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夢見町の史

Let’s どんまい!

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2024
April 19
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2008
January 20

 さすがに皆勤賞は無理だろうなと思いつつ。

 めさちゃんが毎週オフ会を開くというので、思いきって「毎週全部出てもいい?」と参加表明を送ってみる。
 仕事のスケジュール上、私の予定は開いているからだ。

 数日経って、めさちゃんからの電話が入る。

「もしもし、よーこさん? 今電話、平気?」

 平気だよー。

「オフ会の参加表明、ありがとね。もちろん大歓迎だよ」

 本当?
 私のせいで他の参加者様が来られなくなっちゃうようなら申し訳ないから、辞退するけど?

「大丈夫大丈夫。そういうのは早い者勝ちでいいと思うし」

 そう?
 ならよかった。

「じゃあ、よーこさんだけ、全日参加ね?」

 え、前日?

「そう、全日」

 前日って、何故に?
 あたしだけ、なんでイブ?

「だって、毎週来たいって言ったの、よーこさんじゃないか。だから全日OKだよ、って」

 新手の嫌がらせだろうか。
 私だけが、オフ会の前日に会場入りしなくてはならないらしい。

「大歓迎さ」

 めさちゃんが胸を張っている様子が電話越しにも伝わってきて、なんかむかついた。
 大歓迎って、あたしはどの主催者に歓迎されるのだろうか。

「よーこさんは仕事の都合で、遅れて来るんだったよね? 待ってるから気をつけてね」

 待つのは私じゃねえか?
 しかも24時間。

「楽しみにしてるよ」

 楽しみときたか。
 寂しさで死んでやろうか?
 亡霊として本気を出し、マジで楽しめない空気にしてやりたい。

「ちなみに、よーこさんだけだよ。全日参加してくれるのは」

 前日参加なんて、確かにあたし以外にいねえでしょうよ!

「毎週、気をつけて来るんですよ?」

 こいつは喧嘩を売っているのだろうか。

 なんか、泣いたらいいのか怒ったらいいのか判らなくなってきた。

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2008
January 14
「このままだと危険物と同じ扱いだからね、こいつらをただの空き缶に変えてやらなきゃならない。やってみて」

 めささんに押し付けられた仕事は、スプレー缶の処理だった。
 先の尖ったハンマーでスプレー缶を打ち、中のガスや液体を抜くという作業だ。

「慣れないうちは力加減が難しいだろうけど、たくさんやれば技術はすぐに身につくよ」

 言い残し、めささんはどっかに行ってしまった。
 さり気ない丸投げだ。

 僕はバケツの中に液体が溜まるよう、スプレー缶を下方に向け、ハンマーを打ちつける。
 缶に穴が開いて、「ぶっしゅー!」と派手に中身が炸裂した。
 人工的な色をした液体が、バケツ目がけてほとばしる。

 数あるスプレー缶の全てに、これをやればいいわけか。
 楽勝じゃないか。

 僕は次々とスプレー缶に穴を開け、色とりどりの液体をバケツにぶっ放す。

 ぶっしゅー!

 いえーい。
 快感だ。

「デフ君ーッ! 何やってんだ! お前は完全無欠のばかですか?」

 めささんに、いきなり怒鳴られる。

「中身が色んなとこに飛び散ってるじゃん! 会社が汚れるだろ!? 気持ち良さそうに『ぶっしゅー』って、お前は動脈か!」

 よく解らない比喩を放ちながら、めささんが駆け寄ってきた。

「液体は1滴たりとも、バケツからはみ出させちゃ駄目だっつーの! 貸してみ!」

 僕からハンマーを奪うと、めささんはまだ中身を抜いていないスプレー缶を手にする。

「こうやるんだ。力を入れすぎず、手首のスナップをこう、ピッと利かせて」

 めささんはスプレー缶を持ったまま構え、ハンマーの素振りを見せている。

「実際やるから、よく見てなよ?」

 そう言ってめささんは、手馴れた雰囲気で尖ったハンマーを鋭く振るい、自分の手を強打した。

 がん!

