夢見町の史
Let’s どんまい!
2011
December 28
December 28
第1話・再会
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/457/
第2話・募る想い
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/458/
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「もしもし? あの、あたし近藤くんと同じクラスの畑中っていいます」
「あ、さっちゃん? 僕だよ」
この僕の返しに、妹がやたらと表情を輝かせた。
一体誰に似たのか、妹は好奇心いっぱいに僕の持つ受話器に耳をくっつけようと頬を寄せてくる。
聞き耳を立てられているとも知らず、さっちゃんが言った。
「あ、近藤くん? 今、電話、平気だった?」
「もちろん! あ、ちょっと待ってて」
しっしと妹を追っ払おうとしたけれど、こいつはどうにもしつこく、そばを離れようとしない。
さっちゃんとの会話を聞かれたくないから僕が部屋の隅まで避難したいところだけど、電話のコードが長くないからそれもできない。
仕方ない。
落ち着かないけど、妹を振り切ることは諦めよう。
「あ、ごめんね、さっちゃん。もう大丈夫」
「あ、うん。突然なんだけどね? 近藤くん、今日って何か予定ある?」
「え? 今日? 今からってこと?」
「うん。優子ちゃんや春樹くんと一緒に、うちで勉強会しようってことになって…」
「さっちゃん家で!?」
「うん。狭いアパートだけど、もしよかったら」
さっちゃんの家に遊びに、いや。
勉強しに行けるだって!?
高まる鼓動を抑え、僕は極めて自然体を装う。
「いやあ! 奇遇だなあ! 僕も今から猛勉強しようと思ってたんだよ! でも僕、集中力が続かないからなあ! 丁度誰かと一緒に勉強できたらなあーって思っていたんだよ! いや実にタイミングがいい!」
「本当?」
受話器の向こうで、さっちゃんが嬉しそうな声を出した。
「じゃあ、これから4人でお勉強、しよ」
「しますとも!」
満面の笑みを浮かべながら、「じゃあ後ほど!」と約束をし、受話器を置く。
「はあ~」
突然舞い降りた幸運に、ついだらしなく口元が緩む。
力強くほっぺたをつねってみた。
「痛い…。夢じゃない…」
「ねえねえ! お兄ちゃん!」
妹が僕を揺さぶる。
「今の人って誰!? お兄ちゃんの彼女!?」
「ち、違うよ!」
「海に一緒に行った人でしょ!?」
「いや、そ、そうだけどさ」
「今からデート!?」
「バ…! なに言ってんだ! さっちゃんとはそんな仲じゃ…!」
「ふうん。さっちゃんていうんだ?」
「う、うるさいな!」
妹を振り切り、自分の部屋に足を向ける。
「に、兄ちゃんこれから勉強会なんだ! そんな浮かれていられないよ!」
教科書や参考書、ノートに筆記用具を鞄に詰め込む。
せかせかと足早に玄関を開け、僕は制服姿のまま飛び出した。
「きゃ」
「あ、ごめんなさい!」
うちは玄関前がそれほど広くないアパートだ。
家を出た瞬間、隣に住むお姉さんとぶつかってしまった。
「ンもう」
どこか色っぽく、お姉さんが茶色い髪を耳にかける。
「気をつけなさい? ボウヤ」
「は、はい! す、すみません!」
このお姉さん、いっつも薄着だし、胸元とか太ももとか、肌を露出させる服ばかりを着ている。
目のやり場に、実に困る。
「ンフフ。これからデート?」
「い、いえ、そういうわけじゃ…!」
「照れちゃって、可愛い」
「そ、そんな! か、からかわないでください!」
僕は鞄を背負い直し、「失礼します!」と慌ててアパートを飛び出した。
------------------------------
「そ、そうだ! 近藤くんが来る前に、ベスを隠さなきゃ!」
