忍者ブログ

夢見町の史

Let’s どんまい!

  • « 2025.04.
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • »
2025
April 20
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2009
April 26

「問題! GWとは何の略でしょうか?」
「強引な私! いや、ゴージャスな私?」
「ブー! ヒントは5月!」
「え~? 5月~? あ! 5月の私!」
「いい加減自分から離れろ」

 皆さん、おはようございます。
 めさですよ。

 先日の人気投票の回にて多くのコメントやメールを頂戴し、大変嬉しく思っています。
 お声を届けてくださった皆様、本当にありがとうございました!
 今回は裏話を交えながら集計結果を発表させていただきます。

 さっそく最下位から順にご紹介していきましょうか。
 これらはコメントに名前が挙がっていた時点で1票とカウントさせていただいております。

 同率11位は1票を獲得していました。
 以下のキャラクターたちです。

「永遠の抱擁が始まる」第1話に登場する医師の奥さん。
 器量の良さと気の強さが魅力だったのだそうです。

 続けて、同じく「永遠の抱擁が始まる」より。
 レストランで語る男性です。
 この人物に名前をつけてほしいとのことで、今ここで命名してしまいますね。
 彼は博文さん、とでもしておきましょうか。
 いつも色んな話を考えてくれる博文さんが1票を獲得しました。

 さらに「目の前にいるっつうの」の魔女さんにも票が入っています。

 これを書いた当時は女性読者様から「こんな人になりたい!」とのコメントが多かったですね。

 続いて魔女繋がりということで、魔女部員も。

 ちゃんと全国大会に行けたのでしょうか。
 続編の予定がないだけに謎です。

 嬉しいことに、まだ完結していない物語のキャラクターにも票が入っていますね。
 willの剣士、ガルド氏です。
 漢と書いてオトコと読ませる、そんな男性です。
 俺も大好き。

 それと、大昔にホームページで書いた物語にも票を入れていただきました。
 トマトとモッツァレラチーズにそれぞれ1票ずつです。
 なんで食材が?
 と思われそうですね。
 恥ずかしいけど過去の作品を貼っておきます。

 カプレーゼはキスの味

 レタスの葉よ、どこまでも大きく広く

 ううん、懐かしい。

 懐かしいといえば、死ねおばさんにも1票が入っていました。

 ただね、これは思い出話であって、俺が創造したキャラじゃないです。
 実在する人物です。
 なのに何故。
 でもまあ確かにインパクトの強い人でしたもんね。

 そうそう。
 俺が作り上げたキャラじゃないといえば、友人のチーフからも投稿がされていましたよ。
 メーテルに。

 チーフ、いい加減にしてください。
 俺は銀河鉄道は書いてない。

 ふはは。
 直接言えることをわざわざ公共の面前で書いてやったぜ。

 また、1人なのに自分のことを「我々」って言う宇宙人にも1票が。
 これはさすがにマイナー過ぎて、頑張ったけどもページURLを発見できませんでした。
 許してちょ。

 投稿者様によると、死神エリーと宇宙人の成り立たない会話を教師が聞き、心の中でツッコミを入れてほしかったのだそうです。
 でも宇宙人の人って、どんなキャラでしたっけ?

 さて、ここからは10位の発表です。

 地味に3名が2票ずつ獲得。
 テンポ良くご紹介していきましょう。

「永遠の抱擁が始まる」より、レストランで語り合う男女。
 この2人の永遠の抱擁が読みたいとの声もありました。

 willのアンドロイド、メリアさんにも2票。
 お話はまだまだ続いていきますので、今後の活躍に期待してやってくださいませ。

 悪友のジンも2票獲得。
 リアルのお前がなんでまた。

 ちなみにジンはこないだ、トメと一緒にスマイルに飲みに来ました。
 徹夜明けらしくへろへろで、特に面白いことはありませんでした。
 どんまい。

 続けて、3票を得た第9位。
続・永遠の抱擁が始まる」のクラークさんとルイカさんが並びました。

 ちなみにクラークさんに入った票の内、1票は少年バージョンに入れられています。
 この2人、同位なところも仲良し親子って感じでいいですね。
 どうぞ穏やかな毎日を。

 第8位は「最後のアダム」からです。
 ラトに4票が入っていました。
 いい味出してたもんなあ、彼。
 シンガーの空さんの曲を聴いていなかったら、俺の中で彼は産まれませんでした。
 グッジョブです、空様。

 第7位に輝いたのは悪友のトメ。
 エリーに触れてしまったトメ、もしくはジンの話を読みたいとの声も。
 ただ彼も俺オリジナルのキャラではなく、実際にいる人物です。

 ちなみにトメは先日、このように口走り、俺に衝撃を与えました。

「俺、今月よ~、1日しか働いてねえぜ? どうする?」

 オメーが生活どうすんだ!