「ぐあ!」

 もの凄い見本だ。
 よく見ろと言うから素直に見ていたら、この男は自分の左手を自然に打った。
 これをやれと言うのか、僕に。
 やんわりとした自爆テロじゃないか。

 めささんの指からは、当たり前だけど血が出てる。
 一方、スプレー缶は無傷だ。
 自分の液体を抜いてどうする。

「えへへ、どんまい」

 流血しながら照れる人間を見るのは初めてだ。

「今の俺、ペナルティ1ね。もう1回」

 この人、怪我したのに、なんで平然としていられるのだろうか。

 不思議そうな面持ちで見守っていると、めささんの2撃目は成功だった。
 缶は「しゃー」と静かな勢いで、中身を噴出している。

 そんなことよりも僕は、めささんが血をポタポタ垂らしていることのほうが気にかかる。

「ってゆうか、大丈夫ですか、めささん!」
「ん? 平気。とにかく穴開けの前提はね、中身を飛び散らして周囲を汚さないことだ。以後、絶対に汚さないように!」

 自分の血で周囲を汚している奴に言われたくない。

「じゃあ俺行くけど、デフ君、くれぐれも気をつけてね」

 お前が気をつけろ。
 めささんのせいで、会社の一角は今、殺人現場のような装丁だ。
 これは間違いなく、ルミノール反応が出る。

「おーい! デフくーん!」

 なんか、めささんが嬉しそうに戻ってきた。

「見て。もう血が止まったよ」

 心の底からどうでもよかった。

 しかし驚くべきことに、めささんは一切の治療をせず、自力で止血を完成させているではないか。
 なんなんだよ、こいつは。
 バンソウコウぐらい使えよ。

 もちろん僕はドン引きだ。

「デフ君、ちょっと聞いてくれる?」

 めささんの無駄指導は、まだ続くらしい。

「怪我をした場合、消毒は唾液で充分だと思わない? あとは傷を心臓より高い位置にキープして、呼吸を整えるんだ。そうすれば心拍数とかがどうにかなって、何故か血が止まる。人体の神秘じゃね?」

 仕事を教えてください、めささん。

 溜め息が出る。

 これが正しいやり方だとばかりに自分の手を打ち、会社を汚すなと僕を叱ったそばから会社を血だらけにしためささん。
 もっと普通の先輩がほしい。

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2007
November 03

 31歳男性のリアルな泣き声が、これだ。

「うっく! ひっく! びえええん!」

 なんていうか、残念な大人だ。

 珍しいことに夜分にめさちゃんから着信があって、出たらいきなり泣いていた。
 普通にびっくりした。

 どうしたの、めさちゃん?

「くうう、ふうう、はふうっふー」

 失敗したラマーズ法?

「ぐふふう、あふう、うああああん!」

 日本語でお願いしたい。

「あのねえ? あのねえ? 今ねえ? テレビで『オールウェイズ』見てた~。ふうう~」

 どうやら彼は、邦画の「ALWAYS・三丁目の夕日」を鑑賞したらしい。
 そういえば今日はテレビで放送される日だった。

 あの映画は確かに素晴らしい。
 多幸感による暖かい涙が自然と誘発される。
 めさちゃんのドツボだ。

「すっごい感動したよう」

 うん、解る。
 めさちゃん、あの映画大好きだもんね?
 DVD、持ってたもんね?

 じゃあ何でわざわざテレビでまた見るのだ。

「続編が映画館で公開されるから、そっちも見たい~」

 うんうん、よしよし。
 見よう見よう。

「ひっく! でも俺、全米と同じぐらい簡単に泣くから、人前であの映画を見るのはちょっと…」

 じゃあ、1番後ろで見たら?

「そんなのは嫌だ~。前のほうで見たい~」

 なんか腹立つな、こいつ。
 だったら、最前列で見よう?

「うう~。前すぎても、見にくいから、多少は間合いが欲しい~」

 注文が細かい。

 お前は感動を伝えるために電話をかけてきたのか?
 わがままを言いたくて電話をかけてきたのか?