3歳の頃、なおくんから貰ったクマのぬいぐるみ。
すっかりくたびれてしまった宝物を、あたしは顔の高さまで掲げる。
「ごめんね、ベス。ちょっと押入れに隠れてて」
もし近藤くんにベスを見られたら、あたしが幼馴染だったと気づかれてしまうだろう。
あたしが昔の婚約者だったってことを解ってもらいたい気持ちと、今はまだ隠しておきたいという照れ。
しばらくは恥じらいの感情のほうが先立ちそうだ。
フスマを開け、畳まれた布団の上にそっとベスを寝かせた。
友人たちを招き入れる。
あたしの部屋は一気に賑やかになって、とても勉強をしているような雰囲気ではない。
「ちょっと春樹、あたしの消しゴム勝手に持っていかないでよ」
「いいだろ? 少しぐらい貸せよ」
「少しぐらいって、あんたすぐ無くすじゃない。ホントだらしないんだから」
「なんだと!?」
「なによ!?」
優子ちゃんと春樹くんの微笑ましいやり取りを見て、あたしと近藤くんは目を合わせると、お互い少し肩をすぼめた。
いつものことながら、2人のケンカはさらにエスカレートしてゆく。
「だいたい佐伯! お前だって人のこと言えねえじゃねえか!」
「なんでよ!?」
「俺の部屋でテレビのチャンネル変えようとして、一生懸命電話の子機をテレビに向けてたクセによ!」
「ちょ…! そ、それは関係ないでしょ今!?」
「あれえ? テレビが反応しなーい! このリモコン電池切れてるよ春樹ー?」
「う、うるさいわね!」
「新しい電池どこー?」
「もー! やめてよ!」
「きゃ! いきなり着信音があ! これ、電話の子機じゃなーい!」
「い、いい加減にしなさいッ!」
優子ちゃんの鉄拳が炸裂する。
春樹くんは「ぐあッ」と悲痛な叫びを上げ、吹っ飛ばされた。
押入れに激突し、フスマが外れる。
「あ!」
と、思わず叫ぶ。
衝撃でベスが落ち、春樹くんの頭の上にストンと乗った。
「なんだこりゃ」
「あ、あの…!」
あたしはあたふたとベスを取り上げ、それを抱きしめたままみんなに背を向ける。
そのまま部屋を飛び出して、ベスを台所に隠した。
戻ると、3人とも頭上にクエスチョンマークを浮かべている。
あたしは「あはは」と指をもじもじさせ、「じゃ、勉強の続きしよっか?」と強引に誤魔化す。
…という一連の出来事をハガキに書いて、あたしはベットにごろりと横たわった。
このハガキはあとでポストに投函しておこう。
「あなたに降りかかった面白ハプニング」のコーナーに採用されるかなあ。
あたしは仰向けのまま、ベスを両手で持ち上げる。
すっかりくたびれた子グマのつぶらな瞳が、あたしを見つめた。
「ねえベス? 近藤くんに、ベスのこと見られちゃったかなあ? どうしよう。あたしが幼馴染のさっちゃんだって、気づかれちゃったかなあ? べスー、どうしよ~。近藤くん、今頃どんなこと考えてのかなあ?」
------------------------------
「はっくしょん!」
誰か僕の噂でもしているのか、帰り道で大きなクシャミが出た。
鼻をすすって、僕は遠い遠い昔を回想をする。
「さっちゃん、これ! プレゼント! 大事にしてね」
「なおくん…」
「また逢えるよね? それまで寂しいと思って、ぬいぐるみ」
「なおくん! 大好きだよ! また逢おうね! 絶対絶対逢おうね!」
「うん! 待ってるよ! 元気でね! …元気でね、さっちゃん!」
さっちゃんの部屋で見たあのクマのぬいぐるみは、僕が幼馴染に贈った物にとてもよく似ていた。
いや、似ていたどころか、同じ物だったように思う。
十数年経ったかのような、あの古びた感じ。
幼馴染のさっちゃんは引越しをして行ったけど、もしかして戻ってきていたのではないだろうか。
こっちのさっちゃん、畑中早苗さんは去年転校してきたって言っていたし、もしかして同一人物なんじゃ…?
