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夢見町の史

Let’s どんまい!

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2017
May 01
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2013
July 08
 友人が急に「今日はベガとアルタイルが逢う日だから七夕ってテーマでなんか書こう」と言い出したので急遽お話を作ることになった。
 記念に載せておくことにする。
 
------------------------------
 
 心の中には水面があって、奥へ奥へと流れている。
 想いは決して口に出さず、言霊を笹の葉に乗せて次々に流した。
 ひらり、ひらりと言葉たちは行き場を求めて掻き消えてゆく。
 私は今日も笑っているけれど、本当は泣き出してしまいたいことを私だけが知っている。
 
 あの人とは高校1年生からの付き合いで、でもそれは友人としての仲だった。
 演劇部での活動では恋人同士になったことがあったけれど、でもそれは虚の世界でのことで、普段から彼と視線が交わうことは少ない。
 私が彼を見ていても、彼は他の人を見ているから。
 
「あんたさ、あの子に気があるでしょ」
 
 問うと彼は判りやすく困惑をし、大げさに手足をばたばたさせて否定をしていたけれど、その仕草は明らかに演技をたしなむ者として失敗をしていた。
 それがどれだけ私の胸を締め付けただろう。
 
 私が彼に抱いていた感情は、友情ではなかった。
 
 感情は表情に出る。
 言葉にも出る。
 それで否応なしに想いを封印する術を覚えることになった。
 私は精一杯の演技を余儀なくされて、それは今までで1番の試練で。
 しんと静まり返った地底湖のようなそこに、私は毎日のように笹舟を流していった。
 
「彼女にさ、その、交際を申し込んだ」
 
 皮肉にも彼が相談役として抜擢したのは私で、私に張り付いた笑顔は不幸にも彼を騙すには充分で、それが余計に私を悲しくさせる。
 
「ふうん。で、彼女はなんて?」
「取り敢えずは友達としてって言われた」
「デートの約束は?」
「した。7月7日に逢う。…けど、どうしていいか分からん」
「仕方ないなあ」
 
 恋人の練習。
 なんて甘美な響きだろう。
 映画を見て、食事をして、公園で夜景を眺めて。
 楽しくて幸せなことが辛く、彼が私の化粧に気づいていないことが切ない。
 
「この先の練習も、する?」
 
 提案すると彼は少しだけ慌てた。
 
「この先?」
 
 冷水を浴びさせられたような驚きの表情だ。
 
「冗談よ」
 
 言って私は髪を耳にかけ、闇夜に向かって歩き出す。
 
「待てよ」
「ここから先は自分でどうにかして」
 
 足早だったのは、彼に涙を見られたくなかったから。
 
「待てって。一緒に帰ろうぜ! 今日のお礼もしたいし」
「いいよ、お礼なんて」
「そうはいかない。俺の気が済まないだろ?」
「いいってば」
 
 彼はデート当日、あの子と過ごす。
 その出来事が必ず起こるかと思うと心の底がにわかに波を荒げ、水がどろりと濁ったような心地がした。
 
 テレビが梅雨明けを宣言していただけあって空には雲1つない。
 今夜の星はさぞかし綺麗に見えるに違いないという確固たる予感が私を憂鬱にさせる。
 
 枕を抱きしめてベットの隅でうずくまるといったお決まりの姿勢は安いドラマを彷彿させている。
 テレビから流れるバラエティの笑い声が今の心境とは不釣り合いで自分自身が滑稽に思えてならない。
 
 今頃2人はどうしているのだろう。
 上手くいっているだろうか。
 これを機に正式に交際が始まってしまうなんて話に発展はしていないだろうか。
 
 私はわざとらしく「えい」と空元気を出して服を着替える。
 
 天気予報が熱帯夜を報じているだけあって風は蒸し暑く、しっとりとブラウスの下に汗をかかせていた。
 彼と過ごしたあの公園には人影がなくて、遠くに少しだけ自動車の音が聞こえるぐらいの静けさだ。
 小高い丘まで登ってそこからは今日も夜景が綺麗に広がっているはずだけど、私は顔を眼下ではなく、上空へと向けた。
 