 悲壮感がないのが不思議でした。

 さて、第6位。
 これには7票も入っていました。
永遠の抱擁が始まる3」のヒロインである、シスターです。

 お気づきの方も多いでしょうけども、念のため。
「続・永遠の抱擁が始まる」にて話だけ出てくる教会のマザーっていらっしゃったじゃないですか。
 シスターはそんな偉大なマザーの、実の娘だったりします。
 ううむ、人を愛する才能があるのも頷ける。

 続いて、第5位です。
 これはちょっと紹介しにくい…。
 皆さん何を考えていらっしゃるのでしょうか。
 嬉しかったけど、これを書く今となっては、もはや嫌がらせみたいなことに。

 何故か申し訳ない気持ち。
 10票ほどで、俺でした。
http://ip.tosp.co.jp/BK/TosBK100.asp?I=yumehimitu&BookId=1&KBN=1&PageId=48610&PN1=0&SPA=210&SSL=

 内1票は女装したまま傘で戦うバージョン。
http://ip.tosp.co.jp/BK/TosBK100.asp?I=itigyou01&BookId=1&KBN=1&PageId=171038&PN1=20&TP=219&SPA=210&SSL=

 あのですね、今さらですが、めさは実在の人物です。
 空想上の生き物ではありません。

 推理クイズに天使とかエリーとかの創作キャストが入ったのが読んでみたい、なんてコメントも頂戴いたしました。
 言われてみれば、また作ってみたいですね、推理クイズ。
 気長に待ってやってくださいませ。

 第4位は、おおう。
 3名が同一ですね。
 それぞれに11票が入っていました。

永遠の抱擁が始まる2」からちょくちょく登場している教師。

 関連リンクも貼っておきますね。
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/157/
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/54/
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/218/

 優しい先生はリアルでもフィクションでも大人気。
 めちゃめちゃいい人だもんなあ。

 逆に、渋いとの声もあって、ロウェイにも投票がされていました。
 不器用な愛情の持ち主です。
 さすがシスターに愛された男。
 今までロウェイのことに関してコメントされたことが少ないような気がするだけに、この結果は嬉しい意味で意外でした。

 何故か俺の中にいる悪魔も同じく11票が。
 めさが寝てる間に体を乗っ取る話が読みたいとか、「めさが書く悪魔や死神は味がある」なんてコメントも。
 乗っ取られてたまるか。

 さて、ここからは上位ということに。
 ベスト3の発表です。

 第3位は、毒舌でキャラが立ったのでしょうか。
 俺の中の天使に、13という不吉な数の票数が入りました。

 ちなみにこの脳内の天使なんですが、性別は女性です。
 男性だと思っていた方、いらっしゃいますでしょうかね。

 さて。
 見事2位に輝いたのは、ロウちゃん。
 これだけ計算高いんだから好かれないんじゃないかと当時は不安だったんですが、何故か大人気。
 17票も入っていました。
 ありがたや。
 ホント嫌われるんじゃないかと心配していました。
 よかったよかった。

 続けて、注目の第1位なんですが、これは予想通りの展開です。
 しかも46票と、他者と大差をつけていました。

 死神エリー。

 寄せられたコメントは次の通りです。

「エリー単体の放浪時代とか見てみたい」
「『永遠の抱擁が始まる1』のとき何故、相手が一番恐ろしいと思う姿&台詞の暗示を使い、そして戻れなくなったのかが気になります」
「スタッガーリーとの裁判の描写が見てみたい」

 これらは機会があったら番外編として書かせていただきますね。

 今回はエリー、というか死神の出生の秘密など。

 実は死神は地球が自分自身のために生み出したワクチンで、人間というウイルスを駆逐するために発生しました。
 人の魂を捕食し、生まれ変わりを未然に防ぐことが死神の役割です。
 性質としては人間特有の考え方を愚かと感じ、ちょっと会話が噛み合わないだけでイラッとし、魂を奪いたい衝動に駆られます。

 死神の体は皮肉なことに、そんな人間の死体が元だったりしています。
 無傷の白骨に死神は宿り、その身を起こすわけですね。
 広い意味で死神とは、ゾンビなのかも知れません。

 死神になるべき白骨には、損傷がないことはもちろん、他の条件もあります。
 その白骨の生前が孤独で、人を忌み嫌っていたこと。
 骨に染み付いている残留思念が死神の性格に反映されてしまうからです。
 この「人を嫌う念」が弱かったりすると、死神になったあと、それほど人を憎く感じなかったりします。
 エリーはきっと、それほど強く人を嫌っていなかった体に宿って産まれたのでしょう。

 以上、裏設定でした。

 また、コラボの組み合わせは以下の通り、集計結果が出ています。

 エリー&ロウに9票。

 コメントとしては「実は昔、ロウがエリーの弟子で、あるきっかけで進む道が別々に。1人は死神に、1人は悪魔に、みたいな感じのが読んでみたい」ですとか「この2人が意気投合しちゃう話が見たい」といった希望が寄せられました。

 エリー&めさには2票入っていました。
 まさかの作者との共演。

 タッグを組んでの組み合わせも各1票をいただきました。

 ロウ&クラークVS脳内天使&脳内悪魔ですとか、ロウ&クラークVS正直教師&エリーなど、名コンビ同士によるコラボですね。
 また、ロウェイ&ガルドVSエリー&メリアなんていう似た者同士によるタッグも結成されたりして、我ながら読んでみたくなる組み合わせです。

 脳内悪魔&エリー。
 トメ&正直教師。
 トメ&死神ババア。

 これらの取り合わせにも1票ずつ。
 皆さん、トメを何だと思っているのでしょうか。
 でもぶっちゃけ、気持ちは解ります。
 確かに彼がどんな反応を示すのか見てみたいですね。

 コメント付きですと、次のような組み合わせがありました。

 メリア&エリー。
「死神っていう旧時代的な思想と最先端のロボットって概念がどう混ざるのか見てみたい」

 エリー&ルイカ。
「エリーと、腕を失った直後のルイカさんを会わせて欲しい」

 魔女部員&エリー。
「『魔女だ…』『本物だ…』『魔女ではない。死神だ』みたいな感じのやり取り希望」

 さらにですね、この記事の作成中にもさらに票が追加されました。
 ジン、エリー、こないだ俺の夢に出てきたウザい王様にそれぞれ1票追加です。
 ロウェイには2票が入りました。
 タイミング上、当記事に反映させられなくってすみません。

 というわけで、コラボとしては最も声が多かったエリーとロウちゃんのやり取りを実現させていただくこととなりましたが、ここでお付き合いくださった皆さんにお礼です。
 エリーとロウちゃんによるコラボはここでアップするわけにはいかない理由がありますので、それ以外の組み合わせでコラボ作品を綴り、近日中に届けさせていただきたいと思います。
 内容はこれから決めていきますので、ちょっぴりお待ちくださいね。

 今回は個人的、あるいはマニアックな内容となってしまいましたが、嬉しい意外さや喜びを感じることができました。
 ご協力くださった皆さん、本当にありがとうございました。

 引き続きご愛読のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 大勢に笑顔があらんことを。

 めさでした。

 やる気出ました。
 本当にありがとう!