アパートの階段を登る。
もうすぐ家だ。
「早苗の『さ』は、さっちゃんの『さ』、か…」
ぶつぶつとつぶやいていると、突然目の前が真っ暗になって、柔らかい感触が顔を覆った。
「あら」
女の人の声だ。
びっくりして身を引くと、またしてもお隣さんだった。
お姉さんの胸に、僕は顔からぶつかってしまったらしい。
「す、すみません!」
「フフ」
お姉さんが口元のホクロをわずかに吊り上げる。
「また何か考え事してたの? ダメよ? ちゃんと前を見ないと」
「あ、はい、すみませんでした!」
「あらあら。堅くなっちゃって、緊張してるのかしら?」
「いえ! そんなことは…!」
「フフ。ブレザーのネクタイ、ズレてるわよ?」
「え、あ…」
「お姉さんが直して、あ、げ、る」
お姉さんが僕の首元に両手を添え、少しかがむ。
僕はドギマギと気を付けの姿勢になり、固まった。
------------------------------
あたしは1冊のノートを手に、公園で花を摘んだ。
いつか生徒手帳を届けに行ったことがあるから、近藤くんの家がどこにあるのかは解る。
ただ、つい今しがたベスを見られてしまったせいで、逢いに行きたくても抵抗があった。
さっきの勉強会で、近藤くんが忘れていったノート。
学校で渡してもいいんだけど、せっかくの逢うチャンスだ。
この機会を無駄にしたくない気持ちもあった。
あたしは花びらを1枚1枚引き抜いてゆく。
「ノートを届けに行く、行かない、行く、行かない…」
こうしてあたしは今、近藤くんのアパートの前に立っている。
心の中で呪文のように唱えた。
「さっきのベスを見て、近藤くんが何か思い出してしまったかどうかだって、逢って反応を見たら解るでしょ? 勇気出せ、早苗!」
階段を登る。
そこで、あたしはこの世で最も見てはいけないものを見たような心地がした。
直立不動でこちらに背中を向けている近藤くん。
その正面に年上らしい女の人がかがんでいて、近藤くんに顔を寄せている。
顔を話すと彼女は「ちゃんとしなきゃダメよ」などと言った。
まさか、キス、してたの…?
あたしはすっかり動揺してしまって、ノートを落とし、その場を走り去る。
「あ、さっちゃん!」
背後から、近藤くんの声が聞こえた。
りんりんりん。
夜になって、あたしの家の電話は何度も鳴る。
「もしもし、さっちゃん!? 僕だよ! 話を聞いて!」
「知らない!」
あたしはその都度電話を切って、そして泣いた。
近藤くんに恋人がいたなんて…。
脳裏には、口づけを交わすさっきの光景が繰り返し映し出されている。
思い出したくないのに…。
りんりんりん。
再び着信を知らせるベル。
あたしは苛立って、乱暴に受話器を取った。
「しつこいわね! 知らないって言ってるでしょ!?」
「ん? 何を知らないんだ?」
近藤くんじゃない声に一瞬にして顔が青くなった。
「や、安田先生!?」
「おう。畑中か?」
「は、はい! すみませんすみません!」
うちの担任の先生だった。
「悪いな突然。今、電話平気か?」
「は、はい! 大丈夫です!」
「そうか。いきなりで悪いんだがな、畑中、次の日曜、なんか予定あるか?」
「え? 日曜、ですか?」
「ああ。先生サッカー部の顧問やってるだろ?」
「はい」
「今度の日曜、3年生の引退試合なんだ。なんだが、マネージャーが1人来られなくなってな。お前、うちの部の近藤や春樹なんかとも仲いいだろう? もし空いてたら是非手伝ってほしいと思ってな。どうだ?」
「3年生の、引退試合、ですか…」
近藤くんの顔が。
さっきのキスシーンが再び浮かんで、胸がズキンと痛む。
「どうした? どこか具合が悪いのか?」
「いえ、そういうわけじゃ…」
「先生、最近何かと悩みを打ち明けられる機会が多くってなあ~」
受話器の向こうで、先生が微笑んだような気がした。
「畑中。あまり自分の中だけに溜め込むなよ? 誰かに打ち明けるだけでも、ずいぶん気が楽になるもんだ。先生でもよかったら、いつでも待ってるからな」
とても優しいその声に、あたしはついに泣き出して、受話器をぎゅっと強く握り込む。
------------------------------
日曜日。
そわそわと、僕はさっちゃんの家の前で待つ。
どうにかして誤解を解かないと。
先日かかってきた先生からの電話のおかげで僕はチャンスを得ていて、それで今ここにいる。
「引退試合の日、急遽畑中にマネージャーを頼んだんだ。近藤お前、悪いんだが、日曜、畑中を迎えに行ってくれないか?」
ようし、今日こそ話を聞いてもらうぞ!
そして、好きだって気持ちを伝えよう。
こないだ気づいたんだ。
やっぱりさっちゃんは、3歳の頃に婚約をした運命の人だった。
そのことが解ったおかげで、僕は自分の気持ちを知ることもできたんだ。
僕はゴクリと喉を鳴らした。
まず、なんて切り出そう?
