忍者ブログ

夢見町の史

Let’s どんまい!

  • « 2025.01.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »
2025
January 23
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2009
February 21
「好きな作家さんって誰です?」

 仕事仲間からの問いに、俺は「伊坂幸太郎さん」と応える。

「彼は重たいこともさらりと書くし、読んだ後に爽快感があって、俺好みの小説が多いんだよね」

 職場がスナックということもあって、ほどよく酔った俺は饒舌だ。
 お客さんを放ったらかして、従業員同士のしばしの談話。

「初めて読んだ彼の作品がね、重力ピエロっていうタイトルなんだ。それを読んでから、伊坂さんの本を買うようになった」

 重力ピエロの感動ポイントなど、俺は熱を込めて同僚に語る。

「とにかくスゲー良かったよ、重力ピエロ」

 するとフロアレディのHちゃんは「別にエロくないじゃないっスか」と不思議そうに首を傾げる。
 その謎の反応に、俺も同じ角度で首を傾けた。

 店の喧騒のせいか、はたまた俺の発音が少し悪かったのかも知れない。
 彼女の耳には、重力ピエロが次のように聞こえていた。

「16Pエロ」

 ふしだらすぎる。
 16って、そこまで団体戦だったらもう人数とかどうでもいいだろ。
 男女の比率も知りたい。
 だいたい16Pの時点で相当エロいのに、わざわざ最後にエロと加える抜かりのなさ。
 そんなストレートなタイトル、官能小説だって付けないだろう。

 ただの聞き間違えなのだが、Hちゃんの素晴らしい才能に嫉妬してしまいそうだ。
 重力ピエロが16Pエロ。

 俺は膝から崩れ落ちた。
 間違いなく俺の負けだ。

「がはははは! 16Pって! お祭りかよ! あーっはっはっは! ひー! 息が! なんで俺、そんな本買ってファンになってんだよ! がはははは!」
「めささん! 日記に書かないで!」
「無理! だって16Pだぜ!? その16人は何繋がりなんだ! がはははは!」

 目には早くも涙が。
 息が、吐けるのに吸えない。
 背後に死神でも微笑んでいるんじゃないかと疑うぐらい苦しい。

「16Pエロー! あーはははは! 昔、熱帯魚屋にいた小学生が『エロンガータス』っていう魚を見て『エロンガー、タス!』って叫んだことを思い出した! ふはははは!」

 手をバンバン叩く。

 お客さん方、置いてきぼりにしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。

拍手[4回]

PR
2009
February 14
 首相が「みんなでガンダーラに行こう」と言い出したら日本はもう終わりだ。
 そのようなことを悪友が前触れもなく言い出した。

 ガンダーラというのはいわゆる楽園とか理想郷の一種で、ゴダイゴという日本人で構成されたバンドが歌にしたことで名を広めた。
 当事は西遊記がドラマ仕立てで放映されていて、そのエンディング曲がガンダーラだったのだ。
 ちなみにオープニングで流れていた曲目はモンキーマジック。
 どちらも名曲である。

「首相がガンダーラを目指し始めたらよ~」

 悪友が続ける。

「そいつ既にモンキーマジックにかかってるよ~」

 モンキーマジック。
 直訳すれば猿の手品。
 そんなものに引っかかってしまうような人が日本のリーダーをやっている時点で非常に不安だが、俺は別のことを考え始めている。

「そうなった場合の国会中継が見てみたいな」

 モンキーマジックをかけてやろうと大量の猿たちが国会議事堂を襲撃する。
 なんてファンタスティックな映像だろう。
 視聴率だってうなぎ上りに違いない。

「ちきしょう、猿どもまた来やがった! 何か議論しようとすればすぐこれだ!」
「迎え撃て!」

 いきなり国会中継じゃない感じが素敵ではないか。

 悪友も俺も、目を輝かせて妄想に励む。

「野郎! マグナムが効かねえ! こいつらただの日本猿じゃねえぞ!」

 どうしてそんな物を持って来ているのだ。
 猿も凄いが、あんたも凄い。

「くそ! このままじゃ数で負ける! 他の議員たちはまだか!」

 なんで警察とかに頼らない?