「あとねえ? 俺、間違いなく誰よりも早く泣くと思うの」

 私もそんな気がする。

「それだと周りに悪いからね? 俺より先に泣く人をたくさん探してください」

 なんだろう、この気持ち。
 感動する映画の話題なのに、なんで私は今、殺意を覚えているんだろう。

「あんなにいい映画は滅多にないよう~。うわあああん!」

 取り合えず寝ろ。

「今夜は泣き寝入りだよ~」

 それは日本語が違う。

「これでも夢は作家です」

 いい夢見ろよ。

 強引に、私は通話を終える。

 もし付き合わされたとしても、映画館では席を離れよう。

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2007
August 16

 めさ君が、オフ会参加者様たちに俺の話をしている。

「まっこいさんはね? 俺より3つ年下なんだけど、顔が怖いから『さん付け』で呼んでるんだー」

 何故それを誇らしげに言うのか。

 白楽駅から会場のイージーバレルに向う道中、主催者から受けた依頼を回想する。
 めさ君は俺に、「会場で受け付け係をやってほしい」と頼んできていた。

「見てアレ。みんな、まっこいさんを見て。なんかマフィアじゃね? マタギみたいなガタイしてからに」

 言いたい放題だ。
 なんでこんな奴の頼みを聞き入れてしまったのだろう。

 イージーに到着すると、俺は一足先に入店をして、入口に設けられたテーブルへと向う。
 めさ君の声が聞こえた。

「まっこいさんが門番だから、彼を倒した人だけ中に入ってねー!」

 聞いてねえ。
 何を言い出すのだ、この主催者は。

 悪質な冗談を経て、一同はもちろん俺と戦うなんてこともなく、誰もが無傷で会場に収まる。
 皆で乾杯をしてから、主催者が切り出した。

「人数が多いから、1人1人自己紹介してたら、それだけで終電の時間になっちゃう。誰か自己紹介の代わりになる自己紹介を考えてよ」

 まさかの丸投げ。
 自己紹介の代わりになる自己紹介?
 自分が何を言っているのか解っているのだろうか。

 めさ君は毎年のようにオフ会を開催しているクセに、果てしなく頼りない。
 ある程度お酒が進むと、彼は胸を張ってこう主張した。

「みんな聞いて~! 俺に仕切れるのはここまでです」

 びっくりして、俺の顔が怖くなっちゃった。

 こんな駄目大人には任せておけない。
 俺がしっかりしなくては。
 多数いる参加者様に、どうにか楽しんでいただかなくては。

 そこからはもう、めさ君シカトで色々と楽しんだ。
 心理テストやモノマネをして、皆と心を1つにしてゆく。
 熱気が高まる。

 で、めさ君がキレた。

「お前たちー! 俺がいないのに、なんでみんな楽しそうにしてんの!?」

 お前が何もしないからだ。

「誰のオフ会か言ってみろォー!」 

 もはや俺のオフ会になっている。

「俺さあ、もう何年もオフ会やってるけど、乗っ取られたのは初めて。…っこの、テロリストが!」

 マタギだのテロリストだの怖い顔だの色々と好き放題言いやがって!
 今みんなにクイズ出してるところなんだから、少しおとなしくしていろ!

「クイズ~? じゃあ、俺が出題するね?」

 仲間に入りたいのか。
 腐っても主催者だからな、しょうがない。
 出題権、譲るよ。

「じゃあ今からクイズ出すけど~、俺は酔っ払ってるから、俺がどんなクイズを出すか当ててくぅ~ださい!」 

 斬新な問題すぎだろ。
 超能力者でも求めているのか?

 ってゆうか、めさ君。
 そろそろ朝なんだし、お開きの時間じゃないの?

「じゃあ、送ってって~」

 じゃあって何だよ!?
 オメーん家、ここから徒歩3分じゃねえか!
 福岡や大阪から足を運んでくださった方々に謝れ!

「ういういよ~」

 意味わかんねえ。
 ったく、仕方ないな。
 足元ふらふらしてるし、危なっかしいから、送ってやるとするか。

 オフ会の幕が下りようとしていた。

 心優しい参加者の皆は、帰ろうとするめさ君なんかのために「お気をつけて」などと心配をしてくれている。

「なんで俺が気をつけるの~? 気をつけるのはお前たちでしょ~?」 

 自力で立てもしない男が、何を言い出すのか。
 実に性根が腐っている。

 ホントもう、参加してくださった皆さん、めさ君はもう駄目なんで、代わりに俺から挨拶させてください。

 皆さん、本当にお疲れ様でした!
 次回のオフ会にも、是非また来てやってください!
 その日まで、ごきげんよう!

