夢見町の史
Let’s どんまい!
August 07
3日に行ったオフ会には12名のお客様と、飛び入り参加の悪友や飲み仲間。
劇団「りんく」のメンバーたちでお迎えし、盛大に盛り上がった。
俺は本来、人から好かれるのが大好きだ。
だから、やたら意識した。
主催側に気を遣ってのことか、自ら氷を取りに行こうとしたり、皆のお代わりを作ってくれようとする参加者様。
そんな彼女を、きっちりと制する。
「働かなくていいよ。あなたはお客様なんだから、楽しんで飲んで」
どこまで優しい一言を言えちゃう人なのだろうか、俺は。
俺が俺だったら俺に惚れるぞ。
ところが彼女にとっては、気を遣うことが自然であるようだ。
俺に頼めばいいものを、灰皿など取り替えている。
「働かなくっていいって言ってんの!」
時には物事を言い切る意思の強さが必要だ。
俺は高々と断言した。
「俺はね!? みんなのお酒を作ったりとかして、『めささんは主催者なのにとてもよく動くなあ』って思われたいの! 何もかも好感度のためなのね!? だから、あなたは働かないでいいの! 俺的には営業妨害だ!」
胸の内を全て曝け出す大胆さに、我ながらクラクラしそうだ。
最高に輝いてる、俺。
酒が進んでも、俺の素晴らしさは止まらない。
「みんな聞いてー! 俺、もうすぐ酔うからー! だから1時間後ぐらいには働かなくなってまーす!」
アルコールを摂取した状態でも、俺はここまで自分自身を冷静に分析できる男なのだ。
先見の明もありまくっている。
酔ったら酔ったで、俺は何故か靴を脱ぐ習性がある。
日本人らしくって素敵。
椅子の上であぐらをかいた。
と、ここで普段だったら、へろへろになりながら再び靴を履こうとし「靴が履けなぁい」などと甘えた声など出すのだが、オフ会ともなると、さすがにそうはいかない。
「フッ! 今夜も靴が履けないぜ」
なんてニヒルな奴なのだ俺は。
ここまでカッコよく靴が履けない男が他にいるだろうか。
ちなみに今、書いていて謝りたくなっている自分がいる。
さて、感謝状。
3日のオフ会に参加してくださった皆さん、本当にお疲れ&ありがとうございました!
後日メールで挨拶くださった皆さん、1人1人に返信できなくって、すみません。
調子こいて、お昼の仕事を入れまくっちゃってたの。
オフ会は山賊の宴を思わせる騒ぎ具合になりましたが、皆さんとお話できて楽しかったですよ。
主催者の頭がちょっぴりアレで恐縮ですが、これに懲りずまた遊びに来てくださいませ。
参加者の皆さん、どうもありがとう!
July 30
日曜開催という日取りが悪いのか、皆さんお忙しいのか、今回のオフ会参加者様は例年よりも遥に少ない。
いつの間にか嫌われたのかも知れないと、電気の消えた台所で体育座りをしたくなる。
でもまあ、少人数ならその分1人1人とお喋りに集中できるわけだから、さぞかし充実感が得られるに違いない。
参加者様からチヤホヤされちゃう可能性も上がるのではないか。
気づけば熟考の方向性が変わってきている。
おもてなしをする側ではあるけれど、俺はモテたい。
どうすればオフ会の最中、好感度を上げられるだろうか。
「いけません!」
心の中で天使が叫んだ。
「そのようなヨコシマな気持ちを持ってはいけません! あなたがするべきことは、参加者様1人1人のために全力を尽くし、真心を込めて死ね」
天使なんか嫌いだ。
言うことがいちいち黒すぎる。
「いいじゃねえか」
次に心の中でささやいたのは、悪魔だ。
「オメー、女子からハートマークの瞳で見つめられてえんだろ? 女子からモテてえんだろ?」
…はい。
「ぜってー無理だ。諦めろ」
俺の脳内はこんなんばっかしか。
例の如く、俺の中で1人会議が始まる。
悪魔「今回、そんなにオフ会の参加者さん、少ねえのか?」
めさ「夏休みだから大丈夫かなあって思ってたんだけど、日曜開催ってのがマズかったみたい」
天使「諦めてはいけません! そもそも、曜日のせいにするとは何事です!? ただ単に、お前の腕が落ちただけです」
めさ「お前はもう天使って名乗るな!」
悪魔「オメーんとこに届いたメールを見ると、『もう席がいっぱいですよね』って思ってる人も多いみてーだな」
