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夢見町の史

Let’s どんまい!

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2018
November 17
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2008
July 12

<きあらさんの視点>

 店内はそれなりに込み合い、雑然としている。

 とあるハンバーガーショップ。
 めささんが私のちょっとした大荷物を、カウンター席の下に収納した。

 出来る範疇でのことならば、大抵の仕事を引き受けます。
 めささんの日記にそう書いてあったものだから、私は彼に荷物持ちを依頼していた。

 わざわざ都内まで足を運ぶからには、大量に買い溜めをするつもりだった。

 めさ?
 全て持て。
 そして運びなさい。

 古代エジプトの女王みたいな心境である。

「お待たせ致しました」
「どうも」

 ショップの店員さんが、私たちの前にトレイを置いた。

 いただきます。
 と口を揃え、注文したハンバーガーと、ドリンクのストローをそれぞれ自分のペースで口に運ぶ。

「きあらさん、あのね?」

 めささんは悪戯っ子のような表情だ。

「ちょっとお行儀悪いんだけど、氷食べてもいい?」

 見ればめささんのドリンクは全て飲み干されていて、カップの底にはクラッシュアイスだけが「我らはどうせ溶ける運命です」といわんばかりに冷たくたたずんでいた。
 めささんがカップを軽く振ると、氷たちはジャラジャラと音を立てる。

「俺、氷食べるの好きなんだ。でもさ、氷って噛み砕くとバリバリって凄い音するじゃない。だから前もって断ってから食べないとね、びっくりさせちゃうから」
「あ。それ、解ります」

 私は思わず同意していた。
 実は私も、氷を食べるのが大好きなのだ。

「へえ、きあらさんも?」

 頷き、私はカップの蓋を外した。
 クラッシュアイスの1つぶを、口に流し込む。
 噛むと氷は砕けて、大袈裟な破壊音が頭蓋骨に響いた。

 バリバリ!

 大きな音は隣からも聞こえる。
 めささんは1つぶではなく、数個いっぺんに噛み砕く派なのだろう。
 戦国武将の酒席を彷彿させる豪快さだ。

「がーっはっはっは! 今宵は宴じゃー!」
「氷が足りぬわ! これ! もっと氷を持って来ぬか!」
「さあ、どんどん噛め!」
「この世の氷は全て噛み尽くしてくれるわ!」
「隊長! 自分はお腹が冷えたであります!」

 なんかそんな感じだ。

「ほう」

 氷を飲み込んだめささんが、感嘆の声を上げる。

「なかなかいい氷だね」

 確かに。
 気泡の具合といい硬度といい、これは質が良い。
 いい店を選んだものだ。

「歯ごたえがあるのに、決して硬くない。いや、むしろ柔らかいぐらいだね」

 そうですね。
 溶けにくい工夫が施されて、このような質感になったんでしょうね。

「それはあり得るなあ。とにかく普通の製氷機で作られた氷じゃないよ。このお店、なかなかいい仕事をする」

 バリバリ。
 バリバリと。
 私たちは次々と氷を堪能していく。



<店員の視点>

 バリバリうるさい。
 めっちゃ氷喰って、なんなんだ、あの客は。
 氷のことばっか褒めやがって。

 

拍手[4回]

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2008
July 07
 俺に、日本刀で斬りかかってきてほしんだけど。
 と、いきなり意味不明なお願いをされる。

 劇団「りんく」の主催者、めささんからだ。

 電話での第一声からして、話が全く見えない。

「もしもしヨッシー? 今ね? 俺、ヨッシーが通ってるK大学にいるの」

 この32歳のプー太郎は、何故うちの大学まで足を運んだのだろうか。

「その大学の、空手の道場にいるんだけどさ」

 だから何故。
 そんなところで一体、何をやっているのだろうか。
 切腹?

「話すと長いんだけどね」

 そう断ってめささんは、今とある友人と一緒なのだと告げた。
 そのお友達というのがK大学のOB、つまり僕の先輩に当たるらしい。
 めささんのご友人は、様々な格闘技を習得しているとのことだ。

 日曜の大学、誰もいない道場で男が2人。
 決闘とキスしか、やることがなさそうである。

 空手有段者と各種格闘技マスター。
 男と男。
 汗と汗。
 見たいような、見たくないような。

「でさあ、ヨッシー」

 めささんは、どこか嬉しそうな声を出す。

「今から来れない?」

 体育館裏に呼び出されたほうがまだマシだ。
 僕をどうするつもりだ。
 新しい必殺技の実験か?