拍手[2回]

PR
2009
April 20

 マンガの1シーンみたいな経験ならそこそこあるけれど、中にも他人同士の喧嘩を止める、または発生させないよう気を配ることが、思い返せば多いような気がする。

「満月の夜なのでイライラしてまーす」

 みたいな感じで、街中でそういった血気盛んな場面に何故か出くわすのだ。
 しかもこっちが出版社に向かう途中であったりなんかして、ぶっちゃけ構っている暇がない。

 以前、どこかで書いたことかも知れないお話だけど。

 昔見たのは駅付近で、おばちゃん1人に対して絡む2名の若者。
 俺の視界に入ったときは既に心のエキサイトゲージが溜まった後だったらしく、着飾ったお兄さんがおばちゃんの肩をドンと押し、険悪な雰囲気となっていた。

 ああもう、人が急いでるときに限って解りやすいトラブル起こしやがってからに!

 なんて考えつつも早足で若者の元へ。
 2人ともオシャレで、色んなところにピアスを開け、眉毛をハの字に曲げている。
 スキーのボーゲンみたいな眉毛だ。
 笑いたくなったけど、空気を読んで我慢した。

 青年の怒気はおばちゃんに向けられている。

「テメーが悪いんだろ!? ああ!?」

 おばちゃんが何をしたのかは知らないけれど、男2人がかりで声を荒げるべきではない。
 これが少年漫画だったら彼らは残念な負け方をしてしまうところであろう。

 でも、瞬殺なんかしたら俺のほうがカッコ悪いことになってしまうではないか。
 俺は街中でも好感度を気にしているのだ。
 手なんか出してたまるか。
 仮にお巡りさんが来ちゃったら、空手の段を持っているだけに俺まで怒られる。

 出版社での待ち合わせに遅刻することを覚悟し、俺は穏やかな表情でただそこに立った。
 若者が暴れ出したらすぐに手を掴める位置だ。
 これだけ近ければ、彼らはおばちゃんに手を上げることが心理的にやりにくくなる。

 青年はさっきほどの勢いではなくなったけれど、目上の女性に対して文句言いまくりだ。
 原因はどうやら、電車内で喋る彼らをおばちゃんが注意したことであるらしい。
 その注意の仕方がヒステリックで、若者の逆鱗に触れてしまったのだそうだ。

 いやいやいやいや。
 おばちゃんの注意の仕方に問題があったとしても、悪いの君たちじゃないか?
 だって電車の中でうるさく喋ってたんでしょ?
 自分ら自覚ないだろうけど、世間ではそれを逆ギレって呼んでいます。

 などと、思ったことを口にしたら余計なトラブルに発展するのでやっぱり我慢。

 若者の口調はというと、今度はお説教モードだ。
 おばちゃんには悪いけど、面白い。
 第三者から見て悪いほうが説教してる。

「こう見えても俺、子供いるんだあ? 人の親やってんのね?」

 えーッ!?

 意外すぎる言葉に内心大いに驚く。

 じゃあなんでそんなに器ちっちゃいんですかーッ!?

 お子様の将来が非常に心配である。

 でもまあ、若者たちは気が済んだらしく、お行儀悪く唾を吐いてその場を去った。
 俺も急ぎの用だったので、改めて駅へと向かう。

 ここからはちょっといい話なんだけど、実はもう1名、このやり取りを見守っていた人物がいた。
 通行人の大学生らしき女の子だ。
 彼女は俺の視界の隅でおろおろし、「自分も輪に加わるべきじゃないか」と明らかに迷っていた。
 俺が弱そうだから逆にやっつけられやしないか、おばちゃんごとぶっ飛ばされてしまうのではないかと心配してくれていたことが伺える。

 女の子なのに凄い勇気だ。
 この日最もカッコよかったのは間違いなく彼女であった。
 俺と違って、彼女には武器がないのだ。
 にも関わらず、彼女は問題が解決するまでその場を後にはしなかった。
 くっそ。
 なんか悔しい。

 そうそう。
 喧嘩といえば、悪友のトメだ。
 今はすっかり落ち着いて優しげな顔つきになってはいるものの、彼は学生時代、クラスメイトの不良たちに一目置かれるぐらいに険しい表情をしていた。
 実際強いし、すぐに暴れる。