 で、これって、誰のオフ会なんだったっけ?

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2007
April 08
 いつもなら、お弁当を2つも食べるクセに。
 ボクシングの漫画を読みながら、お行儀悪く大盛り2つを平らげるクセに。
 今日は、兄やんの様子が明かにおかしい。
 こんなことは初めてだ。

「くっそう! 今日はふて寝する!」

 会社の昼休み。
 兄やんは機嫌悪く悪態をつきながら、何も食すことなく、仮眠室に向かってしまった。

 どうしたのだろう。
 とんかつ屋さんでご飯を3杯もおかわりしておきながら、「最近は食が細くなった」などと言っている、うちの兄やんともあろうお方が。

「実はね?」

 なんか戻ってきた。
 ボクシングのマンガ、続きが読みたかったんだ。

 兄やんが煙草に火を点け、漫画を膝の上に置く。

「実は今朝、お弁当を注文するの、忘れてたんだ。くそが!」

 お前が悪いんじゃないですか。

「もう今日はヤケだ。ここンとこ寝不足だし、一服したら寝る。ふて寝する!」

 大の大人が「ふて寝する」って宣言してるの、初めて聞いたよ。
 で、なんで寝不足なの?

「試合が近いと、ナーバスになるのさ」

 それは漫画の話だから。
 兄やん、どんな角度から見てもボクサーじゃないから。
 実は夜中まですっと、ブログを改造しようとしてたんじゃん。
 長いことチンプンカンプンのままで、時間だけが無駄に過ぎていっただけじゃん。

 それにしても、夜まで仕事は続くから、さすがに気の毒だ。
 作業が始まると、兄やんはそれこそ最終ラウンドのボクサーみたいに足にきていた。
 あまりに可哀相なので、せんべいを与えてみる。

「これ、食べる?」
「今、減量中だからな、せんべいだけでいいさ」

 なんかまだ夢見てる。
 そんなに面白いのか、あの漫画。

「今、減量中だからな、せんべいだけでいいさ」

 なんでもう1回言った?
 今のセリフ、そんなに気に入った?
 だいたい「せんべいだけでいいさ」ってこの人、せんべいしかないのに、何言ってんの。
 もう1枚欲しいって、素直に言え。

「おお! やった!」

 どうした!

「ポケットにアメが入ってた」

 言ってるそばから、せんべい以外の物にも喰らいつくことが証明されちゃった。

「ありがてえ。これでパンチ1発分のエネルギーが補給できたぜ」

 誰とも戦ってないのに、もう限界が近い発言。
 だいたい、アメで頬を膨らませながら言うセリフじゃない。

「ってゆうか、ホントお腹すいた」

 減量って設定を忘れるほど空腹なんだ?

「ぶっちゃけ、そう。でも、いいんだ。夕方になったら、パン屋さんが来てくれるからな。今日はがっつりパンを買う! それで仕事が終わったら、いつもの定食屋さんで思う存分喰う! 楽しみだなあ」

 遠くの幻を見るような目で、兄やんはうっとりしている。

 最後まで、兄やんに伝えることができなかった。
 今日は日曜日だから、パン屋さんも定食屋さんも、やってない。

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プロフィール
HN:
めさ
年齢:
48
性別:
男性
誕生日:
1976/01/11
職業:
悪魔
趣味:
アウトドア、料理、格闘技、文章作成、旅行。
自己紹介:
 画像は、自室の天井に設置されたコタツだ。
 友人よ。
 なんで人の留守中に忍び込んで、コタツの熱くなる部分だけを天井に設置して帰るの?

 俺様は悪魔だ。
 ニコニコ動画などに色んな動画を上げてるぜ。

 基本的に、日記のコメントやメールのお返事はできぬ。
 ざまを見よ!
 本当にごめんなさい。
 それでもいいのならコチラをクリックするとメールが送れるぜい。

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 必要なものがあったら遠慮なく気軽に、どこにでも貼ってやって人類を堕落させるといい。
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