 なんか怖かったのと、その日は日曜で講義もなかったので、やんわり断る。

「そっかー。来られないのかー」

 めささんは残念そうだ。

「ちょっとヨッシーに日本刀を持ってもらって、斬りかかってきてほしかったのに」

 すみません、めささん。
 何を言っているのか解りません。

「違うの。ヨッシーは斬る側なの」

 それはそれで嫌です。
 だいたい、どうして僕がそんな物騒なことをしなきゃいけないの?

「あのね? 日本刀を持ってる奴を相手に、素手でどう対処したらいいのかを検証してたんだよ」

 他の32歳たちはきっと他のことをしています。

「ところがね? 俺も友達も格闘技やってるから、日本刀なんて持ったら無敵なわけよ」

 猛者と馬鹿は紙一重な感じが否めない。

「それはそれで参考になったんだけど、素人の人に日本刀を構えさせて、どう攻撃してくるのか、データが欲しくなったんだ」

 僕が日本刀なんて持ったら、怖くて動けません。

「もちろん日本刀は偽物だし、実際は斬りつけてこなくっていいから、構えてみてほしいんだよねえ」

 あ、そっか、解った!
 めささんそれって、劇団で殺陣とかをやる予定とかあって、それで研究しているんですね?

「ううん。違うよ」

 続いて衝撃的な一言。

「楽しいからさ」

 何だこいつ。

「友達に誘ってもらったから道場まで来たんだけど、スゲー楽しい。ヨッシーも来れたらいいのにね」

 そうですね。

 通話を終え、自然と溜め息が漏れる。

 誰と戦うつもりなんだ、あの人は。

拍手[2回]

2008
May 30
 優しそうな眼差しで、あなたはそっと手を伸ばし、あたしの体に触れたわ。
 そのまま大胆に、あなたはあたしの体からコンセントを抜いたの。

 めさ?
 あなたは電化製品のことを、何だと思っているのかしら?

 以前、パソコンが壊れたときも、あなたは「完璧に直る裏技だ」なんて訳の解らないことを言いながら、パソコン本体を水洗いし出したわよね。
 完全なるトドメじゃないのよ。
 真面目に訊きたいんだけど、あれは一体何がしたかったの?
 あなた、「俺のパソコンがーッ!」なんて、いい歳こいて絶叫していたけれど、まさか本気で直るなんて思ったわけじゃないわよね?
 若干涙目だったけど、まさかね。

 少なくとも、あたしはあの「パソコン無駄に水洗い事件」で懲りてくれたと思っていたわ。
 それなのに、あなたって人は。

 そりゃあ、あたしは少し、蓋の裏側に汚れが付いていたわよ。
 拭いただけじゃ取れなさそうだとも思った。
 だからって、なんであなたは、あたしのことまで水で洗ったの?
 史上最高の馬鹿?

 ご機嫌で鼻歌唄いながら、あなたはそっと、あたしを流し台まで運んだわ。
 あなたは自力で靴が履けないぐらい不器用なクセに、あたしの蓋だけを洗おうと無理して、2秒で失敗してくれたわよね。

 入ってんのよ、水が。
 体の隅々まで潤ってしまったわ。
 内蔵された電池がショートして、デジタル時計が表示されなくなっちゃったじゃないのよ。
 ご臨終もいいところだわ。

「あーッ! 炊飯器がーッ!」

 散々気が済むまで洗ってから叫ぶセリフじゃないわよね?

 あなたは目に涙を溜めて、あたしをよく振って、水を切っていたわ。

 あれから2週間ぐらいかしら?

「友達が俺に、新しい炊飯器を譲ってくれる~。るりるりら~」

 やっとウザい持ち主から開放される日がやってきたってことね。

 あたしは、あなたが新しい炊飯器と一緒に帰ってくるのを、ずっと待っていたわ。
 さっさと差し替えてちょうだい。

「た、ただいま」

 やっと新しい炊飯器を持ち帰ってきたのね?
 でも、1つ疑問があるわ。
 どうしてあなた、びしょ濡れなのよ。

「チャリで帰ってる途中、雨に降られたの」

 で?

「大丈夫。炊飯器は、バッチリ濡れちゃったさ」

 なんで誇らしげ?