 中学の頃、彼は自転車同士が少しかすっただけでも大声を出した。

「いてーじゃねえかテメーらァー!」

 痛くない、痛くないよトメ。
 当たったのは自転車だよトメ。
 お前どんだけ気が短いんだ。

 俺がいなかったので、トメは自由に羽ばたき、3名の不良の人たちをやっつけてしまう。
 気づいた頃にはトメの足元で知らない人が3人で土下座をしていたのだそうだ。

 もう1度書こう。
 自転車同士がちょっとかすっただけだ。
 それなのにこれだ。
 頭が悪いのだろうか。

 そんな悪友が身近にいるものだから、日常からして気が抜けたものではない。

 高校に上がり、みんなで遊園地に行こうといった話になったときのことだ。
 友人宅で待ち合わせをし、面子が揃って出発。

 友人の家は団地で、階段を下りて外へと出る。
 そこで何かしらの気配をトメは感じたのだろう。
 彼は後ろを振り返り、空を見上げていた。

 釣られてトメの視線を追うと、団地の屋上からこちらを見下ろしている連中が。
 明らかに俺たちを威嚇しておいでだった。
 やることないのか他に。

 だいたいトメよ。
 背後からの視線に気づくって、どこのエスパーなんだお前は。

 こちらには女子も含めて計6名。
 屋上の方々のほうが見た感じ多人数で、しかも全員が戦闘要員みたいな面構えだ。

 トメさん、余計なことはやめてくださいね。

 彼にはそのように敬語でテレパシーを送っておいた。

 俺からの念を受け取ったと同時に、トメは天に叫ぶ。

「なんだテメーらァ! 中坊か!?」

 戦闘民族地球人だけを置いて、さっさと遊園地に行きたくなる。

 トメはおバカさんだから、何も考えてはいない。
 勝とうが負けようが、喧嘩になってしまった時点で遊園地を楽しむ空気ではなくなるではないか。
 もう既に女子たちがドン引きしていることに気づいていただきたい。

 屋上の皆さんもやる気満々で、トメからの「中坊か?」の問いに怒鳴り返してくる。

「ンなわきゃねーだろ!」

 ああもう。
 とってもたぎっていらっしゃる。

 さらに何事かを怒鳴り返すトメ。
 その背後に、俺はそっと立った。
 そのまま屋上に顔を向け、手を大きく振り、不良の皆さんに満面の笑みを見せる。
 トメに悟られぬよう、気配も完璧に消しておいた。

 このフレンドリー大作戦を目にし、屋上の彼らは「あれ? 敵意あっての質問じゃなかったんだ」と錯覚を起こしたようだ。
「どっか行くのかよー!?」と、さっきとは違ったトーンで語りかけてきた。
 どこか交友的な空気を察し、トメの声からも迫力が消える。

「あー! ちょっと遊園地にー!」
「そうかー! 気ィつけてなー!」
「おーう! 行ってくるー!」

 全く世話の焼ける奴である。

 喧嘩の止め方としてよく「やめて」の連呼を目にするけれど、それは逆効果にしかならない。
 言われた側は否定された気分にしかならず、さらにイライラさせてしまうだけだ。
 怒った理由をじっくり訊いたり、雰囲気によってはこんなセリフもアリだろう。

「ちょっと一旦待って! 少しだけ! OKOK! いくよ? ファイッ!」

 何気に俺が最も使う言葉がこれだったりする。
 この一言で当人たちは「他に人目があること」を思い出すのだ。
 喧嘩の機会なんてないに越したことはないけれど、もしそんな展開になりそうだったら早めに是非。
 オススメだ。

 ちなみに遊園地、楽しかったです。
 みんなも大事な喧嘩しか、しちゃダメよ。

拍手[4回]

2009
April 19
 普段からここのスペースを利用してちょっとしたフィクションストーリーを公開させていただいていますけれど、嬉しいことに俺なんかが作り出した登場人物に好感を覚えてくれる方々がいらっしゃいます。
 これは本当に恵まれた、ありがたいことなんですね。
 作品に登場する人物の9割以上は、自分自身がモデルになっているからです。

 うっそ。
 とか友人からよく言われるんですよ。
 性根が優しいキャラ、喧嘩っ早いキャラ、厳しい人も甘い人も気難しい人も、様々なキャラクターが登場するからなのでしょう。
 各キャラクターはもちろん、能力に差があれば主義思想も異なっています。
 でも全部モデルは俺なのさ。

 なんで「なのさ」とか言ってちょっとカッコつけてしまったのか自分でもよく解らないけど、取り合えず話を元に戻ことにします。

 人なんだから多面性があって当たり前で、俺はそんな自分の内面を1部クローズアップして人物像を創造しているわけなんですね。

 で、そのようにして作られたキャラクターだからこそ、読者様から好まれると、なんだか自分自身が好かれているかのような喜びがあるのです。
 実に幸せめいた勘違い。

 しかもぶっちゃけ俺は今まで産み出してきたキャラクターの人気投票といった自己満足企画をやりたいとさえ思っている始末。
 要約すれば「俺のどんなところが好き?」と訊ねるようなものです。
 さすがにエゴ加減がバレバレなので我慢したいんですけども、でも気になっているのも事実。
 ですので好きなキャラクターを今回はコメント欄にて記入していただければ、俺はとっても喜びますよ?
 いいんですか?
 コメントしなくて。
 お手数ですが俺は嬉しくなりたい人なのですよ。
 みんなが人気投票に乗ってくれたら、俺はとっても喜んじゃうんだけどなー。
 あははん。

 ちょっと冗談めかせてしまってすみません。

 こんなことをお願いするには、もちろん上記に記した以外の目的があります。
 番外編の一環として、俺は「出会うはずのないキャラクター同士のやり取り」を綴ることに決めたんですね。
 とある企画が持ち上がっていて、そのための記事を用意したいのです。
 そこで皆さんが喜んでくれるような取り合わせを訊ね、番外編に反映させたいと考えているんですね。

