夢見町の史
Let’s どんまい!
2012
January 17
January 17
「このメンバーの中でエッチするとしたら誰?」
「なんて答えにくいことを…」
酒席では罰ゲームの嵐だ。
お店が暇だったので、数少ないお客さんと従業員たちとでちょっとしたアプリを楽しんでいる。
あたしがアイフォンにダウンロードしたゲームだ。
クリックすると、様々な質問がランダムに出題される仕組みになっている。
例えば「異性が身につける下着は何が理想?」とか「名前も知らない人と関係を持ったことがあるなら、その詳細を詳しく話せ」などなど、性的な内容が多い。
みんなもういい大人なので、多少エグい質問が出ても、だいたいがあっさりと「それは経験なし。次!」とか「昔あったなあ、そんなことも」などと平然と答えてゆく。
しかし、めさくんは違った。
「え~! そんなの言えない!」
潔くないし、なんだか気持が悪い。
いいから言え。
「えっとね? えっとね? そういった経験はね? もー無理!」
無理なのはそのキャラだ。
なんだその年齢設定と性別を間違えた感じは。
「だって、言いたくないんだもん!」
もん!
じゃない。
腹立たしい。
うざいからもう引っ張るな。
回答を強要すると彼は、以前女性に何かしらをされてしまった過去を赤面しながら話し、「なんだよ結局受け身かよ気持悪いな」とあたしの気分を害させた。
そんな中、店のボスであるK美ちゃんが思い出したかのように立ち上がる。
「こないだの、めーちゃんの誕生日会のときのケーキがあるんだった。みんな食べる? めさのチョコレートケーキ」
今までの話題が話題なだけに「めさのチョコレートケーキ」という言い回しがなんだかエロチックな比喩に思え、あたしは笑った。
皆はそれで、わざといやらしい意味に取れるような言い方をする。
「めさのチョコレートケーキ、甘~い」
「めさの、美味しい」
「どうだ! 俺の味は!」
この男、いきなり調子に乗り始めた?
めさくんの言えることと言えないことの区別が、あたしにはさっぱり解らない。
やがてアプリの質問事項も尽き、ゲームはやがてカラオケに移行する。
皆でマイクを回しながら歌い、画面が切り替わって歌詞が変わる毎に交代してゆく。
最後のフレーズを歌った者が負けだ。
めさくんが負け、彼が次の歌を入れる役となった。
「次、なんの歌にしようかなあ。あ、そうだ。みんな、コブクロ歌える?」
「有名なやつしか知らないなあ」
「蕾(つぼみ)とかって、どう?」
「それなら知ってるー」
「おっけい!」
めさくんが電目を操作した。
「じゃあみんなで歌おう。俺のコブクロを」
お前のじゃない。
なんでわざわざ「俺の」を付けた。
そっちのコブクロに興味はない。
「入れるよ? 俺の蕾」
何がどう卑猥なのか説明しないが、とにかくいい加減にしろ。
コブクロファンの方々、めさのバカが大変失礼いたしました。
「なんて答えにくいことを…」
酒席では罰ゲームの嵐だ。
お店が暇だったので、数少ないお客さんと従業員たちとでちょっとしたアプリを楽しんでいる。
あたしがアイフォンにダウンロードしたゲームだ。
クリックすると、様々な質問がランダムに出題される仕組みになっている。
例えば「異性が身につける下着は何が理想?」とか「名前も知らない人と関係を持ったことがあるなら、その詳細を詳しく話せ」などなど、性的な内容が多い。
みんなもういい大人なので、多少エグい質問が出ても、だいたいがあっさりと「それは経験なし。次!」とか「昔あったなあ、そんなことも」などと平然と答えてゆく。
しかし、めさくんは違った。
「え~! そんなの言えない!」
潔くないし、なんだか気持が悪い。
いいから言え。
「えっとね? えっとね? そういった経験はね? もー無理!」
無理なのはそのキャラだ。
なんだその年齢設定と性別を間違えた感じは。
「だって、言いたくないんだもん!」
もん!
じゃない。
腹立たしい。
うざいからもう引っ張るな。
回答を強要すると彼は、以前女性に何かしらをされてしまった過去を赤面しながら話し、「なんだよ結局受け身かよ気持悪いな」とあたしの気分を害させた。
そんな中、店のボスであるK美ちゃんが思い出したかのように立ち上がる。
「こないだの、めーちゃんの誕生日会のときのケーキがあるんだった。みんな食べる? めさのチョコレートケーキ」
今までの話題が話題なだけに「めさのチョコレートケーキ」という言い回しがなんだかエロチックな比喩に思え、あたしは笑った。
皆はそれで、わざといやらしい意味に取れるような言い方をする。
「めさのチョコレートケーキ、甘~い」
「めさの、美味しい」
「どうだ! 俺の味は!」
この男、いきなり調子に乗り始めた?
めさくんの言えることと言えないことの区別が、あたしにはさっぱり解らない。
やがてアプリの質問事項も尽き、ゲームはやがてカラオケに移行する。
皆でマイクを回しながら歌い、画面が切り替わって歌詞が変わる毎に交代してゆく。
最後のフレーズを歌った者が負けだ。
めさくんが負け、彼が次の歌を入れる役となった。
「次、なんの歌にしようかなあ。あ、そうだ。みんな、コブクロ歌える?」
「有名なやつしか知らないなあ」
「蕾(つぼみ)とかって、どう?」
「それなら知ってるー」
「おっけい!」
めさくんが電目を操作した。
「じゃあみんなで歌おう。俺のコブクロを」
お前のじゃない。
なんでわざわざ「俺の」を付けた。
そっちのコブクロに興味はない。
「入れるよ? 俺の蕾」
何がどう卑猥なのか説明しないが、とにかくいい加減にしろ。
コブクロファンの方々、めさのバカが大変失礼いたしました。
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