「やあさっちゃん! おはよう! さ、行こっか!」
そんなのダメだ、軽すぎる。
「本日はマネージャーを引き受けてくださり、誠にありがとうございます。さ、参りましょう」
ダメダメ!
時代劇じゃないんだから!
「ごめんね、今日はよろしくお願いね? 悪いね、日曜に。ホントすみません」
卑屈すぎる。
「難しいなあ」
「…なにが難しいの?」
「うわおう! さっちゃん!?」
いつの間にか後ろにさっちゃんが立っていて、僕は小さく飛び上がった。
「お、おはよう!」
声をかけるがしかし、さっちゃんは何も返してはくれず、下を向いて黙ったままだ。
「い、行こうか」
試合会場までそのまま、僕らは言葉を交わすことはなかった。
このままじゃダメだ。
ユニホームに着替え、もうすぐキックオフ。
僕はさっちゃんをグラウンドの隅へと連れ出す。
「お願い! こっち来て!」
「…なあに?」
「お願いがあるんだ」
「…どんな?」
「僕の話を、ちゃんと聞いてほしい」
しかしさっちゃんは返事をしない。
構わず、僕は続けた。
「約束して? この試合に勝ったら、僕の話を聞いてくれる、って。その、大事な話だから」
さっちゃんからの返事を待たず、僕は踵を返し、グラウンドへと向かった。
------------------------------
試合開始を告げるホイッスルが鳴り響く。
相手チームは強かった。
春樹くんの調子も良くないみたいだし、全体的にペースが掴めていないように、あたしには見えた。
近藤くんは、大事な話があるって言っていた。
良い知らせなのか悪い知らせなのか全く解らなくて、あたしはもやもやと落ち着かない気分のままだ。
後半戦になると、相手チームの猛攻が始まる。
それまで0対0だったのが、先取点を取られてしまった。
このまま時間が来て試合が終わってしまったら、近藤くんはあたしに「大事な話」をしてくれないのだろうか。
ぎゅっと強く、あたしは手を合せ、組んだ。
お願い!
勝って!
近藤くん!
------------------------------
ピーとホイッスルの音がして、試合が終わる。
僕は「ふう」と大きく息を吐いた。
結果は、0対1。
完敗だ。
整列し、お互いに一礼を交わして、控え室で安田先生からの叱咤激励を受けて、僕ら3年生は無事、引退を果たした。
「はあ…」
我ながら溜め息が深い。
さっちゃんへの想いを伝えることは、どうやらもうできないようだ。
ここ最近ずっとそっけないままだった彼女はきっと、もう以前のような笑顔を僕に向けてはくれないだろう。
せめて試合にさえ勝っていれば…。
いや、過ぎたことだ。
いっそすっぱり諦めよう。
控え室で着替え終え、僕はさり気なく部員たちと離れて、とぼとぼと家路を歩き出す。
空は曇っていて、今にも泣き出しそうだ。
「はあ…」
何度目かになる溜め息を、僕はまたついた。
つん。
と、肘あたりの袖を後ろから引っ張られる。
「え?」
振り返ると、僕は目を大きく見開いた。
「さっちゃん…!?」
「その…、試合には負けちゃったけど、大事な話って、なんなのか気になっちゃって…」
さっちゃんはうつむいたまま、小声でそう言った。
突然の展開に、僕はゴクリと息を飲み込む。
これは、神様がくれた最後のチャンスだ!
落ち着け!
落ち着くんだ近藤直人!
しっかりと、さっちゃんに気持ちを伝えるんだ!
好きだって言うんだ!
