夢見町の史
Let’s どんまい!
March 09
ごほん!
えっとですね、今回は怖い話をしたいと思います。
そういうのが苦手っていう方は、どうか無理をなさらないで、他の記事をご覧になって下さいね。
さて。
霊体験による思わずゾッとする話は、テレビや本でもよく見かけるであろうと思ったんでね、今回はちょっと変わった話をしたいと思うんですよ。
俗にいう、闇金って、ありますよね。
俺、テレビで以前見たんですけど、あれって取り立てが乱暴な組織っていうのも当然あって、相手がお年寄りでもお構いなく、
「テメー、早く金払えっつってんだババァ!」
なんて、もの凄い剣幕で取り立てているんらしいんです。
ニュースの特番で見た知識なんですけどね、今のは。
ああいった闇金には、取り立て専門の部署、っていうんですかね?
取り立て屋、みたいな人がいるんだそうです。
喧嘩の強そうな、いや、実際に強いんでしょうね。
顔の怖いお兄さんが任命されてます。
そんなお兄さんが、このお話の主人公。
もうお兄さんなんて歳じゃないので、「男」と表記しますが、この男も、アパートで一人暮らしをしている老婆から、借金の取り立てに出向いていました。
もう、思いつく限りの脅し文句を、容赦なくお年寄りにぶつけるわけです。
痛々しい描写で申し訳ないのですが、老婆は涙ながらに訴えるんですよ。
「お金は、もうちょっと待ってやって下さい」
「ちょっと待てじゃねンだくそババァ! 借りた物も返せねえような奴ァ、死んじまえ!」
「お願いします。もうちょっとだけ待って下さい。優しい人になって下さい」
「払うモン払えば勘弁してやるっつってんだろうがボケコラァ!」
「自分の行いが、未来の自分を助けるんですよ」
「やかましいババァ! テメーマジでぶっ殺すぞ!」
でもね、男がどんなに凄んでも、ない物は払えません。
その日はつまり、取り立て失敗です。
男はね、翌日も老婆のアパートを訪ねました。
「くそババァが! 今日こそ金ェ返してもらうからな!」
ところがですね、その日は、おばあちゃん、居留守でも使っているんでしょうか。
鍵がかかっていて、玄関は開きません。
男は居留守だって一方的に決め付けてね、
「おい! 開けろ!」
怒鳴り続けたんですよ。
ドアをガンガン蹴飛ばしながら。
するとですね、ちょっとおかしなことが起こったんです。
ドアの向こうから男性の怒声がしたんですね。
「開けてくれ!」
向こう側からも、ドアを叩いているんでしょう。
玄関が、ドンドンと鳴っています。
男からしたら、意味が解りません。
内側からなら、鍵を外せるじゃないですか。
不可解な理不尽さに、男は怒りに覆われました。
「あ!? 何言ってんだコラ」
しかし、玄関の向こう、つまり家の中からは、
「開けてくれって言ってんだ!」
これでは話になりません。
開けて欲しいのは、こっちなんですからね。
家の外と中とで、男達の応酬が続きました。
「テメーが開けろや! わけ解ンねェこと言ってんじゃねえ!」
「うるせえ! 開けろって言ってんだ!」
「バカかテメーは! テメーが開けろ!」
するとですね、玄関の向こうにいる男性、いきなり悲鳴を上げたんです。
「うわあ!」って。
「頼むから! 開けてくれ!」
頼まれたって、こっちがドアを開けるには、壊すしかありません。
男は「知るかタコ! テメーはずっとそうしてろ!」って吐き捨てて、その日も諦め、帰っていきました。
次の日です。
老婆は、とうとう首を吊って自殺していました。
男が訪れた時は、もう救急車やら何やらが来ていてね、おばあちゃんには身寄りがないから、遺体をどこに引き渡すかどうかなんてことを、周囲の者が揉めていましたよ。
取り立てられるような状況じゃなくって、男は現場を後にしました。
で、あんまり詳しくないのですが、お金を借りた人が亡くなってしまったら、その所持品や財産などは、金貸しが持って行ってもいいのかな?