めさ「むしろ逆なんだけどね。でもまあ、たまには少人数でガッツリ話し込むいい機会でもあるわけだし、楽しみなのは変わらないからいいんだけどね」
天使「では何故さっき、暗い台所で体育座りを?」
めさ「自分の人気が落ちたのかと思って…」
悪魔「解りやすく傷ついてんじゃねえよ」
天使「全くです。落ちたも何も、お前には最初から人気なんてありません。人気という単語を口にする時点で、実におこがましい。悔い改めなさい。そして私に敬語を使いなさい」
めさ「おこがましいのはお前だよ!」
悪魔「ってゆうか、話を元に戻そうぜ」
めさ「おう、そうだったな。議題は、どうしたら当日、俺がチヤホヤされてしまうか」
天使「おお神よ。無理です」
悪魔「だな」
めさ「オメーら少しは対立しろよ! 互いに同意してんじゃねえよ! もう、違うのー! もっと建設的な作戦を立ててほしいのー!」
天使「こういうのはいかがです?」
めさ「何々?」
天使「ゲイに転向」
めさ「却下にもほどがある!」
悪魔「野郎からしても迷惑な話だしな」
めさ「そっちかよ! 舐めやがって! 俺はこれでも、卓球の福原愛ちゃんに似てるって何度が言われたほどの男だぞ! それも泣く頃の愛ちゃんにだ! 男として、どうなんだ俺は!」
悪魔「何に対してキレてんだよ」
天使「いいからキツめのレザーパンツを履いて、黒のタンクトップを着なさい」
めさ「似合わねえよ!」
悪魔「待て。男色家の人って、あくまで男が好きなわけだろう? だったらオメー、男らしくしねえと駄目じゃねえか」
めさ「目的が違う! 俺は女好きだ!」
悪魔「そこだけ聞くと最低だな」
天使「話を元に戻しましょう。人はどこから来て、どこに行くのか」
めさ「そんな高尚な話はしていない!」
取り合えずチヤホヤされよう大作戦は企画の段階で失敗に終わったので諦めます。
オフ会に参加予定の皆様、当日は楽しく飲みましょうね。
めさでした。
参加者様は、まだまだ大募集中です。
詳しくは7月25日にアップした「こってりしたメンバーたちで精一杯おもてなしさせていただきます」をご覧くださいませ。
お逢いできる日を楽しみにしています。
July 27
職場の椅子が壊れかけてたから、直そうと思ったの。
だから俺、いつもよりちょっぴり早めにスナック「スマイル」に出勤したのね?
ちょっとした工夫だけで椅子の故障を軽減できたもんだから、何度も「俺って天才じゃね?」ってつぶやいたさ。
ついでにお店の看板も点けて、お客様を早めに招き入れる体制も整えてね。
頑張り屋さんじゃね?
でもね、誰も来ないの。
お客さんどころか、ボスやフロアレディのみんなも、来る気配がないの。
俺が自分の意思で、勝手に努力しているのに!
店側の人間まで来ないとは、一体どういうことさ!
普段は穏便な俺も、さすがにこれには鬼ギレですよ。
毅然と奮い立って、女の子たちに片っ端から電話をかけてやったの。
あのときの俺は、まるで鬼神を思わせる激怒っぷりだったね。
「もしもし? あのさ、今電話、平気? あのさ、今日ってさ、スマイル休み? なんかね? 誰も来ないの」
「マジすか、めささん。お店開けちゃったんすか。スマイル今日、休みっすよ。ププッ」
軽く笑われる。
「もしもし? めさ? さっき電話もらったみたいなんだけど」
「違うの。スマイル休みなのかなあ? って思って」
「休みって聞いてなかった? 今日は絶対に営業しないよ」
ですよねー。
泣きながら看板の電気を消したよ。
その次の日はね、隠れ家にしているハワイアンバーでお茶しながら、ノート広げて色々と作業をしていたのさ。
お気に入りの席からはね、小さな時計が見えるわけ。
「この時計って、合ってます?」
「合ってるよ」
「じゃあ、スマイル開店まで、まだ時間あるな。コーヒーおかわりくーださい」
で、いそいそとご出勤よ。
道路から職場を見るとね、珍しくお店の看板が点いてるの。
どうやら誰かが、俺より早くに来たみたいでさ。
開店準備を手伝おうと思って、急いでご入店よ。
そしたらさ、予想を超えた展開がそこに!
って感じだったよ。
女の子が出勤しているどころか、もう既にお客さんが飲んでいらっしゃる。
今日は何?
俺の誕生日か何か?
