夢見町の史
Let’s どんまい!
2008
July 18
July 18
「今日はなんだか、家に帰りたくないなあ」
意を決した乙女が発するOKサインとしか思えないこの言葉を、俺は最近よく耳にする。
いや、よく耳にするどころではない。
1日に1回は必ず聞くし、多い場合だと短時間で3回といった大盤振る舞いだ。
ところが俺は、毎回決まって1人で帰宅する。
ここ最近、うちに勝手に住み込んでいる輩がいるのだ。
そいつには、出来れば人生レベルで会いたくないし、人に会わせるのも嫌だ。
自宅のセキュリティは確かに甘いけれど、だからって勝手に住み着くか?
追い出そうにも、怖くて実力行使に出られない。
逆ギレして戦えば勝てる相手ではあるが、怪我をされても困る。
先日は敬語になって、恐る恐る提案してみたものだ。
「あの、恐れ入りますが、ここはその、俺の家だったりするんですよね。なので、その、できれば他に行っていただけないかなあ、なんてね! えへへ」
8本足の同居人は、極限まで腰を低くしている俺を鮮やかにシカトした。
クモという響きからして既に怖いので、俺はこの虫のことをアイリーンと呼んでいる。
この文章を綴っている今も、彼女はこの部屋のどこかに存在していて、尻からわけの解らない糸を出しているに決まっているのだ。
想像するだけで恐ろしい。
そもそも尻から糸って何だ。
何で構成されているのだ、その糸は。
木綿か?
今回のアイリーンは困ったことに、直径が4センチ程度。
俺をショック死させるのに充分なサイズだ。
神様はどうしてこのようなゾイドみたいな生物を創られたのだろうか。
ちゃぶ台の下で安心して足を伸ばすこともできない。
アイリーンがうっかり俺の足などに触れてみろ。
舌噛んで死ぬぞ。
もしくは爆発する。
だいたい今、奴はどこに潜伏しているのだ。
最後に見たのは本棚の裏に、凄まじいスピードで隠れる姿だ。
何か変なものを産んではいないだろうな。
怖いので確認はしていない。
そもそも奴は1人なのか?
まさか大家族で引っ越してきてはいないだろうな?
お前は遊牧民か。
仮に奴が単独ではないとすると、俺が見たのは実は1番下っ端のアイリーンで、もっと巨大な真のアイリーンが他に控えているのではないか。
勝てる気がしない。
友人から殺虫剤を使ってはどうかとのアドバイスも受けたが、そんなことをしたら駄目である。
アイリーンは害虫ではないのだ。
むしろ害虫を食す、人間の味方なのである。
それがどうして、あのデザインなのよ。
UFOキャッチャーに入っていても違和感のない姿に進化していてほしかった。
マスコットキャラみたいな恰好で、声優さん顔負けの可愛い声を出せるようになっていてほしかった。
「ぼくはアイリーン! 困った虫は、ぼくが食べちゃうからね! 安心して暮らしてね!」
だったら育ててもいい。
それが本物のアイリーンときたらどうだ。
手の平サイズのモンスターではないか。
「我が輩はアイリーン。諸君らが嫌悪する害虫どもは、我が輩が消化液で動きを止め、じわりじわりと喰い尽くしてくれようぞ。頭からもしゃもしゃとな! 安心して暮らすが良い」
安心なんてできるか。
まさかこんなにグロテスクなセリフを日記に書く日が来るとは思わなかった。
お食事中の皆さん、すみません。
それにしても、この落ち着かない気分はどうだ。
こうしている今も、アイリーンは可愛くないほうの姿で、俺の背後をちょこまかとしているかも知れないのだ。
そう考えると、今度は怖くて振り返ることができない。
こんな家、もう嫌。
これから仕事で家を後にするけれど、やはり帰ってくるのが億劫になるだろう。
それで俺は、いつもの言葉を口にするのだ。
「今日はなんだか、家に帰りたくないなあ」
意を決した乙女が発するOKサインとしか思えないこの言葉を、俺は最近よく耳にする。
いや、よく耳にするどころではない。
1日に1回は必ず聞くし、多い場合だと短時間で3回といった大盤振る舞いだ。
ところが俺は、毎回決まって1人で帰宅する。
ここ最近、うちに勝手に住み込んでいる輩がいるのだ。
そいつには、出来れば人生レベルで会いたくないし、人に会わせるのも嫌だ。
自宅のセキュリティは確かに甘いけれど、だからって勝手に住み着くか?
追い出そうにも、怖くて実力行使に出られない。
逆ギレして戦えば勝てる相手ではあるが、怪我をされても困る。
先日は敬語になって、恐る恐る提案してみたものだ。
「あの、恐れ入りますが、ここはその、俺の家だったりするんですよね。なので、その、できれば他に行っていただけないかなあ、なんてね! えへへ」
8本足の同居人は、極限まで腰を低くしている俺を鮮やかにシカトした。
クモという響きからして既に怖いので、俺はこの虫のことをアイリーンと呼んでいる。
この文章を綴っている今も、彼女はこの部屋のどこかに存在していて、尻からわけの解らない糸を出しているに決まっているのだ。
想像するだけで恐ろしい。
そもそも尻から糸って何だ。
何で構成されているのだ、その糸は。
木綿か?
今回のアイリーンは困ったことに、直径が4センチ程度。
俺をショック死させるのに充分なサイズだ。
神様はどうしてこのようなゾイドみたいな生物を創られたのだろうか。
ちゃぶ台の下で安心して足を伸ばすこともできない。
アイリーンがうっかり俺の足などに触れてみろ。
舌噛んで死ぬぞ。
もしくは爆発する。
だいたい今、奴はどこに潜伏しているのだ。
最後に見たのは本棚の裏に、凄まじいスピードで隠れる姿だ。
何か変なものを産んではいないだろうな。
怖いので確認はしていない。
そもそも奴は1人なのか?
