夢見町の史
Let’s どんまい!
July 06
俺は基本的にモノマネが下手です。
ちょっとやってみましょうか?
「アユでぃす」
文字だからアレだけど、似てない感じだけは伝わったかと思います。
ちなみに今のは浜崎あゆみさんのつもり。
似てない似てないと思っていたけれど、やってみたら思いの他似ていませんでした。
そんな俺に唯一できるモノマネが、アニメキャラの声マネです。
天空の城ラピュタに登場するムスカ。
「流行りの服は嫌いですか?」
「どこに行こうというのかね!?」
「バカどもには丁度いい目くらましだ」
「私にも古い名前があってね。私の名は、ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ!」
「ひざまずけ! 命乞いをしろ!」
「あーっはっはっは! 人がゴミのようだァ!」
文字だから伝わらないと思うんですけど、似てるんです。
人でなしの感じが凄くよく出てる。
他にも、ルパン三世カリオストロの城より。
ジョドーと伯爵に関しては、2人のやり取りを1人で再現することが可能です。
「ジョドー。その背中の紙はなんだ?」
「こ、これは! いつの間に! …ルパンからの予告状です」
「読め」
「し、しかし」
「構わん」
「…色と欲の伯爵殿。花嫁をいただきに参ります。近日参上、ルパン三世」
似てるんです。
自分で言うのもなんだけど、結構いい感じで悪そうな気配が出せているんです。
何度も見てる大好きな映画だからセリフとかも結構頭に入っていますし。
思えば中学の頃から友人に言われ続けてきました。
「めさは悪役のマネだけ上手い」
これは喜んでいいことなのでしょうか?
でも、考えてみると俺、悪者が大好きなんですよね。
特に普段敬語を使ってる悪者なんかめっちゃツボです。
ああいうスーツ着たスカした悪者って、とんでもなく人の道から外れてるじゃないですか。
相当調子乗って散々悪いことやっちゃうじゃないですか。
でもやられるとき、
「た、頼む! 命だけは! 金だったらいくらでも払う! そうだ! お前に副社長の座を用意しよう! だから命だけは! あー!」
死に様が見苦しいとこなんかホント大好きです。
ヒロインの人とかさらった後も、
「お嬢さん。私は乱暴が嫌いでね。あまり野蛮なことはしたくないんですけどねえ」
とか言ってるじゃないですか。
「あなたのような美しい女性を傷つけるのは気が引ける。ですから、奴の居場所を教えてもらえませんか? その綺麗な顔を傷つけられたくなかったらね」
もーホント最悪。
たまりません。
で、ヒロインの人も強気だから、
「この、ヅラ野郎!」
悪者の顔にツバとか吐くわけですよ。
「きぃえええええぃ!」
すぐキレる悪者。
「この、クソアマがァ!」
バシッ!
縛られている人には強い悪者。
ヒロインの人に平手打ちとかしちゃいます。
器がめっちゃちっちゃい。
たまりません。
「はあ、はあ」
平手1発で息が切れてる悪者。
体力なさすぎ。
興奮しすぎ。
ホントたまりません。
大好きすぎる。
こういった悪者はヅラの位置を元に戻しながら「連れて行け!」などと偉そうに部下に命じるのです。
はっきりいって、もし俺が声優の体験なんてさせてもらえることがあったら、是非この手の悪い人をやってみたいです。
まず間違いなく俺はノリノリになるでしょう。
「俺の靴を舐めろ」
「いくらだ? 金ならいくらでもやろう。ほら、拾え」
「あっはっは! よくここまで来れましたねえ。褒めてあげますよ! まさかお仲間のためにこんなところにやって来るとはね。全くお涙モノですよ! …おまけに、反吐も出ますがね!」
「解った! 話し合おう! 私だって悪気があってやったわけじゃないんだよ! お願いだ! 頼むから私の話を! ふはは! かかったな! これでも喰らえ!」
「やだなー。今のはほんの冗談じゃないですかー。とっくに改心してますって。ねえ? 解るでしょ? ホントすんませんでしたー!」
「フン! バカが! こんな芝居に乗せられるほどお人好しとはな! 奴ら、このアジトがもうじき爆発するとは思うまい」
「ンな! バカな! ハッチが開かん! もう爆発が! うわああああ!」
楽しそうで何より。
でも、できれば正義の味方の声マネもできるようになりたいです。
めさでした。
「ここは俺に任せろ! お前らみんな先に行け! なあに、すぐに追いついてみせるさ」
ダメだ、しっくりこない。