 そうそう。
 お詫びが遅れてしまって申し訳ありません。
 今回初めて当日記スペースをご覧になった初見の皆さん、「そんなのわかんねー」と思わせてしまってごめんなさい。
 いつもは初めて読んでも解るような日記や物語を意識しているのですが、今回は特別な感じになっています。
 どんまいの精神で許してください。

 というわけで、皆さん。
 是非に振るって「この人とあの人のコラボが見てみたい」といった要望をお寄せくださいませ。
 または「あのキャラが好き」といった単品を投稿してくださっても構いません。
 後日きちんと集計をし、上位に名が挙がったキャラクター同士を作品内で逢わせ、その様子を書かせていただきます。
 企画の性質上、ここでその記事をアップするわけにはいかないので恐縮ですが、必ず「ここに載せました」という案内を後日させていただきます。

 というわけでですね、また読んでみたい、逢いたいと思うキャラクター名を書き込んでやってくださいませ。
 記事のみではなく、今後のキャラクター設定にも活かさせていただきます。
 皆様の意識をリサーチすることで作品にも良い影響があると思います。

 何通りでも投稿可能としておきますので、気が向くままに声をお届けください。
 助けると思って、どうぞよろしくお願い致します。

 めさでした。

 どうしよう誰もコメントくれなかったら。

拍手[2回]

2009
April 18

 will【概要&目次】
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/207/

<巨大な蜂の巣の中で・2>

 とにかく多くの情報を、私は1度に得てしまった。
 そのだいたいが現実から離れているもので、鵜呑みにすることは簡単ではない。

 ソドム博士が人工的に自らの頭脳を覚醒させ、文明を破壊しようとしているだのという話は明らかに常軌を逸しているし、私のフィアンセが殺害されたなどという情報も認めたくはない。

 混乱からなのか眠りが浅く、私は夜勤の疲れを癒すことができないでいた。
 今は疲れた体を奮い立たせマイカーを走らせ、メリアのマンションに向かっている。
 ハイウェイは通勤ラッシュだったが、私の車は逆車線を行くので進み具合は上々だ。
 シティのビル群は今日も鮮やかに朝日を反射させていて、その明るさが逆に憂鬱な私をさらに滅入らせていた。

 助手席では、婚約者と全く変わらぬ姿を持ったアンドロイドが黒髪を耳にかける。
 その仕草までもが彼女と同じ動作で、やはりメリアの死が現実のものとは到底思うことができない。

「ねえ、君」

 緩やかなカーブを曲がりながら、私は前方を見たまま訊ねる。

「君とメリアの違いは、具体的にあるのだろうか。体の内部が機械であるということ以外に」

 するとアンドロイドは「そうですね」と暗い声を出す。

「外見や音声、仕草などは、メリアさんと私は共通しています。違うのは体重ですね。私のほうがメリアさんよりも重量があります。また、性交は可能ですが、私は身ごもることができません」

 私は聞くともなしに「そうか」と気のない返事をした。

 視界には日常が、つまり高度な文明の象徴ともいうべき摩天楼が広がっている。
 私の車はその間を縫うように、音もなく進んでゆく。
 この光景が無になってしまうことなど、私にはやはり想像もできない。

 マンション地下の駐車場に車を止め、私はアンドロイドを連れて正面玄関に回る。
 メリアの部屋にはここを通らねば行き着くことができない。
 セキュリティ解除のために合鍵を取り出す私を、彼女が静かに制した。

「必要ありません。私はメリアさんと同じなのです」

 言うが早いか彼女はドアの脇に取り付けられたセンサーに目を近づけ、網膜を認識させる。
 続けてパネルに人差し指を添え、指紋を認証させてしまった。
 音を立てずに内部へのドアが開く。

「そんなこともできるのか」
「ええ」

 彼女はその悲しげな目を伏せる。

「そうでなければ私がメリアさんに成り代わることができませんし、彼女を助けにここに駆けつけることもできません」

 少なくとも表層上だけは、彼女は細部に渡って完璧にメリアと同じ作りをしているということらしい。
 網膜や指紋まで同じとなると、いよいよ彼女のメカニズムは現代科学を超越している。
 いや、そもそもここまでスムーズに細かく速く人間と同じように動け、なおかつ複雑な会話まで可能である時点で技術力に関しては疑いないものなのだろう。

 ふと、背筋に鳥肌が立つ。

 彼女は記憶も性格もメリアと同じものを持つと言う。
 それまでが本物であったら、彼女はメリアそのものではないか。

 エレベーターで6階まで移動し、メリアの部屋の前へ。
 そこでも彼女は網膜と指紋を使って玄関を開けると、私を中へと招き入れた。
 やはりメリア本人にそうされるのと何も変わらない。
 雰囲気も、何もかも。

 メリアと同じ顔をしたアンドロイドは相変わらず悲しげな目をしているが、私の表情も似たようなものになっているのだろう。
 どちらも無言のままだった。

 靴のままダイニングを通り過ぎ、我々がリビングまで歩を進めると、センサーが人の気配を察知して明かりを点ける。
 テーブルと椅子が倒れていていること以外、室内は普段と変わらぬ様子だ。
 白い壁には花畑をモチーフにしたカレンダーが映し出されているし、薄いピンクのベットにはディホルメされたウサギのぬいぐるみが横たわっている。

「夕べ、私が駆けつける頃、既にメリアさんは」

 続けにくそうにアンドロイドは言う。

「デリートに分子分解されていました」
「遺体がないだけに、僕にはやはりメリアの死を信じられないよ」

 アンドロイドの言を信じるならば、身に着けていた物も含めてメリアの肉体は消滅している。
 これは錯覚の一種なのだろう。
 遺体はなく、代わりにこのアンドロイドがいるという現状は、ただでさえ納得のいかない親しい者の死を私に理解させない。