まさか大家族で引っ越してきてはいないだろうな?
お前は遊牧民か。
仮に奴が単独ではないとすると、俺が見たのは実は1番下っ端のアイリーンで、もっと巨大な真のアイリーンが他に控えているのではないか。
勝てる気がしない。
友人から殺虫剤を使ってはどうかとのアドバイスも受けたが、そんなことをしたら駄目である。
アイリーンは害虫ではないのだ。
むしろ害虫を食す、人間の味方なのである。
それがどうして、あのデザインなのよ。
UFOキャッチャーに入っていても違和感のない姿に進化していてほしかった。
マスコットキャラみたいな恰好で、声優さん顔負けの可愛い声を出せるようになっていてほしかった。
「ぼくはアイリーン! 困った虫は、ぼくが食べちゃうからね! 安心して暮らしてね!」
だったら育ててもいい。
それが本物のアイリーンときたらどうだ。
手の平サイズのモンスターではないか。
「我が輩はアイリーン。諸君らが嫌悪する害虫どもは、我が輩が消化液で動きを止め、じわりじわりと喰い尽くしてくれようぞ。頭からもしゃもしゃとな! 安心して暮らすが良い」
安心なんてできるか。
まさかこんなにグロテスクなセリフを日記に書く日が来るとは思わなかった。
お食事中の皆さん、すみません。
それにしても、この落ち着かない気分はどうだ。
こうしている今も、アイリーンは可愛くないほうの姿で、俺の背後をちょこまかとしているかも知れないのだ。
そう考えると、今度は怖くて振り返ることができない。
こんな家、もう嫌。
これから仕事で家を後にするけれど、やはり帰ってくるのが億劫になるだろう。
それで俺は、いつもの言葉を口にするのだ。
「今日はなんだか、家に帰りたくないなあ」
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無題
アイリーン、私の世界一嫌いな虫ケラです。
なんなんでしょうね、
あの生理的に受け付けない姿形に走り方
気がつけばミニマムなアイリーンがバイクやヘルメットに糸だしまくってるし
お腹が柔らかいという無駄な愛嬌までありやがって
しかもアースジェットは効かないし…!
あ、でも泡系の洗剤は効きますよ(ガラス拭き用洗剤とか、カビキラーも多分大丈夫です)
なんなんでしょうね、
あの生理的に受け付けない姿形に走り方
気がつけばミニマムなアイリーンがバイクやヘルメットに糸だしまくってるし
お腹が柔らかいという無駄な愛嬌までありやがって
しかもアースジェットは効かないし…!
あ、でも泡系の洗剤は効きますよ(ガラス拭き用洗剤とか、カビキラーも多分大丈夫です)
我が家には
おそらく、そのアイリーンは糸を吐かないタイプでは?
だとすれば、残念ながら、一族で住み着いている可能性があります
もしかしたら、めしんよりも前から、今の家に住んでいたかも知れません
私は基本的に、如何なるアイリーンであろうと擁護します
小さなアイリーンなら、捕まえて安全な場所に逃がしてあげますし、立派なアイリーンには、道を譲ります
何故なら、アイリーンより凶悪なフォルムのクリーチャーが、我が家に出没するからです
つい先日も、あの『G』が出現しました。天井に
久しぶりに見ましたよ。ヤツの飛行シーンを
更に、正体不明のクリーチャーも現れます
細く長い足が数十本もあり、体は細長くて黒か深緑、全長は4~5センチ
過去に三度遭遇し、辛くも撃退しました
奴らに比べれば、アイリーンは非常に良識派です
だとすれば、残念ながら、一族で住み着いている可能性があります
もしかしたら、めしんよりも前から、今の家に住んでいたかも知れません
私は基本的に、如何なるアイリーンであろうと擁護します
小さなアイリーンなら、捕まえて安全な場所に逃がしてあげますし、立派なアイリーンには、道を譲ります
何故なら、アイリーンより凶悪なフォルムのクリーチャーが、我が家に出没するからです
つい先日も、あの『G』が出現しました。天井に
久しぶりに見ましたよ。ヤツの飛行シーンを
更に、正体不明のクリーチャーも現れます
細く長い足が数十本もあり、体は細長くて黒か深緑、全長は4~5センチ
過去に三度遭遇し、辛くも撃退しました
奴らに比べれば、アイリーンは非常に良識派です
蜘蛛ですか
いいですね、蜘蛛
自分蚊を引き付ける体質なもので、彼らの働きが無ければ今頃どうなっていたか。
それはそうと、今現在自室の天井裏にコウモリが住み着いています。一度どっから侵入したか、部屋の中を元気に飛び回ってました。
蜂も良く出没します。
なんだこの部屋…
自分蚊を引き付ける体質なもので、彼らの働きが無ければ今頃どうなっていたか。
それはそうと、今現在自室の天井裏にコウモリが住み着いています。一度どっから侵入したか、部屋の中を元気に飛び回ってました。
蜂も良く出没します。
なんだこの部屋…
初コメ
三・四年ロムってましたが、意を決して初コメです
僕はアイリーンはだいたい大丈夫ですけど、Gは絶対ダメですねf^_^;
あと話の初めの方見たらこの話ラムさんのお話かと思っちゃいました
ラムさんのお話も機会があれば是非またお願いしますね
僕はアイリーンはだいたい大丈夫ですけど、Gは絶対ダメですねf^_^;
あと話の初めの方見たらこの話ラムさんのお話かと思っちゃいました
ラムさんのお話も機会があれば是非またお願いしますね