僕は意を決し、さっちゃんの顔を真正面から見据える。
「さっちゃん、大事な話っていうのはね? 僕…」
やはりなかなか切り出せない。
僕はぎゅっと強く目をつぶった。
「僕…! す、好きな人がいるんだ!」
「あはは」
この場にふさわしくない笑い声。
目を開けると、さっちゃんは目に涙をいっぱいに溜めて微笑んでいる。
「そんなことだろうと思った」
「え?」
「綺麗な人だもんね」
「え? なにが?」
「ああいう大人な女の人、いいなあ。近藤くんったら、隅に置けないんだから」
「え? いや…」
「末永くお幸せにね」
その言葉に、僕の胸がズキンと傷んだ。
そうか…。
さっちゃんは、やっぱり僕のことを避けているんだ。
考えてみたら、さっちゃんがクマのぬいぐるみをわざわざ隠していたのだって、僕に正体を隠したいからじゃないか。
そうだよ。
まだ小さかったあの頃と今は違うんだ。
今のさっちゃんは僕に恋なんてしてないし、むしろ僕が想いを寄せたって迷惑なだけなんだ…。
僕は精一杯の笑顔を作る。
「いやあ、参ったなあ。もう逢えなくなるみたいな言い方しないでよ。これからもさ、なんかあったらまたみんなで遊ぼう? 僕ら、ほら。友達、なんだからさ」
「そ、そうだよね!」
さっちゃんの瞳からポロポロと涙がこぼれた。
にもかかわらず、彼女は満面の笑みを浮かべている。
「あたしたち、友達、だもんね! これからもまた、あ、遊ぼうね!」
さっちゃんがぐいっと涙を拭う。
「さよなら」
そのまま振り返ると、さっちゃんは駆け出し、行ってしまった。
ポツポツと雨が降り出して、やがて大降りになる。
僕はそれでも、その場からしばらく動けない。
最終話「昨日からの卒業」に続く。
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/462/
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参照リンク。
【ベタを楽しむ物語】春に包まれて
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/380/
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/457/
第2話・募る想い
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/458/
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「もしもし? あの、あたし近藤くんと同じクラスの畑中っていいます」
「あ、さっちゃん? 僕だよ」
この僕の返しに、妹がやたらと表情を輝かせた。
一体誰に似たのか、妹は好奇心いっぱいに僕の持つ受話器に耳をくっつけようと頬を寄せてくる。
聞き耳を立てられているとも知らず、さっちゃんが言った。
「あ、近藤くん? 今、電話、平気だった?」
「もちろん! あ、ちょっと待ってて」
しっしと妹を追っ払おうとしたけれど、こいつはどうにもしつこく、そばを離れようとしない。
さっちゃんとの会話を聞かれたくないから僕が部屋の隅まで避難したいところだけど、電話のコードが長くないからそれもできない。
仕方ない。
落ち着かないけど、妹を振り切ることは諦めよう。
「あ、ごめんね、さっちゃん。もう大丈夫」
「あ、うん。突然なんだけどね? 近藤くん、今日って何か予定ある?」
「え? 今日? 今からってこと?」
「うん。優子ちゃんや春樹くんと一緒に、うちで勉強会しようってことになって…」
「さっちゃん家で!?」
「うん。狭いアパートだけど、もしよかったら」
さっちゃんの家に遊びに、いや。
勉強しに行けるだって!?
高まる鼓動を抑え、僕は極めて自然体を装う。
「いやあ! 奇遇だなあ! 僕も今から猛勉強しようと思ってたんだよ! でも僕、集中力が続かないからなあ! 丁度誰かと一緒に勉強できたらなあーって思っていたんだよ! いや実にタイミングがいい!」
「本当?」
受話器の向こうで、さっちゃんが嬉しそうな声を出した。
「じゃあ、これから4人でお勉強、しよ」
「しますとも!」
満面の笑みを浮かべながら、「じゃあ後ほど!」と約束をし、受話器を置く。
「はあ~」
突然舞い降りた幸運に、ついだらしなく口元が緩む。
力強くほっぺたをつねってみた。
「痛い…。夢じゃない…」
「ねえねえ! お兄ちゃん!」
妹が僕を揺さぶる。
「今の人って誰!? お兄ちゃんの彼女!?」
「ち、違うよ!」
「海に一緒に行った人でしょ!?」
「いや、そ、そうだけどさ」
「今からデート!?」
「バ…! なに言ってんだ! さっちゃんとはそんな仲じゃ…!」
「ふうん。さっちゃんていうんだ?」
「う、うるさいな!」
妹を振り切り、自分の部屋に足を向ける。