「当時は細胞を分解された際特有の甘い臭気がしていたのですが、換気されてしまったようですね」

 彼女には匂いを感じ取るセンサーまで備わっているようだ。
 言葉遣いが敬語ではなく、また彼女が自分の正体を打ち明けることをしなかったら、私はおそらく彼女がメリアではないことに気づかないだろう。

 見ていれば、彼女には感情もあるように思える。
 もしくは感情がある風に見えるよう、素振りをプログラムされている。
 機械やプログラミングに詳しいわけではないが、その技術にしても大変なものであることぐらいは解る。

 アンドロイドは相変わらず泣き出す寸前のような表情だ。

「メリアさんの死亡は証明できないことなのかも知れません」

 私はその言葉に「そうだな」と素直に頷いた。

 私はどうするべきなのだろうか。
 メリアが生きていると信じ、婚約者を探し出すべきか。
 アンドロイドの言葉を信じ、ソドム博士の野望を阻止する運動を起こすべきか。

 冷静に考えるならば、それは両方を同時進行させることがベストなのだろう。
 クリーム色のソファに私は腰を下ろし、タバコに火をつけると、そのままアンドロイドを見上げる。

「君は言っていたね」
「はい?」
「私に信じてもらうためなら、解体されても構わないと」

 すると彼女はうつむき加減に「はい」とか細く返事をする。

「いや、さすがに解体なんてこと、僕は望んでいないよ」
「はい」
「ただ、もう少し君自身の情報が欲しい。質問に答えてもらえるかな?」
「はい」
「ソドム博士が設けた君の存在理由なんだけど、それは患者を洗脳することだったね?」
「はい」
「どうやって洗脳を?」

 すると彼女は部屋の中央まで歩き、私のほうに振り返る。

「私には、メリアさんに成り済ます以外に、別の機能があります」
「ほう」
「アンドロイドには固有の機能と、共通する機能があるのです」
「それは、どんなものなんだい?」
「自爆し、自らを破片にしてしまうことがアンドロイドにとって共通する重要な機能です。身体の一部が欠損するようなダメージを負ってしまった場合など、自分の正体が知られてしまう場合などに発動させます」
「それはやめてほしいな」
「ええ。これは自分の意思でいつでもスイッチを入れることができるのですが、私はそんなことをする予定がありません。自ら正体を明かすほどですから」
「それを聞いて安心したよ。メリアの姿のまま目の前で爆発なんてされたら僕は発狂してしまうだろう」
「他には、アンドロイドは総じて高い戦闘能力を有しています。格闘能力はもちろん、様々な重火器の扱いにも長けています」
「それも僕には向けないでほしいね」
「もちろん、お約束します」
「他には?」
「あとは機体別に設けられた固有の機能ですね。デリートの場合は物質の分子分解がそれです」
「君にもそういった特殊能力が?」
「はい。私の眼球にはある仕掛けがあるのです」

 すると彼女はバックから携帯電話を取り出し、それをテーブルの上に置いた。

「この携帯電話は私の一部なんです。これと連動させて、私は立体映像を投影することが可能です」
「立体映像?」
「はい。今、お見せします」

 彼女はテーブルから数歩下がり、顔を携帯電話に向ける。
 直後、驚くべきことに空中にリンゴが出現した。
 リンゴはゆっくりと回転しながら大きくなったり縮んだりを繰り返している。

「これが立体映像だって!?」

 質感が現実的すぎる。
 偽物であると教えられていても、私にはこれが映像であると思えない。

 手を伸ばし、私はリンゴに触れてみる。
 何の感触も抵抗もなく、指先はリンゴの中に入ってしまった。

「驚いたな。ここまでリアルだとは」

 立体映像といえば比較的新しい技術で、まだ家庭には普及していない。
 映画館でしか採用されていないシステムのはずだった。
 以前メリアと何度か見に行ったことがあるが、あれは8方向から特殊な光線を放射することで実現できる幻だ。
 映像はどこか荒く、それが空間に投影されたものであると解る。
 しかしこのリンゴときたら、本物そのものではないか。

 彼女はリンゴから目を逸らさず、言う。
 リンゴは形と色を変え、レモンになって回転を始める。

「どんな物でも投影できます。私自身よりも大きな物を映すと映像が乱れてしまいますが」
「そこのケータイと君の目から映像を出現させているのだとしたら凄いな。たった2方向からの放射でここまで完成された立体映像とは」
「正確には3方向から光線を放っています。2つの眼球部分と、携帯電話型のオプションから」
「つまり立体映像は君と電話機の間にしか出現させられないと?」
「はい。これを悪用すれば脳に揺さぶりをかけるような映像も再現できます。音声は出せませんが、視覚から入る情報は人にとって膨大ですから」
「なるほど。患者にそういった効果のある映像を見せて洗脳を図ろうとしていたわけだね」
「そうです。あ、でも! レミットさんからの信用を得るために用いることはしません!」
「ああ、そうか。用心しなくてはならないかもな。でもそれを僕に伝えてくれたことに感謝するよ」

