夢見町の史
Let’s どんまい!
2011
October 09
October 09
皆さんは、現役の女子プロレスラーの人にひっぱたかれたことがあるだろうか?
もし「ある」と言う人がいたら、この言葉を捧げよう。
お前は俺か。
職場のスナックにかの有名な女子プロレスラー豊田真奈美さんが手伝ってくれていることは以前に書いた通りだ。
真奈美さんのおかげで、うちの店に女子プロレスラーの面々が飲みに来てくれるようになっている。
先日など、6人もの猛者たちが来店され、山賊の宴を彷彿させる飲み方をされていた。
「お兄ちゃん!」
俺を呼び止めたレスラーの名は、ここでは仮に「ゴンザレス高橋リーサルウェポン」とさせていただこう。
ゴンザレス高橋リーサルウェポンさんに呼び止められた。
「はい?」
返事をしたと同時に俺の顔面を平手が襲う。
バシ!
という炸裂音を近くに聞いた。
なんで殴られたの俺?
後になって思えば、ゴンザレス高橋リーサルウェポンさんはリング上でよく見られる平手の応酬を、何故か店内で再現したくなっちゃったのであろう。
体育会系に酒を飲ませると、星を取ったスーパーマリオのようになるから困ったもんだ。
そんなゴンザレス高橋リーサルウェポンさんに誰かが「めさは空手の有段者で素人じゃないから殴っても大丈夫」などと勝手なことを吹き込んだに違いない。
それにしても、なんの前触れもなく殴られるなんて展開、読るわけがない。
普通、女の人が男をひっぱたくときっていうのは恋が始まるときか終わるときだ。
それがこのゴンザレスのビンタときたら、なんの色気もない。
ゴンザレス高橋リーサルウェポンさんは俺に頬を突き出し、ジェスチャーで「ほら、やり返せ」と示す。
水商売は短くないが、ここまでの無茶振りは初めてだ。
いくら相手が現役のプロレスラーで、しかも本人が「あたしを殴れ」と命じたからといって、女の人をひっぱたけるわけがない。
尚も殴られる体制を取っているゴンザレス高橋リーサルウェポンさんの頬を、俺は「えいっ」と語尾にハートマークを付けながら、指でツンと突ついて誤魔化した。
「そうじゃない!」
ゴンザレス高橋リーサルウェポンが怒り出す。
殴らなかったから怒られるなんて体験、初めてだ。
「そうじゃなくて、こうだぁ!」
バシイ!
と、再び殴られる。
さっさとカウンターの中に逃げ込んでしまいたかったが、あまりにも重い平手打ちに軽い脳震盪を起こし、足にきちゃっているので動けない。
「さあ、こい!」
再び顔を突き出すゴンザレス高橋リーサルウェポンさん。
やはり手を上げられないので指で軽く突く。
そうじゃないとまた殴られる。
そんなループを5回ほど繰り返した。
我ながら思う。
俺、ドMでよかった。
もし「ある」と言う人がいたら、この言葉を捧げよう。
お前は俺か。
職場のスナックにかの有名な女子プロレスラー豊田真奈美さんが手伝ってくれていることは以前に書いた通りだ。
真奈美さんのおかげで、うちの店に女子プロレスラーの面々が飲みに来てくれるようになっている。
先日など、6人もの猛者たちが来店され、山賊の宴を彷彿させる飲み方をされていた。
「お兄ちゃん!」
俺を呼び止めたレスラーの名は、ここでは仮に「ゴンザレス高橋リーサルウェポン」とさせていただこう。
ゴンザレス高橋リーサルウェポンさんに呼び止められた。
「はい?」
返事をしたと同時に俺の顔面を平手が襲う。
バシ!
という炸裂音を近くに聞いた。
なんで殴られたの俺?
後になって思えば、ゴンザレス高橋リーサルウェポンさんはリング上でよく見られる平手の応酬を、何故か店内で再現したくなっちゃったのであろう。
体育会系に酒を飲ませると、星を取ったスーパーマリオのようになるから困ったもんだ。
そんなゴンザレス高橋リーサルウェポンさんに誰かが「めさは空手の有段者で素人じゃないから殴っても大丈夫」などと勝手なことを吹き込んだに違いない。
それにしても、なんの前触れもなく殴られるなんて展開、読るわけがない。
普通、女の人が男をひっぱたくときっていうのは恋が始まるときか終わるときだ。
それがこのゴンザレスのビンタときたら、なんの色気もない。
ゴンザレス高橋リーサルウェポンさんは俺に頬を突き出し、ジェスチャーで「ほら、やり返せ」と示す。
水商売は短くないが、ここまでの無茶振りは初めてだ。
いくら相手が現役のプロレスラーで、しかも本人が「あたしを殴れ」と命じたからといって、女の人をひっぱたけるわけがない。
尚も殴られる体制を取っているゴンザレス高橋リーサルウェポンさんの頬を、俺は「えいっ」と語尾にハートマークを付けながら、指でツンと突ついて誤魔化した。
「そうじゃない!」
ゴンザレス高橋リーサルウェポンが怒り出す。
殴らなかったから怒られるなんて体験、初めてだ。
「そうじゃなくて、こうだぁ!」
バシイ!
と、再び殴られる。
さっさとカウンターの中に逃げ込んでしまいたかったが、あまりにも重い平手打ちに軽い脳震盪を起こし、足にきちゃっているので動けない。
「さあ、こい!」
再び顔を突き出すゴンザレス高橋リーサルウェポンさん。
やはり手を上げられないので指で軽く突く。
そうじゃないとまた殴られる。
そんなループを5回ほど繰り返した。
我ながら思う。
俺、ドMでよかった。
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