「に、兄ちゃんこれから勉強会なんだ! そんな浮かれていられないよ!」
教科書や参考書、ノートに筆記用具を鞄に詰め込む。
せかせかと足早に玄関を開け、僕は制服姿のまま飛び出した。
「きゃ」
「あ、ごめんなさい!」
うちは玄関前がそれほど広くないアパートだ。
家を出た瞬間、隣に住むお姉さんとぶつかってしまった。
「ンもう」
どこか色っぽく、お姉さんが茶色い髪を耳にかける。
「気をつけなさい? ボウヤ」
「は、はい! す、すみません!」
このお姉さん、いっつも薄着だし、胸元とか太ももとか、肌を露出させる服ばかりを着ている。
目のやり場に、実に困る。
「ンフフ。これからデート?」
「い、いえ、そういうわけじゃ…!」
「照れちゃって、可愛い」
「そ、そんな! か、からかわないでください!」
僕は鞄を背負い直し、「失礼します!」と慌ててアパートを飛び出した。
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「そ、そうだ! 近藤くんが来る前に、ベスを隠さなきゃ!」
3歳の頃、なおくんから貰ったクマのぬいぐるみ。
すっかりくたびれてしまった宝物を、あたしは顔の高さまで掲げる。
「ごめんね、ベス。ちょっと押入れに隠れてて」
もし近藤くんにベスを見られたら、あたしが幼馴染だったと気づかれてしまうだろう。
あたしが昔の婚約者だったってことを解ってもらいたい気持ちと、今はまだ隠しておきたいという照れ。
しばらくは恥じらいの感情のほうが先立ちそうだ。
フスマを開け、畳まれた布団の上にそっとベスを寝かせた。
友人たちを招き入れる。
あたしの部屋は一気に賑やかになって、とても勉強をしているような雰囲気ではない。
「ちょっと春樹、あたしの消しゴム勝手に持っていかないでよ」
「いいだろ? 少しぐらい貸せよ」
「少しぐらいって、あんたすぐ無くすじゃない。ホントだらしないんだから」
「なんだと!?」
「なによ!?」
優子ちゃんと春樹くんの微笑ましいやり取りを見て、あたしと近藤くんは目を合わせると、お互い少し肩をすぼめた。
いつものことながら、2人のケンカはさらにエスカレートしてゆく。
「だいたい佐伯! お前だって人のこと言えねえじゃねえか!」
「なんでよ!?」
「俺の部屋でテレビのチャンネル変えようとして、一生懸命電話の子機をテレビに向けてたクセによ!」
「ちょ…! そ、それは関係ないでしょ今!?」
「あれえ? テレビが反応しなーい! このリモコン電池切れてるよ春樹ー?」
「う、うるさいわね!」
「新しい電池どこー?」
「もー! やめてよ!」
「きゃ! いきなり着信音があ! これ、電話の子機じゃなーい!」
「い、いい加減にしなさいッ!」
優子ちゃんの鉄拳が炸裂する。
春樹くんは「ぐあッ」と悲痛な叫びを上げ、吹っ飛ばされた。
押入れに激突し、フスマが外れる。
「あ!」
と、思わず叫ぶ。
衝撃でベスが落ち、春樹くんの頭の上にストンと乗った。
「なんだこりゃ」
「あ、あの…!」
あたしはあたふたとベスを取り上げ、それを抱きしめたままみんなに背を向ける。
そのまま部屋を飛び出して、ベスを台所に隠した。
戻ると、3人とも頭上にクエスチョンマークを浮かべている。
あたしは「あはは」と指をもじもじさせ、「じゃ、勉強の続きしよっか?」と強引に誤魔化す。
…という一連の出来事をハガキに書いて、あたしはベットにごろりと横たわった。
このハガキはあとでポストに投函しておこう。
「あなたに降りかかった面白ハプニング」のコーナーに採用されるかなあ。
あたしは仰向けのまま、ベスを両手で持ち上げる。
すっかりくたびれた子グマのつぶらな瞳が、あたしを見つめた。
「ねえベス? 近藤くんに、ベスのこと見られちゃったかなあ? どうしよう。あたしが幼馴染のさっちゃんだって、気づかれちゃったかなあ? べスー、どうしよ~。近藤くん、今頃どんなこと考えてのかなあ?」
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「はっくしょん!」
誰か僕の噂でもしているのか、帰り道で大きなクシャミが出た。
鼻をすすって、僕は遠い遠い昔を回想をする。
「さっちゃん、これ! プレゼント! 大事にしてね」
「なおくん…」
「また逢えるよね? それまで寂しいと思って、ぬいぐるみ」
「なおくん! 大好きだよ! また逢おうね! 絶対絶対逢おうね!」
「うん! 待ってるよ! 元気でね! …元気でね、さっちゃん!」
さっちゃんの部屋で見たあのクマのぬいぐるみは、僕が幼馴染に贈った物にとてもよく似ていた。
いや、似ていたどころか、同じ物だったように思う。
十数年経ったかのような、あの古びた感じ。
幼馴染のさっちゃんは引越しをして行ったけど、もしかして戻ってきていたのではないだろうか。
こっちのさっちゃん、畑中早苗さんは去年転校してきたって言っていたし、もしかして同一人物なんじゃ…?