 しかし私は肩を落とす。
 彼女はやはりメリアではなく、アンドロイドなのだ。
 確実に私のフィアンセとは別物であることは認めなければならない。

 気落ちを悟られぬよう、私は話題を変える。

「君に訊きたいことが他にもあるんだ。ソドム博士の計画について。それを阻止するとしたら、我々はどんな行動を起こすべきだろう」
「それが」

 空中からレモンが消え、彼女は携帯電話をバックに戻す。

「実はこれといった考えあるわけではないのです。計画の細部までは、私には知らされていません」
「じゃあ、こうしてはどうかな」

 私はタバコを消し、立ち上がる。

「今後、どのようなことが起こるのかを調査すると同時に、ソドム博士、または博士が作った他のアンドロイドを見つけ出して情報を集める。情報が集まったら改めてその計画を阻止する手段が見えてくるだろう」
「ええ」
「ただ我々だけではとても調査なんてできそうもないな。人類飼育計画の阻止なんて持っての他だろう。ネットを使って情報収集するにも限界がありそうだ」
「ええ、私もそう思います」
「さて、どうしたものか」
「私の周りにもアンドロイドが紛れ込んでいるはずです。身近な人たちが人間であるか機械であるか、まずは調べたほうがいいかも知れません」
「僕のことは調べなくてもいいのかい?」
「はい。私はレミットさんにも気づかれることなくメリアさんを演じる予定でした。レミットさんがアンドロイドなら、そのような演技は必要ありませんから」

 彼女は再び瞳を潤ませ、くちびるを震わせる。
 どのような感情からなのか、彼女はとても悲しそうだ。

「仮にアンドロイドが特定された場合ですが、これは気をつけなくてはいけません。正体が知られたことを彼らが気づけば、アンドロイドたちは躊躇なく攻撃か自爆かをするでしょう」
「要するに本人に気づかれることなくスキャンをするとか質疑応答を試さなきゃいけないわけだ。難しいことだね」
「ええ。しかし私にも立体映像を映し出す機能があります。これが何かに有効利用できないかどうか、さらに検討してみます」

 彼女は言うと、その沈んだ表情を下に向ける。

 このときまだ、私は彼女の悲しげな瞳が持つ本当の理由に気づいてはいない。

<そこはもう街ではなく・3>に続く。
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/229/

拍手[2回]

2009
April 11
 友人と呼ぶには恐れ多いので、ここではいつも兄貴と表記させていただいている。
 彼のハンドルネームは悪魔王子。
 その名の効果で、チャットに入室した瞬間に荒らしと勘違いされ、いきなり強制退室させられたほどの男だ。
 兄貴、チャットしたかっただけなのに。

 そんな悪魔王子の兄貴だが、皆さん様々な想像を巡らせておられるようだ。
 俺のところにもたまに「悪魔王子さんって本当はどういう人なんですか?」といったお便りが届いたりしている。
 これにはどう返信しようか迷っているうちに頭がハゲてしまい、結局メールを返すことができなかった。
 冗談で返すか真面目に応えるかで悩んだのである。

 せっかくなのでこの場を借り、記事にすることで返信と代えさせていただきたい。

 真面目バージョン。
「確かに兄貴は柄が悪いですけれど、でも人相も悪いんです」

 冗談バージョン。
「兄貴はそこまで怖い犯人じゃないですよ。ごく一般的な普通の犯人です」

 どちらにせよ名誉棄損ものである。
 お返事してなくってよかった気がしないでもない。

 先日はというと、兄貴の日記に衝撃的な画像が公開されていた。
 ある女性が、兄貴の想像図をしたためたのだ。
 彼女は真面目に兄貴の姿を想像し、ペンを走らせ、それを画像に収めて兄貴に送ったのである。
 ここでポイントとなるのが、彼女が真面目に想像したという点だ。
 決してふざけて描いたのではない。

 俺はその絵を見た瞬間に言い様もない衝撃を受け、体が動かせなくなってしまった。
 せっかくなので皆さんにもご覧いただこう。
 真剣に描かれた兄貴の想像図だ。



兄貴の想像図



 めさーじゃねえよ。
 どこの人殺し?
 なんでターゲットが俺なのか。
 鬼才にもほどがある。

 いでたちはパンチパーマに貴族服。
 武器は、人に言えなさそうな何かで使用されたっぽい釘バット。
 デコメを駆使する大名ぐらい世界観が固まっていない。

 俺はこのような謎の2頭身をずっと兄貴と呼び、慕い続けていたのだろうか。

 でもまあ、マフィアに例えたりとか俺も色々書いちゃっているし、兄貴ご自身もブログで「完全犯罪は存在する」なんて背筋が凍りつくような恐ろしい記事をアップしたりもしているので、このような平成の妖怪をイメージされても仕方ないのかも知れぬ。

 さて。
 そんな兄貴は経営者としても数多くの実績を残しているのだが、この不況だ。
 人生を賭けた行動に出るのだと言う。

「俺は人を癒したい」

 俺は思わず耳を疑ってしまった。

 人を癒す!?
 兄貴がですか!?
 そんな釘バットで、どうやって!?

「整体」

 生態?
 そりゃ確かに兄貴は食物連鎖の上のほうに位置されていますけど。

 ところが、そんな軽口すら挟めないほどに、兄貴はマジでいらっしゃった。
 人知れず勉強をし、整体を学び、長い時間をかけて土台を築き上げたのだと言う。
 この大不況の中、新たな試みに足を踏み出すのは大変な勇気だ。
 よくぞ決断したものである。

 しかも兄貴はたった一言で俺の心までもを動かす。

「俺はやりたいことたくさんあるし、それは全部いつかやるけどさ、仕事としてはこの整体を人生最後の職業にしようと思ってる」

 俺が女だったらリップを塗り直し、濡れた瞳で兄貴を見つめてしまうところだ。

 電話越しに兄貴は言う。

「そこでさ、めさに頼みがあんのよ。察しはついてると思うんだけど」
「解ってますとも! 是非俺に宣伝させてください!」

 もしここで宣伝して、兄貴に少しでもお客さんがつくようなことがあれば、俺はお礼としてタダで癒してもらえるかも知れないではないか。

「出来る限りのことはします! どれだけ効果があるか解らないけど、俺に書かせてください!」

 男気ある兄貴のことだ。
 お礼の無料マッサージが高確率で期待できる。

「気合い入れて宣伝しますんで!」

 兄貴の性格からして、踏み出すからには確かな腕を確実に身に着けている。
 俺はそんな、マッサージ的なことをガッツリしてもらったりとか、そういうのがね、大好きなんですよ。

