っちゃ駄目だぜ? ニコラス・ケイジを刑事だと思ってる奴と一緒のレベルだぜ」
「はあ?」
「だ、か、ら! 名前が名前だから仕方ないのかも知れないけどさ、コップは刑事じゃねえよ。ミルコなんだよ」
…続き、もう書かなくてもいいですか?
俺は頑なに「ミルコ・クロコップは警察関係者ではない」と無駄に頑張って言い張り続けました。
警官だっつうの。
説教じみた俺の熱弁は続きます。
「正直言うと俺さあ、ちょっと前にニコラス・ケイジをデカだと思ってたんだよ。でもニコラス、デカじゃないじゃん、俳優じゃん。それと一緒だよ、お前の勘違いは」
「勘違いしてるのはお前だよ! ミルコ・クロコップは本当に警官だ!」
「あっはっはっはっは! ナイスジョーク!」
「ジョークじゃねえよ! ホントだって!」
「ふふふッ! お前も面白いなあ。ホントに警官?」
「ホントに警官」
2002年、始めの頃のお話でした。
2009
August 15
August 15
皆さんは、ハリウッドスターのニコラス・ケイジという方をご存知でしょうか。
とても知名度の高い俳優さんなので、知っている方がほとんどでしょうね。
ところが俺は26歳になるまで、彼の事を全く知りませんでした。
俺はスマイルというスナックで、ボーイとして勤務しています。
そんなスナックでのある日の事、店の女の子とお客さんが映画の話で盛り上がっておいででした。
俺は映画に詳しいというわけでもないので、おとなしく聞き入っていると、話題はニコラス・ケイジの話に。
「ニコラス刑事ってさー」
「ああ、いいよねー、ニコラス刑事」
刑事…?
コイツら何を言っているのだ。
俳優の話をしていたクセに、刑事の事を誉めてどうする。
だいたいニコラス刑事って何者だ?
俺の疑問をよそに、女の子とお客さんは、しきりにどっかの刑事を絶賛していました。
で、俺は何気なく尋ねてみる事に。
「ねえねえ、あのさ、なんでさっきまで俳優の話してたのに、刑事の話題になってんの?」
「は?」
「いや、言ってたじゃん。刑事がどうのこうのって」
「がはははは!!」
突然される大笑い。
みんなが何故ウケているのか、サッパリです。
みんなの笑いの意味が分からず、俺の頭上にあった「?」マークはさらに1つ増加するのでした。
女の子が、なんとか笑いをこらえつつも口を開きます。
「め、めさ君それはね? ぷッ! くすッ! そ、それ、刑事じゃな、ぷぷッ! 刑事じゃなぁーい! あはははは!」
何を言ってんのか全く解らん。
刑事じゃなくねえだろ。
さっきまで刑事刑事言ってたじゃんか。
しかしこのあと俺は丁寧に「ニコラスというのは刑事ではなく、『ケイジ』というセカンドネームを持つ俳優さんだ」と教えられたのでした。
しこたま天然扱いを受けたことは言うまでもありません。
恥ずかしいので、追記を少々。
その後、俺はフロアレディからニコラス・ケイジ主演の映画をお借りし、観賞致しました。
深みがある瞳、味がある演技。
非常に素晴らしい俳優さんでした。
とても警察関係者とは思えません。
しつこいようですが、ニコラスは刑事ではなく、ケイジです。
職業は俳優さんですので、ご注意ください。
とても知名度の高い俳優さんなので、知っている方がほとんどでしょうね。
ところが俺は26歳になるまで、彼の事を全く知りませんでした。
俺はスマイルというスナックで、ボーイとして勤務しています。
そんなスナックでのある日の事、店の女の子とお客さんが映画の話で盛り上がっておいででした。
俺は映画に詳しいというわけでもないので、おとなしく聞き入っていると、話題はニコラス・ケイジの話に。
「ニコラス刑事ってさー」
「ああ、いいよねー、ニコラス刑事」
刑事…?
コイツら何を言っているのだ。
俳優の話をしていたクセに、刑事の事を誉めてどうする。
だいたいニコラス刑事って何者だ?
俺の疑問をよそに、女の子とお客さんは、しきりにどっかの刑事を絶賛していました。
で、俺は何気なく尋ねてみる事に。
「ねえねえ、あのさ、なんでさっきまで俳優の話してたのに、刑事の話題になってんの?」
「は?」
「いや、言ってたじゃん。刑事がどうのこうのって」
「がはははは!!」
突然される大笑い。
みんなが何故ウケているのか、サッパリです。
みんなの笑いの意味が分からず、俺の頭上にあった「?」マークはさらに1つ増加するのでした。
女の子が、なんとか笑いをこらえつつも口を開きます。
「め、めさ君それはね? ぷッ! くすッ! そ、それ、刑事じゃな、ぷぷッ! 刑事じゃなぁーい! あはははは!」
何を言ってんのか全く解らん。
刑事じゃなくねえだろ。
さっきまで刑事刑事言ってたじゃんか。
しかしこのあと俺は丁寧に「ニコラスというのは刑事ではなく、『ケイジ』というセカンドネームを持つ俳優さんだ」と教えられたのでした。
しこたま天然扱いを受けたことは言うまでもありません。
恥ずかしいので、追記を少々。
その後、俺はフロアレディからニコラス・ケイジ主演の映画をお借りし、観賞致しました。
深みがある瞳、味がある演技。
非常に素晴らしい俳優さんでした。
とても警察関係者とは思えません。
しつこいようですが、ニコラスは刑事ではなく、ケイジです。
職業は俳優さんですので、ご注意ください。