「みんなー! もう何もかも忘れてガンダーラ行こうぜ。そこに行けばどんな夢も叶うってゆうし、生きることの苦しみさえ消えるよーん」
「首相! 気をしっかり持って!」
「首相がモンキーマジックにかけられた! ちきしょう、いつの間に…!」

 なんか楽しそう。

「くそが! 猿どものせいで、まともに会議できたためしがない! こいつらの目的は一体なんなんだ!」

 すみません。
 そこまで考えていませんでした。
 それにしても強いな猿。

 悪友と2人、大いに盛り上がる。

「ちきしょう! 絶対に生きて帰るって家族と約束したんだ! こんなところでくたばってたまるか!」
「ぎゃはははは! 猿の襲撃を予想していたならもっと対策しっかり立てとけよ~」

 朝まで飲んで、語ったことがこんな妄想話。
 内容の薄さに落胆の色が隠せない。

拍手[0回]

2009
February 13

 人が持つ習性の1つとして「嫌がっている人にちょっかいを出したくなる」というものがある。
 今年はそれを利用させていただくことにした。

 では、失礼して。

 俺、バレンタインだけは駄目なんだよ~!
 甘い物とかもうホント無理なんだってば!
 そりゃ去年は冗談で「チョコっとカカオ」とか書いてたけど、あんなの普通に本気じゃないし。
 だからチョコとか要らないの!
 マジでマジで。
 やめてやめて。
 いやホントに!
 に!

 いやほら、むしろチョコなんて貰ったら困るぐらいだもん。
 だってさ、あんなに黒くて固くて甘くて、うわあ。
 考えただけでも困るう~。

 だってよく考えてみ?
 あれだけ黒くてだよ?
 黒だよ黒?
 しかも固くてさ、なんと食べたら甘いんだぜ?
 うっわ、もう無理!
 そんなのただの幸せじゃん。

 どうしよう、あんなのがわさわさ届いたら。
 糖尿病になるよ。
 って俺、結局食べるのかよーッ!
 みたいな!
 でもマジでホント無理だから。

 違うの。
 医者からチョコを止められてるんだよ~。
 チョコっとしか食べちゃいけないの~。
 だから少しだけだったら大丈夫。

 え?
 いや別に痛くはねえよ。
 今の俺、全然痛くなんて、なってねえよ。
 言いがかりはやめてください。
 傷つきました。
 この深手はお菓子でも貰わなきゃ、とてもじゃないけど癒されませんなあ。
 お菓子ってゆうか、アレだよアレ。
 俺の口から言わせんなよ。
 解ってんだろ?
 アレだってばアレ。
 どう考えても、季節的にもアレだろ。
 照れてんのか、オウ?
「アレよこせ」なんて俺サイドから言うわけにはいかねえだろ?
 察しろよ。
 ただの2月14日だろうが。
 ばかが。

 だいたいな、俺が気ィ遣って郵便ポストを思った以上に小まめに見に行ってやってんだぜ?
 ピザ屋のチラシしか入ってねえのによ。
 それなのに糖分が配分されてないって、どれだけ世の中不公平なんだよ。
 給付金要らねえから、愛情くださいって話だよ。

 もうね、説教してやりたい。
 バレンタインの根源になった人たちまとめて、ささくれ剥いてやりたい。
 名刺の役職のところを「ふんどし大名」って書き換えてやりたい。
 それぐらいの切なさを本当にどうもありがとうございました!
 おばか!

 ってゆうか俺、趣旨変わってるのはなんでだ。
 いつの間にか負け犬びっくりの遠吠えしちゃってるじゃないか。

 ごほん。
 一応、話だけ元に戻しておこうかな。

 チョコなんて本当に要らないんだってば!
 もうホントやめてよね~。

※タイトル参照。

拍手[1回]

2009
February 13
 俺が知る限り、彼はトップクラスの変人だ。
 こいつのせいで、俺にとっての青春の思い出はときに、人から「伝説」と呼ばれてしまうことがある。

 悪友のトメが、職場のスナックに飲みに来た。

 挨拶代わりの第一声からして一般的ではないところがまた彼らしい。

「俺さあ~、最近よ~、出会い系サイトにハマっててさ~」

 いきなり飢えてる発言。

 そもそも出会い系サイトって、ホントに出会えるの?