とにかくサプライズ。
「どうしたの、みんな!」
「どうしたじゃないよ! めさ、今もう11時だよ!?」
「何ッ!」
時計を見て、びっくりしたよ。
1時間丸々、俺、遅刻してんの。
隠れ家の時計は綺麗に1時間、遅れていたらしい。
「ホントすんませんっしたァー! 休みの日に勝手にお店開けたり、1時間も遅刻したり、ホントすんませんっしたァー!」
もう俺、カレンダーとか時計とか、信じられない。
July 25
「旗揚げの頃はさ、公演するにもお金がなくて、それでみんなでお店やったりして、楽しかったよね…。あの頃は、みんな瞳が輝いてた。でも今は、お金があっても、あの頃の情熱がないよ!」
なんねえかなあ、そういうの。
さて、お待たせしました。
ってゆうか、あまり待っていなかった方はすみません。
今回はオフ会の告知ですよ。
横浜某所にて、ってゆうか正確には俺の職場であるスナックを貸し切って、夏のオフ会を開催させていただきます!
と、その前に。
こういった告知なんですけども、どうしても既に表記していることへの質問って多いんですね。
1人でいらっしゃる方が毎回ほとんどで、それで「お1人様でもお気軽に!」って書いてあるのに、
「1人なんですけど、大丈夫でしょうか?」
ばかか!
大丈夫に決まってるだろ!
俺や他の参加者様たちが、君の人見知りなんて忘れさせてくれる!
よし、青春成功。
では、今からオフ会の詳細を説明させていただきますね。
参加を検討してくださる方は、今ご覧のこの記事をブックマークするか、画面メモに残していただけると便利かも知れません。
参加表明の送り方も記載してありますので、よくお読みになってくださいね。
今回のオフ会はですね、合計で5回行わせていただきます。
8月は日曜日が5回あるのですが、この日曜を全て使おうといった魂胆なんですね。
8月の3日、10日、17日、24日、31日です。
さらに17日と24日はお昼の部を設けました。
未成年者の方、専用です。
お酒はお出しできないけども、安心して遊びに来てください。
数年振りに、未成年オフ復活です。
次に集合場所なのですが、これは毎度のことながら、東急東横線の白楽駅とさせていただきました。
渋谷から、もしくは横浜から1本で来ることができますけれど、急行は止まらない駅ですので注意するのが良いですよ。
未成年専用オフ会への参加者様は、お昼の14時に。(17日と、24日だけですよ)
大人オフへの参加者様は、夜の21時に集合してくださいませ。
遅れての参加もOKなんですけども、その際は電話にて会場への案内をさせていただきますね。
17日と24日の未成年者様専用のオフ会は20時まで。
大人オフ会は始発の時間まで、つまり朝まで開催させていただく所存です。
でも、もちろん途中退席も自由ですので、門限などある方もご安心くださいませ。
続いて会費です。
未成年者様、3000円。
大人終電コースも3000円。
朝までガッツリコースは5000円とさせていただきます。
飲み放題、唄いたい放題、もちろん語りたい放題。
コスプレなどしたい方は、着替えスペースもありますのでご自由に衣装をお持ちください。
おつまみやお酒は用意しておきますが、飲食料の持ち込みもOKです。
当日は俺だけでなく、劇団「りんく」のメンバーたちでおもてなしさせていただきます。
でも、俺のお尻は触っちゃ駄目です。
ノーブラで挑発しますが、そこは我慢してくーださい!
さて。
今ので気分を害し、参加しないでおこうと決めてしまった方。
よく考えてください。
俺がブラしてたら、もっと気持ち悪いですよ。
続いて参加表明の送り方です。
ここからはさらに大事ですから、ホントよくお読みになってくださいね。
参加表明はメールにて送っていただきたいのですが、その送り方は後に説明させていただきます。
まずは書き方から。
メールのタイトルは「オフ会」とし、本文にお名前と電話番号を明記して、送信してやってください。
後日、通話にて本人確認と挨拶をさせていただきますので、知らない番号でも出てちょ。
それはきっと俺です。
待ち合わせ場所などについて、さらに詳しくお伝えさせていただきますね。
お店の椅子にも限りがありますので、参加表明はお早めにお願いいたします。
20名を超えてしまった日のオフ会は、参加募集を打ち切らせていただきますのでご了承ください。
また、定期的に「17日お昼の部はあと3席です」みたいな感じの情報を、この日記コメント欄、または最新日記のコメント欄にアップしていきますので、参考にしてやってくださいませ。
質問などありましたら、それもなるべくここの日記のコメント欄に書き込んでやってくださいね。
一括でお答えできるので、同じ疑問を持っていらっしゃる方への対応にもなるんですね。
もちろん、言いにくい内容でしたらメールか、もしくは電話にてお応えさせていただきます。
さて、長くなってしまいました。
今回のオフ会は、俺こと、めさのオフ会であり、同時に劇団「りんく」のオフ会でもあります。
ちょっとしたイベントなども用意させていただきました。
何よりも、生で会って皆さんとお喋りをし、大騒ぎすることが楽しみです。
俺が酔ったらどれだけウザくなるか、思いしるが良い!
