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夢見町の史

Let’s どんまい!

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2017
April 29
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2011
April 24
 M子がうちのカーテンレールを壊した。
  なんでそんな酷いことを。

  だいたい「俺は帰る」って何度も、それこそ10回ぐらい主張したのだ。
  それなのに帰宅時刻はというと、なんと朝の10時半。
  夜から飲んでいたのに帰りは10時半。
  考え方によっては、この時刻は昼とも表現できる。

  俺もM子もTちゃんもその時間まで飲み続けていたわけだから、3人ともべろんべろんである。
  2人の女の子は当然のように、うちに転がり込んできていた。

  そもそもこのM子というは俺の元同僚で、職場のスナック「スマイル」で共に働いていたことがある。
  なかなかの腐れ縁だ。

  そんなM子が、Tちゃんという女の子と一緒にスマイルに飲みに来た。
  俺は初対面だったのだが、このTちゃんという大人しげな子も、以前はこのスマイルでフロアレディをやっていたとのこと。
  M子と違って物静かな女性である。

  スマイルではこの日、俺の弟や妹まで飲みにきていて、それはそれで賑やかだった。
  午前4時に終わるはずのスマイルが、気づけばもう5時だ。
  俺はお客さんたちや従業員たちを見送ると、そのまま店の後片付けを始めた。

  酔ってふらふらになりながらも、お尻のポケットから細かな振動を感じ取る。
  携帯電話が鳴っていることに気がついた。

「はいよ、もしもし?」
「めさちゃーん!」

  妹からだった。

「めさちゃん! 今どこ!?」
「スマイルで後片付けしてるよ?」
「それ終わったら飲みにおいでよ! みんな次の店にいるから!」
「眠いからやだ」

  俺は電話を切った。

  すると、また振動。
  今度はM子だ。

「あんたなにやってんの。早く来なさいよ」
「やだよ。眠いもん」
「せっかく誘ってやってんのに?」
「どこから目線なんだお前は。なんの立場での物言いだ、それは」
「いいから早く! いつもの店にいるから!」
「嫌だってば! 俺はもう帰るの!」
「もー! いいから来いってば! しつこい!」
「お前がな!」
「うるさい! 早く来な!」

  スッポンは、一度獲物に噛み付くと、雷が鳴るまで決して離さないという。
  スマイルを出て見上げると、夜空は晴れ渡っていた。

  俺は「マジで帰る」と何度も口にしつつ、楽しい仲間がぽぽぽぽ~んな2件目に歩を進める。

  で、およそ昼。
  そんな時間までやっている店も店だが、変らぬペースで飲み続けられた俺たちも無駄に凄い。
  弟と妹は既に限界を向かえ、早朝に帰っていってたし、他のお客さん方もそうだ。

  我ながら思うけれど、よくぞまあ、そんな何ガロンも飲めたものである。

  歩道で振り返ってみると、M子とTちゃんは帰るためのエネルギーと気力が見事に足りないことが解った。
  夢遊病患者のような足取りだが、当たり前のように俺ン家に向かっている。
  完全にうちで寝る気だ。

  めさ邸に到着すると、短パンとTシャツを2人に与える。
  着替え終わった頃に部屋に入ると、そこでM子が悲劇を起こした。

  信じられない。

  M子は立ち上がろうとする際、カーテンを掴んで、全体重を預けた。

  こいつ、自分ン家では絶対そんなことしないクセに、カーテンにぶら下がる格好で立ち上がろうとしやがった!

  ばり!