「炊飯器は、すぐ濡れる」

 格言みたいに言わないで。
 自動的に水没するみたいな空気を出そうと必死だけど、全面的にあなたが悪いんじゃないのよ。

「お米が炊けない」

 靴が履けない。
 蛇口が回せない。
 割り箸が割れない。
 お米が炊けない。
 いよいよ駄目人間じゃない。

「世知辛い世の中だ」

 世間の冷たい風とは関係ないから。
 むしろ、あたしの視線のほうがよっぽど冷たいから。

「全く、これから一体、どうしたらいいんだ?」

 パンを喰え。

 炊飯器界に激震が走った夜だったわ。

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2008
April 21
 そりゃ俺は、めささんをパシリにしたり、ベットを独占したりと色々やっとるよ?
 でも、そんな嫌がらせやったら、めささんだって俺にたくさんしとるやん!
 俺のこと、似てへんのにケンタウロスって呼ぶし。

 俺な?
 めっちゃ暇やってん、めささん家に遊びに行ったんよ。
 あのときは、歓迎のお茶が出なくて本当にびっくりしたわ。

「めささん、お茶ぐらい出さんの? 俺、大事なお客様やで?」
「はあ!?」

 あれは、「俺の中の悪魔が目覚めるぞ」ってゆう脅しみたいな顔やった。

「あのなあ、かづき君。お茶ぐらい自分で買ってきたまえよ。俺は今から脚本を書くんだから。かづき君が主演するホンなんだから、早く書き上げてほしいでしょ?」
「そんなん今はええわ」

 なんであのとき、めささんは壁にかかった日本刀に目がいったんやろか。

「まあ、いいか。脚本は確かに、1人きりのときに書きたいからなあ」

 めささんがペンを片手に、ちゃぶ台の上にあったメモ帳を開きはった。

「俺たちチーム『りんく』の、シンボルマークでも考えようか」

 そんなことより、俺は喉が渇いたんですけど。

「こんな感じの、どうかなあ」

 シカトですか、そうですか。

 めささんは「単純だけどね」なんて言いながら、3つの輪が連なったマークや、図形やらをせかせかと描いてはる。
 意地でもお茶は出さん気らしい。

「お! かづき君! これ見て! なんか、カッコよくない!?」

 見たら、それぞれ形の違う3枚の翼が絡まったようなデザインで、言いたかないけど確かにそこそこええ感じや。

「この翼のやつか、もしくはこっちだな」

 もう片方に目をやると、そこにはめちゃめちゃ腹立つ下手な絵が書いてある。

「めささん、これは何?」
「ケンタウロス」

 冗談やろ?

 見ただけで人の神経を逆なでするような、酷い絵やん。
 病気にかかった人面犬かと思うたわ。
 めっちゃむかつく顔しとる。







 で、めささん。
 なんでこの人面犬、漫画みたいなフキダシがついてて、「すんません、かづきです」って書いてあるん?
 何故か俺の名を語り、問答無用で謝っとるんですけど。
 俺だけを示してるような気がするのは何故?

「お前はうちの、大事な看板役者だろうが!」

 キレた!?
 熱く怒っていらっしゃいますけどね?
 怒りたいのは勝手にモチーフにされた俺やんか!
 なんでチームのシンボルマークが、俺1人を表しとるん!?

「この、なんていうか、むかつく感じを出すのが凄く苦労したんだよね~」

 あのな?
 めささん。
 俺それ、絶対に認めへんよ?
 シンボルマークとしても認めんし、俺に似せてあるってことも認めとうない。

「解ってるって。これはあくまで冗談だよ。やっぱこっちの、翼のマークのほうがカッコイイしね」

 なあんだ。
 なら、よかったわ。
 こんな嫌生物をシンボルにされたら、メンバーでいるだけで恥ずかしいもん。
 こっちの翼のやつで、ホンマよかったー。

 それが、数日前のことやってん。

 さっき、めささんから電話があったんよ。

「かづき君、あのさあ、今度俺、りんくのコミュニティをネット上に立ち上げておこうと思うんだ。メンバー専用のやつをね。ちょっとづつ仲間も増えつつあるし、そういう場があれば、色んな情報をみんなで共有できるでしょ?」

 おおー。
 それはナイスアイデアやん。

「コミュニティの看板画像には、もちろん例のシンボルマークを使うよ」

 ほうほう。

「実は昨日ね、他のメンバー全員にも見せたんだ。そしたらね? やっぱり満場一致! シンボルマークが正式に決定したよ」

 おー。
 そうでっかー。

「だから、かづき君。気を落とさないでね?」

 え?
 ちょ、何?