 でも待て。
 俺は横浜、兄貴は北海道だ。
 来てくれるというのなら俺は全然構わないってゆうか、是非来て欲しいところだけれど、ちょいと距離がありすぎる。

「あの、質問なんですけど、お店を出すんじゃなくて、兄貴が出張して来てくれる感じなんですよね? やっぱ札幌中心に活動するんですか?」
「俺はそう。でも仲間がしばらく関東に行くから、そっちでも仕事は受けられるよ」

 しゃー!
 さり気なく確かめたら兄貴のお友達もマジで整体の技術を習得したようだし、完璧だ!

 それと、兄貴もこの日記を間違いなく見てるはずだから、これも書いておかないと。

 兄貴一族による整体を俺が受けられるなんてことになったら、もうめちゃめちゃ面白い体験談が書けちゃうんだけどなあ。
 ああん、書けちゃう。

 これで良し。

 とここで、ちょっとした不安がよぎる。
 俺が整体を受けるとしたら、普通にマッサージをされるだけではネタ的に地味だ。
 それを懸念した兄貴が余計なスペシャルメニューを勝手に加えてしまうのではないか。
 兄貴は「ボキボキ鳴るようなマッサージじゃない」と言っておられたが、俺にはやるんじゃないだろうか。
 俺は俺で兄貴に気を遣い、ホントは痛いのに「癒されるっす、うー!」とか不思議なあえぎ声を出すのではないか。

 いやいや、俺をそんな目に遭わせたら記事は面白くなるけど、兄貴からしたら商売的に逆効果だ。
 したがって、それはない。
 ないと思う。
 なかったら嬉しいな。

 そんな不安をよそに、俺は再び鬼才の作品に巡り会う。
 例の女性が、整体師として奮闘する兄貴をイメージし、再び筆を取ったのだ。

 その絵を見れば見るほど、俺の中で大切な何かが壊れてゆく。

 せっかくなのでご紹介しよう。
 一生懸命に仕事する、悪魔王子の兄貴。
 働く男の姿である。



 
7e5af586.jpg


 


 







 正直に言おう。
 気持ちが悪い。

 だいたいなんで言語が「めさー」だけで通じ合えているのだ。
 会話の内容は何なのだ。

 兄貴のコスチュームが悪魔のそれから天使に変わっているところは「生まれ変わりたい」という兄貴の意気込みを表していると取れる。
 でも、だったらパーマも落としていただきたい。
 ルミノール反応ガンガン出そうな釘バットが足元に常備されてるし。

 心なしか気持ちよさそうにしている俺の表情が、なんか腹立つ。

 癒しと全く逆の効果が俺に現れてしまったので、話を元に戻そう。

 札幌近辺、または関東地区にお住まいの皆様。
 ちょっとしたスリルを求め、違う。
 ちょっとした癒しを求めている方を、兄貴が募集しています。

 キャラ的にはおマフィアな気配かも知れませんが、兄貴は熱い人です。
 涙もろく仁義を貫き通す、まるで昭和のヤクザのような、じゃなかった。
 間違えた。
 真摯な仕事をなさるお方ですので、マジでご安心ください。
 兄貴やお仲間の人柄は俺が保障します。

 ちなみに料金は3000円です。
 場所によっては交通費が加算されますけども、追加されるのはせいぜい1000円ほどだとのこと。
 極めてリバーシブルですね。

※リーズナブル。

 精神的な疲れは肉体的に回復を図れば効果倍増。
 お金がない俺がタダでマッサージを受けられるチャンスなのです。
 是非とも兄貴たちのお客さんになってあげてください。
 どうぞよろしくお願い致します。

 さて、宣伝は以上です。

 もし本当に俺がマッサージを受けさせてもらえることがあったら、後日そのことをリポートしますね。

 兄貴、見てますか?
 大事なことなのでもう1度。

 もし本当に俺がマッサージを受けさせてもらえることがあったら、後日そのことをリポートしますね。

 めさでした。

 兄貴への質問や依頼などのご連絡はこちらからのブログからどうぞ。
 http://ameblo.jp/prince-joe/

拍手[5回]

[30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40]
プロフィール
HN:
めさ
年齢:
49
性別:
男性
誕生日:
1976/01/11
職業:
悪魔
趣味:
アウトドア、料理、格闘技、文章作成、旅行。
自己紹介:
 画像は、自室の天井に設置されたコタツだ。
 友人よ。
 なんで人の留守中に忍び込んで、コタツの熱くなる部分だけを天井に設置して帰るの?

 俺様は悪魔だ。
 ニコニコ動画などに色んな動画を上げてるぜ。

 基本的に、日記のコメントやメールのお返事はできぬ。
 ざまを見よ!
 本当にごめんなさい。
 それでもいいのならコチラをクリックするとメールが送れるぜい。

 当ブログはリンクフリーだ。
 必要なものがあったら遠慮なく気軽に、どこにでも貼ってやって人類を堕落させるといい。
リンク1

Powered by Ninja.blog * TemplateDesign by TMP


Hit

Yicha.jp急上昇キーワード[?]

忍者ブログ[PR]