「うそー!」

  不吉な破壊音と共に、カーテンとM子が畳みに落ちる。
  アルミ製のカーテンレールも道連れになっていた。

  ささやかなこのアパートに引っ越してきた当時を思い出す。

  この部屋の窓にはそもそも、カーテンレールが付いていなかった。
  そこをどうにか工夫して、色々と頑張って、やっと装着させたカーテンレールが、取れた。

  そういえば昔、このカーテンレールを壊した奴が他にもいたっけ。

  思わず遠い目になる。

  引っ越し祝いにと飲みに来た妹は、何かにつまずき、カーテンを掴んだまま派手にコケた。
  カーテンレールはそのときも、根元から取れていた。

  カーテンレールが取れたといってもそれは片側だけで、反対側だけはどうにか壁に付いたまま、ぷらんぷらんと揺れている。

  カーテンを掴んだままで、妹が叫んだ。

「あたし直すから!」

  人ン家のカーテンを両手で鷲づかみにし、豪快に振り回す妹。

  俺も叫んだ。

「それ以上壊さないでくれ!」

  後日、泣きそうになりながらカーテンレールを直し、散らかった部屋を片付けた。

  一通りの再現シーンを脳内で終え、意識が現実に戻ってくる。

  デジャヴかこれは。
  M子はカーテンを両手で掴み、ぐりぐりと回転させながら、わずかに付いたままでいるカーテンレールをもぎ取ろうとしていた。

「あたし直すから!」
「それ以上壊さないでくれ!」

  どうしてなんでこういうタイプの奴は、こういうことをするのだろうか。
  M子と俺の妹は血でも繋がっているのだろうか。
  親兄弟の顔が見たい。

  その後になっても、M子の大暴走は留まることを知らない。

  アウトドアグッズの1つである焼き網をM子に見せると、取っ手の部分を豪快にひん曲げ、「意味わかんない!」と意味の解らないことを言った。

  頑張って取っ手を真っ直ぐに直しながら、俺は涙目になってM子を睨む。

「もう寝ろォ!」

  数時間ほど眠り、やがて起きる。

  M子もTちゃんも、これは俺もそうだが激しい二日酔いのため、すこぶる気分が悪い。
  俺はよろよろと台所まで歩くと、味噌汁を3人分作った。

「まな板から包丁の音がする~。あいつは新妻か!」

  その一声が、味噌汁を与える気を失くさせる。

  それにしても具合が悪い。
  もうお酒なんて見るのも嫌な心地だ。

  俺はだらだらとベットに潜り込み、再び眠ることにした。

  Tちゃんの声が遠くから聞こえる。

「なんかジュース飲みたい。近くに売ってない?」

  するとM子は「この家を出て右に真っ直ぐ進むと自動販売機があるよ」と嘘をついた。
  誰の家と間違えているのだろうか。
  俺ン家を出て右に真っ直ぐ進むと、電柱があるだけだ。

  M子がごろりと横になる。

「ねえねえ、めさ~」
「ん~?」

  続くM子の言葉は、これを書いている今でも信じられない内容だった。

「あんたン家ってさ、なんでカーテンないの? 眩しいんだけど」
「完全にお前の功績だよ!」
「あたしなんかした~? すぐあたしのせいにする」
「お前みたいな酷い奴を見るのは初めてだ!」

  かくして、俺の2度寝は泣き寝入りといった形になった。

  夕方に起きると、M子とTちゃんは帰ったらしい。
  置手紙と後片付けの痕跡が少しもないところが彼女らしい。

「ったく」

  軽く呪いながらベットから起き出す。

  焼き網を仕舞おうとアウトドアグッズを拾い上げた。

「あいつ…ッ!」

  寝る前に一生懸命に直した取っ手の部分は、再び大きく折り曲げられている。

「M子ォーッ!」

  俺の悲痛な叫び声がアパート全体にこだました。

拍手[64回]

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無題
アヒャヒャw

メサさん。。。
どんまい!
にゃーにゃー: 2011.04/25(Mon) 21:04 Edit
無題
お初にコメントさせて頂きます♪
めささん、ホントご愁傷様です……w
はろるど: URL 2011.04/25(Mon) 21:59 Edit
はじめまして!
はじめまして、めささん!
いつも検索してはいけない言葉の動画を楽しみに観ています。
突然ですがめささんにリクエストがあります。
http://unkar.org/r/gameama/1265199701
機会があればでいいのですが、この「極・魔導物語」というホラーゲームの実況をしてくれませんでしょうか?
ピカちゃん: 2011.04/28(Thu) 20:40 Edit
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プロフィール
HN:
めさ
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1976/01/11
職業:
悪魔
趣味:
アウトドア、料理、格闘技、文章作成、旅行。
自己紹介:
 画像は、自室の天井に設置されたコタツだ。
 友人よ。
 なんで人の留守中に忍び込んで、コタツの熱くなる部分だけを天井に設置して帰るの?

 俺様は悪魔だ。
 ニコニコ動画などに色んな動画を上げてるぜ。

 基本的に、日記のコメントやメールのお返事はできぬ。
 ざまを見よ!
 本当にごめんなさい。
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