「もう決定だから、覆されない」

 なんで!?
 まさか、めささん!?
 あの犬だか馬だかの、わけの解らん絵が採用されちゃったの!?
 嘘やん!
 めささん、あの翼のマークが選ばれたんだよね!?

「プツッ。 ツー、ツー、ツー」

 切りおった。
 嘘やーん!
 ここだけの話、あの絵、心の底から似てへんし!

 あんの阿呆、いつか絶対に告訴したる。

 もう、関東人、怖い…。

拍手[4回]

2008
April 17

 めさが知っていることは、以下の2点だ。

 俺が小西真奈美の大ファンであること。
 俺が今、仕事中であること。

 これらを踏まえ、めさが電話をよこしてきた。

「もしもし、チーフ? あのね? 真奈美のことなんだけど。あ、いっけね! つい普段の呼び方で言っちゃった! 小西真奈美のことなんだけどね?」

 神様。
 俺は今夜、人を殺すかも知れません。
 でも、どんまいです神様。

「実は俺ね、こないだ小西真奈美の曲をダウンロードしたんだよ。うひひ。超いい曲」

 うるさい小猿。
 用件は何だ。

「チーフ、真奈美のこと大好きじゃん?」

 おう、大好きだ。

「だからね? 今度カラオケで唄ってあげる」

 マイナスイメージどころかトラウマになるからやめてくれ。

「とまあ冗談はさておき、俺ね、パソコンでCDを焼けるんだよ」

 何!?
 もしかして、俺のためにCDに落としてくれるのか!?

「任せてよ。ただ、売り物である曲を勝手に複製したら法に触れちゃうじゃん?」

 普段そんなことを気にする奴かお前は。

「なので、真奈美の曲は焼くけど、何故か歌は俺の声になってるから」

 今ちょっと想像してみたんだけど、風邪が悪化した。
 後日ちゃんと謝るから死んでくれ。

「10曲ぐらい入れるからね!」

 俺の話を聞け。
 っつうかさあ、真奈美って、そんなにたくさん歌出してたっけ?

「ううん。入れるのは全部同じ曲だよ。俺もほら、アレンジ変えて唄いたいじゃん。超ノリノリでシャウトしまくるデスメタルバージョンとか、わざと歌詞を間違えて『いけね!』とか小声が入ってる残念バージョンとか、消え入りそうな切ない声で唄う今夜が峠バージョンとか、他にも豪華な施しを盛りだくさん」

 1回ぐらいなら聴いてみたいが、欲しくはない。

「マジモードでモノマネしてるバージョンなんて、最高の出来になるはずだよ。チーフだったら絶対にイラっとくるね。それは俺が保障する」

 心配するな。
 俺は既にイラっときている。

「じゃあ近々、時間作ってCD作るから楽しみにしているんですよ」

 待て。
 お前がやろうとしているのは親切じゃない。
 ただの悪ふざけだ。

「大丈夫大丈夫! ちゃんと喉の調子は整えておくから」

 そういう問題じゃ。

 俺が言えたのはそこまでで、めさは俺をフルシカトで歌の練習らしき発声を始める。
 電話の向こうから聞こえた奇声は、「アー!」とか「ヘェールッ!」などといった裏声だった。
 どうアレンジすれば真奈美の曲に「地獄」という叫び声が入るのだ。

「じゃあ、そういうことで、お疲れ様でーすよ」

 言うだけ言って、めさは勝手に通話を切る。
 嫌がらせとしか思えない電話だった。

 めさが何をしたいのか、俺には全く理解できないが、1つだけ解ったことがある。
 1曲目のアレンジは、どうやらヘビメタのようだ。

 もし俺がCDを受け取ったら、小型のフリスビーってことで納得するしかなさそうだ。

拍手[2回]

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プロフィール
HN:
めさ
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1976/01/11
職業:
悪魔
趣味:
アウトドア、料理、格闘技、文章作成、旅行。
自己紹介:
 画像は、自室の天井に設置されたコタツだ。
 友人よ。
 なんで人の留守中に忍び込んで、コタツの熱くなる部分だけを天井に設置して帰るの?

 俺様は悪魔だ。
 ニコニコ動画などに色んな動画を上げてるぜ。

 基本的に、日記のコメントやメールのお返事はできぬ。
 ざまを見よ!
 本当にごめんなさい。
 それでもいいのならコチラをクリックするとメールが送れるぜい。

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 必要なものがあったら遠慮なく気軽に、どこにでも貼ってやって人類を堕落させるといい。
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