アパートの階段を登る。
もうすぐ家だ。
「早苗の『さ』は、さっちゃんの『さ』、か…」
ぶつぶつとつぶやいていると、突然目の前が真っ暗になって、柔らかい感触が顔を覆った。
「あら」
女の人の声だ。
びっくりして身を引くと、またしてもお隣さんだった。
お姉さんの胸に、僕は顔からぶつかってしまったらしい。
「す、すみません!」
「フフ」
お姉さんが口元のホクロをわずかに吊り上げる。
「また何か考え事してたの? ダメよ? ちゃんと前を見ないと」
「あ、はい、すみませんでした!」
「あらあら。堅くなっちゃって、緊張してるのかしら?」
「いえ! そんなことは…!」
「フフ。ブレザーのネクタイ、ズレてるわよ?」
「え、あ…」
「お姉さんが直して、あ、げ、る」
お姉さんが僕の首元に両手を添え、少しかがむ。
僕はドギマギと気を付けの姿勢になり、固まった。
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あたしは1冊のノートを手に、公園で花を摘んだ。
いつか生徒手帳を届けに行ったことがあるから、近藤くんの家がどこにあるのかは解る。
ただ、つい今しがたベスを見られてしまったせいで、逢いに行きたくても抵抗があった。
さっきの勉強会で、近藤くんが忘れていったノート。
学校で渡してもいいんだけど、せっかくの逢うチャンスだ。
この機会を無駄にしたくない気持ちもあった。
あたしは花びらを1枚1枚引き抜いてゆく。
「ノートを届けに行く、行かない、行く、行かない…」
こうしてあたしは今、近藤くんのアパートの前に立っている。
心の中で呪文のように唱えた。
「さっきのベスを見て、近藤くんが何か思い出してしまったかどうかだって、逢って反応を見たら解るでしょ? 勇気出せ、早苗!」
階段を登る。
そこで、あたしはこの世で最も見てはいけないものを見たような心地がした。
直立不動でこちらに背中を向けている近藤くん。
その正面に年上らしい女の人がかがんでいて、近藤くんに顔を寄せている。
顔を話すと彼女は「ちゃんとしなきゃダメよ」などと言った。
まさか、キス、してたの…?
あたしはすっかり動揺してしまって、ノートを落とし、その場を走り去る。
「あ、さっちゃん!」
背後から、近藤くんの声が聞こえた。
りんりんりん。
夜になって、あたしの家の電話は何度も鳴る。
「もしもし、さっちゃん!? 僕だよ! 話を聞いて!」
「知らない!」
あたしはその都度電話を切って、そして泣いた。
近藤くんに恋人がいたなんて…。
脳裏には、口づけを交わすさっきの光景が繰り返し映し出されている。
思い出したくないのに…。
りんりんりん。
再び着信を知らせるベル。
あたしは苛立って、乱暴に受話器を取った。
「しつこいわね! 知らないって言ってるでしょ!?」
「ん? 何を知らないんだ?」
近藤くんじゃない声に一瞬にして顔が青くなった。
「や、安田先生!?」
「おう。畑中か?」
「は、はい! すみませんすみません!」
うちの担任の先生だった。
「悪いな突然。今、電話平気か?」
「は、はい! 大丈夫です!」
「そうか。いきなりで悪いんだがな、畑中、次の日曜、なんか予定あるか?」
「え? 日曜、ですか?」
「ああ。先生サッカー部の顧問やってるだろ?」
「はい」
「今度の日曜、3年生の引退試合なんだ。なんだが、マネージャーが1人来られなくなってな。お前、うちの部の近藤や春樹なんかとも仲いいだろう? もし空いてたら是非手伝ってほしいと思ってな。どうだ?」
「3年生の、引退試合、ですか…」
近藤くんの顔が。
さっきのキスシーンが再び浮かんで、胸がズキンと痛む。
「どうした? どこか具合が悪いのか?」
「いえ、そういうわけじゃ…」
「先生、最近何かと悩みを打ち明けられる機会が多くってなあ~」
受話器の向こうで、先生が微笑んだような気がした。
「畑中。あまり自分の中だけに溜め込むなよ? 誰かに打ち明けるだけでも、ずいぶん気が楽になるもんだ。先生でもよかったら、いつでも待ってるからな」
とても優しいその声に、あたしはついに泣き出して、受話器をぎゅっと強く握り込む。
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日曜日。
そわそわと、僕はさっちゃんの家の前で待つ。
どうにかして誤解を解かないと。
先日かかってきた先生からの電話のおかげで僕はチャンスを得ていて、それで今ここにいる。
「引退試合の日、急遽畑中にマネージャーを頼んだんだ。近藤お前、悪いんだが、日曜、畑中を迎えに行ってくれないか?」
ようし、今日こそ話を聞いてもらうぞ!