「好きだよー」
 
 心の中の川にではなく、私は言霊を空へと放つ。
 
「大好きだよー」
 
 言葉はまるで笹の葉に乗せられているかのように、次々に天の川へと流れた。
 
「ずっとずっと前から好きだよー。これからも好きだよー」
 
 こぼれた雫は天の川の体積を1滴分増したかのようだ。
 天空を流れる雄大な星の川に、1滴1滴と涙が溶け込んでゆく。
 
 互いに愛しく想っていても年に1度しか逢えないことと、叶わぬ恋心を引きずったまま毎日のように顔を合わせることと、辛いのはどちらなのだろう。
 私は、今なのだと思う。
 
 ぐいっと乱暴に腕で涙をぬぐい、私は立ち上がる。
 彼に想いを告げようと思った。
 失恋をして、心が散ってしまってもいい。
 このままではやがて年に1度すら逢えなくなる。
 そんな気がした。
 
「頑張ってくるね」
 
 織姫と彦星に宣言をし、私は踵を返して歩き出す。
 
 公園の出口で振り返って見上げると、そこにはおびただしい数の星々が運河を描き、まるで巨大な樹のようだ。
 その脇に一際輝く2つの星に、私は古めかしくVサインを作って小さく振り、少しだけ強がりの笑みを浮かべた。
 願わくば自分もベガになれますようにと想いを込めて。

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pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
お久しぶりの創作ですね
これ最後は“アルタイル”であってんですよね?
sun: 2013.07/10(Wed) 20:19 Edit
無題
他の方も仰っているように女性目線の話なのに最後が「アルタイルになれますように」なのは気になりました。彦星の方ですからね。めささんなりの理由があるのかな?
カニー: URL 2013.07/11(Thu) 19:35 Edit
そういうことか!!
 うんとね、うんとね、うんとね、アルタイルが女の子なんだと思ってた…。

 速攻直す!
 俺のばかー!
めさ: URL 2013.07/11(Thu) 19:37 Edit
よかった
めささんのことだから、最後にどんでん返し的なやつかも?あまりつっこまない方がいい?とか思って…
sun: 2013.07/11(Thu) 23:17 Edit
無題
可愛らしいですね
エリス: 2013.07/13(Sat) 12:21 Edit
そうなんですね
めささんのことだから、「アルタイル」と書いてあることを「そういうこと」なのかとニヤリとしていたんですけど…

違ったのですね。
素直さを失っていた自分が恥ずかしい。
シオン: 2013.07/13(Sat) 20:55 Edit
はじめまして
今まで創作等見ていたまりです。めささんらしい間違いですね。
まり: 2013.07/15(Mon) 10:47 Edit
はじめまして!
今更ながら初見です。
小説、おもしろかったです!
めささんの声はいい声なので
「スカッとするコピペ」や
「涙の出るコピペ」を音読した
動画を投稿して欲しいなーと
密かに思いました!
これからも頑張ってください!!
就(ナリ): 2013.07/31(Wed) 21:33 Edit
ブログコメントでは、初めまして!
はじめまして!きゅんきゅんしました☆
もっともっと、乙女心をつかむ創作、待ってます*^-^*
ちょちょ: 2013.08/08(Thu) 21:03 Edit
こんばんは( ^ω^ )
はじめまして
ブログ拝見させて頂きました(^-^)

これからの更新も楽しみにしています♪
動画の方も楽しみにきながに待っています(^ν^)
ホワイトベア: 2013.08/09(Fri) 00:20 Edit
無題
初めてブログ拝見させていただきました!
かわいくて優しい文だなぁと思いました!
私も小説を書くのが好きで、ノートにファンタジー系の小説書いたりしてますw
実況も小説も、これからも頑張ってください!応援してます^^
鞠早: 2013.08/18(Sun) 13:36 Edit
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プロフィール
HN:
めさ
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1976/01/11
職業:
悪魔
趣味:
アウトドア、料理、格闘技、文章作成、旅行。
自己紹介:
 画像は、自室の天井に設置されたコタツだ。
 友人よ。
 なんで人の留守中に忍び込んで、コタツの熱くなる部分だけを天井に設置して帰るの?

 俺様は悪魔だ。
 ニコニコ動画などに色んな動画を上げてるぜ。

 基本的に、日記のコメントやメールのお返事はできぬ。
 ざまを見よ!
 本当にごめんなさい。
 それでもいいのならコチラをクリックするとメールが送れるぜい。

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 必要なものがあったら遠慮なく気軽に、どこにでも貼ってやって人類を堕落させるといい。
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