そこはよく解りませんが、男は大家から鍵を借り、再びアパートを訪れたんです。
部屋に上がるとね、なんか異様なんですって。
異臭がして、男は思わず鼻を覆いました。
台所を越えて、老婆の寝室に進むと、男はびっくりしたでしょうね。
部屋の真ん中に、老婆がぶら下がっていました。
明らかに、お金を借りていた老婆です。
亡くなった際、遺体はどこかに運ばれたはずなのに、まるで放置されっぱなしのような状態で、どういった訳か遺体は部屋にありました。
さすがにこれでは、部屋の物色なんて出来ません。
腐乱しかけた遺体に背を向けて、男は外に出ようとしました。
そしたらね、何故だかドアが開かないんですよ。
鍵もかかっていないのに、きっちり固定され、動きそうな手応えはありません。
「だからァ…」
どこかから、声が聞こえたような気がしました。
遺体の部屋に戻って、窓から出ようと男は試みたのですが、どういうわけか窓も開きません。
適当な物を投げつけたり、叩いたりしても、ガラスは割れませんでした。
「だからァ」
さっきより、近くで聞こえたように思えました。
男は慌てて、脱出の手をね、あれやこれやと試すんですよ。
でも、どこも異常なまでに頑丈でした。
「だからァ…」
しゃがれた声が遺体から出ているように聞こえ、男はもう必死です。
そんな時、助けとも思える声も聞こえました。
「くそババァが! 今日こそ金ェ返してもらうからな!」
玄関が、外から叩かれています。
「おい! 開けろ!」
乱暴な印象の怒鳴り声でしたが、これぞ天の助け。
男はワラにもすがる思いで、玄関に走ります。
「開けてくれ!」
必死になって、ドアを叩きました。
しかし、ドアは外側から叩かれ返されます。
「あ!? 何言ってんだコラ」
家の外と中とで、男達の応酬が続きました。
「開けてくれって言ってんだ!」
「テメーが開けろや! わけ解ンねェこと言ってんじゃねえ!」
「うるせえ!」
怒鳴りながら、男はふと気がついてしまいました。
ドアの外にいるのは、俺じゃないのか?
つい先日の、過去の自分なんじゃないのか?
「開けろって言ってんだ!」
必死に絶叫しながら、男は老婆の言葉を思い出します。
「自分の行いが、未来の自分を助けるんですよ」
そういえばあの時、俺はドアを開けずに帰ってしまった…!
このドアは、もう2度と開かないのか?
「開けろって言ってんだ!」
もう切羽詰って、物を頼む口調にもなれません。
恐怖から、涙が溢れ出ています。
しかし、外側の男は、
「バカかテメーは! テメーが開けろ!」
聞き覚えのあるセリフしか返してくれません。
「だからァ」
例の声がして、咄嗟に振り返ります。
男の背後には、腐乱した老婆が立っていました。
乾燥した眼球が、男を見ています。
老婆の口がパリパリと音を立て、確かに動きました。
「だからァ…。お前が、お前を殺したんだ」
「うわあ!」
男は叫び、ドアにすがります。
「頼むから! 開けてくれ!」
しかしドアからは、確かに以前、自分が放った、自分自身の言葉が。
「知るかタコ! テメーはずっとそうしてろ!」
この話は、これでお終いです。
彼は後日死体となって発見されるのですが、老婆の姿はありませんでした。
では何故、この話を俺が知っているのか。
それには実は、事情があるんです。
チャット大会で怖い話をすることになったのですが、ネタがなくってね。
今の話を大急ぎで作ったんですよ。
だから、この話が表に出てしまった理由、まだ考えてないんです。
でもまあ、いっか!
そこまで設定を細かくする必要もないでしょう。
それにしても、うちもアパートなんですけどね、安普請でいけません。
壁が薄くってね、よく色んな声が聞こえるんですよ。
あの借金取りは、やり方が派手でした。
組によってシステムは違いますが友達の場合(ツッパリ悪友)金融会社また闇金融
そこから幹部が雇われその幹部がまず下っ端に命令し取り立てに行かせます
そこで何度か失敗すると幹部が出てきます
幹部が出向くのは一度きりです。理由は失敗したら下の奴にメンツが立たなく下っ端にナメラレテ言う事きかなくなるからだそうです
友達(下っ端)の話しによると上からの命令は絶対で
例え県が離れて遠かろうと…呼び出しが来れば行かなければなりません。戦争で言う赤紙みたいな?
ただその分成功したら報酬たんまりでつ
メリットは
金融の取り立てという壁を出しながら人をいっぱい殴って脅して30~200万もらえる
デメリットは
刑務所
ちなみに友達(下っ端的な悪友…でも根はいい子)は人を殴るのが苦手です
(笑)
長文ごめちょ!
しゅた!