夢見町の史
Let’s どんまい!
September 25
「めささんって、官能小説だけ書いてないですよね」
「え!?」
ネット上にアップするしないにかかわらず、今まで色んなジャンルの文章を書いてはきたけれど、でも確かに、どエッチな内容には手を出したことがない。
恥ずかしいからだ。
どんな顔して書いたらいいのか解らない。
そもそも俺は、周りがエッチい話を始めた途端、無口な男に早変わりしてしまうほど、純情ぶっているのである。
それがいきなりお官能な小説などを書いてしまっては、今日まで培ってきた好感度が台無しだ。
「じゃあ、めささんに新しい日記のお題ね? エッチな小説」
「え!?」
さっきから俺は「え!?」しか言えてない。
マジで困っているのだ。
たまに日記で配信している創作物のだいたいは、ちょっとした企画のために、全て他者から出されたお題に沿って考案したものだったりする。
つまり、今度は官能小説を書かなければいけないというわけだ。
「まさか、めささんともあろうお方が、書けないとでも?」
「ばかじゃん! 書けるさ! 書けるに決まってるじゃんか!」
あーあ~。
言っちゃった。
夜中に1人、ブランコに腰かけたい気分だ。
どう表現しよう。
匿名で書こうか。
それでもなんか、俺のことだ。
赤面しそう。
恥ずかしがるなら最初から引き受けるなと、ついさっきの自分をぶってやりたい。
だいたい、ネット上でアップするのだ。
小学生の人の目に触れちゃうかもしれない。
匿名でめっちゃエロく書けたとしても、めさの作品だってどっかからバレちゃうかもしれない。
いや、恐れていては何も始まらぬ。
そうだ。
創意工夫をもって俺らしさを表現してみよう!
ここぞとばかりに、何でも書けるアピールをしておこう!
そもそも俺、ウブな坊やって歳じゃないし!
「ようし、やってやる!」
「ホントですか?」
「もちろんさ」
俺は胸を張る。
「文章ってのは、文字だけで読み手のインスピレーションを刺激するものだろ? 文字には匂いも風景もないし、音も聞こえさせない。それにもかかわらず、情景を浮かべさせる」
「ふむふむ」
「今回は、読み手の想像力に重点を置く。大人が読んだらエッチな感じだけど、子供の人が読んでも意味が解らんような、そんな仕掛けを施す!」
「へえ。どんな風に?」
こんな風に。
<めくるめくピンクな雰囲気になってください。読むのはそれからです>
服を着た女の人がいました。
でも、考えられないような驚愕のシチュエーションがあって、結果的には全裸です。
何が起こってそうなったかは、各自で想像してください。
あなたのツボを直撃する状況が好ましいです。
あと、男の人も近くにいます。
性的な意味で。
なんかもう、意欲満々です。
性的な意味で。
それでアレです。
詳しくはいえませんが、男の人がとっても頑張りました。
イエスッ!
おちょめちょめと、けっこうしつこく、色々やっておりますよ。
ひゃおう。
これは凄い。
とても口に出せない。
いや、どこに出すとか、そういうことは置いといて。
ああッ!
そないなことまでアレしますか。
これは作者泣かせです。
でね、もうね、べらぼうですよ。
人類繁栄しちゃう。
詳しくは各自、想像してください。
この好き者が。
さてさてと。
色々ありましたが、男の人は満ち足りた顔して「どないな感じだった?」的な質問をしています。
女の人は、「まずまずでした」って態度でした。
おしまい。
どう?
興奮ものだべ?
このスケベ!
「どこがですか、めささん。これ、読み手の想像力に重点を置くっていうより、読み手の想像力に丸投げしちゃってるじゃないですか」
一生懸命、頑張りました。
でもこれ、よくね?
読み手に想像力があればあるほど、完成度が勝手に高まっていくんだぜ?
「想像力がある人なら、こんな文に頼らないで妄想に励みますよ!」
そうやってすぐに正しいことを言うのは、お前の悪い癖じゃないですか?
「正しくて何が悪い! だいたい、こんな稚拙な文章を読んだのは初めてです!」
フッ!
よせよ。
「褒めてねえよ! なんでちょっと誇らしげなんですか!」
そう怒るなよー。
だいたい官能小説って、作者自身が興奮するぐらいの作品でないと駄目らしいぜ?
俺が書いたこんな文章で、俺が熱を上げると思うか?
なめんなよ?
「うわあ! 自分で書いておいて、全否定~」
とにかく俺には無理!
もう書かないからね!
俺はやる時はやるけど、やらない時は絶対にやらないんだ。
「こんな大人になりたくねえ」
俺も同感だ。
どんまいどんまい。
しっかし、こんなことなら「B'zの稲葉とジャッキー・チェンは不老不死」とか、オリジナル格言集でも書いておくんだったなあ。
それもでもまあ、どんまい!
でも、行為そのものの描写はとてもとても…。
たまにアップする創作物。
今回のやつも、そんな中の1つとして考えてはみました。
で、けっこう早く諦めました。
あはは。
得手不得手があるものですね。
次にいただくお題が、得意な分野でありますように。
でもめささん前おちょめなお店で働いてましたよね…
あたしも芸熊さんと同じことばきいたことあります☆゚+。
いろいろなジャンル頑張ってください(^皿^)
今日は中秋の名月ですね♪月見酒したいです…