「おう。いつもいい感じになって待ち合わせしようかって話になってさ~。あいつら商売上手いよな~。丁度いいところでポイントが切れるよ~」

 それって結構な金額になるんじゃねえのか?

「安いとこもあるんだけどよ~、基本的には金かかるよ~。相手のプロフィール見るときとか、返信するときにポイントかかるからよ~。それが嫌で退会しようとしても、出来ないしよ~」

 え?
 退会出来ない?
 なんで?

「退会しようと思うじゃん? そんで退会画面まで進むと『ホントにそれで後悔しませんか?』って怒られるんだよ~」

 お前の意思ってどこにあるんだ?
 だいたいさ、サクラだって多いんだろ?

「おう、スゲー多いぜ? 見る?」

 見る見る!
 どこの時点でサクラだってことが解るのか、興味ある!
 今見れるの?
 ケータイ貸して!

「おら、これだよ」

 なになに?
 愛情を込めてエッチなことをして欲しい?
 いきなりそっちの話かよ。
 やる気満々だな。

「プロフィールの画像もスゲーぜ?」

 どれどれ?
 おお、めっちゃ可愛いじゃん!
 でもなんでこの娘、いきなり片乳出してんの?
 最初の段階で半裸になってる理由が知りてえよ。

「全くだよ~。誰に撮ってもらったんだって話だよな~」

 確かに自分で自分を撮った構図じゃねえな。
 少なくともこの娘には、自分のヌードを撮らせる何者かがいる。

「ちなみに最近はさ~、他のサクラの人と仲良くなっててさ~」

 お前の楽しみ方が特殊だってことはよく解ったよ。
 そのサクラの人とは、結構メールの応酬してんの?

「それがさ~、俺よ~、元々メール嫌いじゃん?」

 ああ、そうだな。
 今まで俺、お前からメアド教えてもらったことなんて1度もねえもん。

「だろ~? だからメール返すのが面倒でさ~」

 なるほどな。
 さっきから気になっているんだけどさ。

「ん?」

 お前、最初「出会い系サイトにハマってる」って言ったよな?

「おう、ハマってるぜ?」

 でもお前、相手がサクラだって簡単に見分けるし、しかも退会しようとしたじゃねえか。
 要するにお前、何1つハマってねえよ。
 なんで「ハマってる」って言うんだ。

「おう。スゲー面倒臭いぜ? 有料だしよ~」

 つまりお前、なんにも楽しんでねえじゃねえか!
 普通だったら「出会い系に手ェ出してるけどハマってはいない」みたいに取り繕うだろうに、なんでお前は逆なんだ。
 自ら「ハマった」って、言ってるそばから興味持ってねえじゃん!

「暇つぶしに始めたんだよ~」

 メール嫌いな人には向いていないってことに最初に気づかなかったんですか!?

 悪友との酒盛りは続く。

拍手[0回]