冗談はさて置き、参加表明メールをお待ちしております。
メールは、コチラをクリックしてお送りください!
りんくメンバー一同、心よりお待ち申し上げます。
逢いたいぞー!
July 18
意を決した乙女が発するOKサインとしか思えないこの言葉を、俺は最近よく耳にする。
いや、よく耳にするどころではない。
1日に1回は必ず聞くし、多い場合だと短時間で3回といった大盤振る舞いだ。
ところが俺は、毎回決まって1人で帰宅する。
ここ最近、うちに勝手に住み込んでいる輩がいるのだ。
そいつには、出来れば人生レベルで会いたくないし、人に会わせるのも嫌だ。
自宅のセキュリティは確かに甘いけれど、だからって勝手に住み着くか?
追い出そうにも、怖くて実力行使に出られない。
逆ギレして戦えば勝てる相手ではあるが、怪我をされても困る。
先日は敬語になって、恐る恐る提案してみたものだ。
「あの、恐れ入りますが、ここはその、俺の家だったりするんですよね。なので、その、できれば他に行っていただけないかなあ、なんてね! えへへ」
8本足の同居人は、極限まで腰を低くしている俺を鮮やかにシカトした。
クモという響きからして既に怖いので、俺はこの虫のことをアイリーンと呼んでいる。
この文章を綴っている今も、彼女はこの部屋のどこかに存在していて、尻からわけの解らない糸を出しているに決まっているのだ。
想像するだけで恐ろしい。
そもそも尻から糸って何だ。
何で構成されているのだ、その糸は。
木綿か?
今回のアイリーンは困ったことに、直径が4センチ程度。
俺をショック死させるのに充分なサイズだ。
神様はどうしてこのようなゾイドみたいな生物を創られたのだろうか。
ちゃぶ台の下で安心して足を伸ばすこともできない。
アイリーンがうっかり俺の足などに触れてみろ。
舌噛んで死ぬぞ。
もしくは爆発する。
だいたい今、奴はどこに潜伏しているのだ。
最後に見たのは本棚の裏に、凄まじいスピードで隠れる姿だ。
何か変なものを産んではいないだろうな。
怖いので確認はしていない。
そもそも奴は1人なのか?
まさか大家族で引っ越してきてはいないだろうな?
お前は遊牧民か。
仮に奴が単独ではないとすると、俺が見たのは実は1番下っ端のアイリーンで、もっと巨大な真のアイリーンが他に控えているのではないか。
勝てる気がしない。
友人から殺虫剤を使ってはどうかとのアドバイスも受けたが、そんなことをしたら駄目である。
アイリーンは害虫ではないのだ。
むしろ害虫を食す、人間の味方なのである。
それがどうして、あのデザインなのよ。
UFOキャッチャーに入っていても違和感のない姿に進化していてほしかった。
マスコットキャラみたいな恰好で、声優さん顔負けの可愛い声を出せるようになっていてほしかった。
「ぼくはアイリーン! 困った虫は、ぼくが食べちゃうからね! 安心して暮らしてね!」
だったら育ててもいい。
それが本物のアイリーンときたらどうだ。
手の平サイズのモンスターではないか。
「我が輩はアイリーン。諸君らが嫌悪する害虫どもは、我が輩が消化液で動きを止め、じわりじわりと喰い尽くしてくれようぞ。頭からもしゃもしゃとな! 安心して暮らすが良い」
安心なんてできるか。
まさかこんなにグロテスクなセリフを日記に書く日が来るとは思わなかった。
お食事中の皆さん、すみません。
それにしても、この落ち着かない気分はどうだ。
こうしている今も、アイリーンは可愛くないほうの姿で、俺の背後をちょこまかとしているかも知れないのだ。
そう考えると、今度は怖くて振り返ることができない。
こんな家、もう嫌。
これから仕事で家を後にするけれど、やはり帰ってくるのが億劫になるだろう。
それで俺は、いつもの言葉を口にするのだ。
「今日はなんだか、家に帰りたくないなあ」