2009
February 10
 人込みが大の苦手であるこの男が「初詣に行こう」とやかましい。
 1人で行けと提案すれば、それは寂しいから嫌だとわがままを言う。

「違うの。厄払い的な意味なの。ここ数年、運気が悪い気がする。だからチーフ、俺のために行こうぜ初詣」

 めさ、お前のその自分勝手さが運気低迷の原因だ。

「違うの。俺はちゃんとね? 俺のためだけに初詣に行こうと思っているわけなのだよ」

 何1つ違わん。
 なんで俺を巻き込むんだお前は。

「じゃあ正月早々、付き合ってもらうからー!」

 じゃあってなんだ。
 お前にとって会話ってなんなんだ。

 そんなこんなで元旦。
 新年最初の日から俺はめさと一緒に初詣に駆り出されることとなった。

 なかなか広大な神社には人が多く、思った通りに進むことが出来ない。
 俺は早くも心が折れ、帰りたくなる。

「あああ!」

 めさが突如、大声を出す。

「ネックレスが無い! 10年以上も毎日付けてた、俺のネックレスがーッ!」

 見ればめさは、首からぶら下がるチェーンをつまみ上げ、泣きそうになっていた。
 どう見てもペンダントトップの部分が無くなっている。

「さっき駅でスキップしたときだ…」

 めさのテンション、大暴落だ。
 これで今日、こいつは人前でスキップなどしなくなるだろう。
 俺は一応「早くお参りしような」と慰める。

 境内に入ると、そこには縁起物の線香が焚かれていた。
 大人5人ぐらいで手を繋いで輪になったぐらいに壷の直径は大きく、そこから煙が立ち昇っている。
 体の悪い部分にその煙を浴びると具合が良くなるといわれている。

「あの煙も絶対に浴びたい。全身くまなく!」

 もう2度と愛用品を落としたくないのだろう。
 めさの気合は充分だった。

 人々の進行はゆるやかで、少し前に進んだかと思えばすぐに止まる。
 警官たちが配備され、入場者のペースを配分しているのだ。
 俺たちは運良く、巨大な壷の横で静止することに成功する。
 再び人が進み出すまでのしばらく、めさは煙浴び放題というわけだ。

「うおー! 全部俺のものだー!」

 札束をばら撒いたときの金の亡者みたいなことを言いながら、めさは煙をその身にまぶす。
 実に幸せそうだが、こいつには2つの計算外があった。
 次に前進するまでの間が思いの他に長いことと、風向きだ。
 煙の量がまた多い。

「い、息が…!」

 縁起が良いはずの白煙がめさに襲いかかる。
 人込みのために倒れることもできず、めさはその場でのた打ち回った。

「ぐあ! 目に! ああ! 目がー!」

 天空の城かお前は。

 その後、どうにかお参りを果たすと、今度はおみくじを引きたいと、まためさが騒ぎ出した。
 長い列に並び、時間をかけておみくじを買い、落ち着ける場所まで移動し、そこで一斉に開ける。

「お! 俺は小吉か。めさはなんだった?」

 訊くと彼は「凶って書いてある」とつぶやいた。
 生まれて初めて、俺は凶のクジを目の当たりにした。
 初詣のおみくじに凶なんて実際は入っていないと思っていただけに、この衝撃はなかなかだ。

「チーフ、神様って本当にいるのかな?」

 独り言のように言う彼は、それはそれは遠い目をしている。

「なんで俺がこんな目に…。ちょっと破魔矢買ってくる…」

 催眠術にでもかかっているかのように、めさはふらふらと売店に向かって縁起物を購入していた。

「居酒屋行くか」
「うん」

 俺はめさの肩をポンポンと2度叩く。

「厄払いやお参りもしたんだから、これからはいいことあるって」

 地元に戻る。
 めさの自転車が盗まれていた。

 俺は「めさって本当に面白いな」と褒めておいた。

拍手[7回]

[34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44]
プロフィール
HN:
めさ
年齢:
49
性別:
男性
誕生日:
1976/01/11
職業:
悪魔
趣味:
アウトドア、料理、格闘技、文章作成、旅行。
自己紹介:
 画像は、自室の天井に設置されたコタツだ。
 友人よ。
 なんで人の留守中に忍び込んで、コタツの熱くなる部分だけを天井に設置して帰るの?

 俺様は悪魔だ。
 ニコニコ動画などに色んな動画を上げてるぜ。

 基本的に、日記のコメントやメールのお返事はできぬ。
 ざまを見よ!
 本当にごめんなさい。
 それでもいいのならコチラをクリックするとメールが送れるぜい。

 当ブログはリンクフリーだ。
 必要なものがあったら遠慮なく気軽に、どこにでも貼ってやって人類を堕落させるといい。
リンク1

Powered by Ninja.blog * TemplateDesign by TMP


Hit

Yicha.jp急上昇キーワード[?]

忍者ブログ[PR]