そして、好きだって気持ちを伝えよう。
こないだ気づいたんだ。
やっぱりさっちゃんは、3歳の頃に婚約をした運命の人だった。
そのことが解ったおかげで、僕は自分の気持ちを知ることもできたんだ。
僕はゴクリと喉を鳴らした。
まず、なんて切り出そう?
「やあさっちゃん! おはよう! さ、行こっか!」
そんなのダメだ、軽すぎる。
「本日はマネージャーを引き受けてくださり、誠にありがとうございます。さ、参りましょう」
ダメダメ!
時代劇じゃないんだから!
「ごめんね、今日はよろしくお願いね? 悪いね、日曜に。ホントすみません」
卑屈すぎる。
「難しいなあ」
「…なにが難しいの?」
「うわおう! さっちゃん!?」
いつの間にか後ろにさっちゃんが立っていて、僕は小さく飛び上がった。
「お、おはよう!」
声をかけるがしかし、さっちゃんは何も返してはくれず、下を向いて黙ったままだ。
「い、行こうか」
試合会場までそのまま、僕らは言葉を交わすことはなかった。
このままじゃダメだ。
ユニホームに着替え、もうすぐキックオフ。
僕はさっちゃんをグラウンドの隅へと連れ出す。
「お願い! こっち来て!」
「…なあに?」
「お願いがあるんだ」
「…どんな?」
「僕の話を、ちゃんと聞いてほしい」
しかしさっちゃんは返事をしない。
構わず、僕は続けた。
「約束して? この試合に勝ったら、僕の話を聞いてくれる、って。その、大事な話だから」
さっちゃんからの返事を待たず、僕は踵を返し、グラウンドへと向かった。
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試合開始を告げるホイッスルが鳴り響く。
相手チームは強かった。
春樹くんの調子も良くないみたいだし、全体的にペースが掴めていないように、あたしには見えた。
近藤くんは、大事な話があるって言っていた。
良い知らせなのか悪い知らせなのか全く解らなくて、あたしはもやもやと落ち着かない気分のままだ。
後半戦になると、相手チームの猛攻が始まる。
それまで0対0だったのが、先取点を取られてしまった。
このまま時間が来て試合が終わってしまったら、近藤くんはあたしに「大事な話」をしてくれないのだろうか。
ぎゅっと強く、あたしは手を合せ、組んだ。
お願い!
勝って!
近藤くん!
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ピーとホイッスルの音がして、試合が終わる。
僕は「ふう」と大きく息を吐いた。
結果は、0対1。
完敗だ。
整列し、お互いに一礼を交わして、控え室で安田先生からの叱咤激励を受けて、僕ら3年生は無事、引退を果たした。
「はあ…」
我ながら溜め息が深い。
さっちゃんへの想いを伝えることは、どうやらもうできないようだ。
ここ最近ずっとそっけないままだった彼女はきっと、もう以前のような笑顔を僕に向けてはくれないだろう。
せめて試合にさえ勝っていれば…。
いや、過ぎたことだ。
いっそすっぱり諦めよう。
控え室で着替え終え、僕はさり気なく部員たちと離れて、とぼとぼと家路を歩き出す。
空は曇っていて、今にも泣き出しそうだ。
「はあ…」
何度目かになる溜め息を、僕はまたついた。
つん。
と、肘あたりの袖を後ろから引っ張られる。
「え?」
振り返ると、僕は目を大きく見開いた。
「さっちゃん…!?」
「その…、試合には負けちゃったけど、大事な話って、なんなのか気になっちゃって…」
さっちゃんはうつむいたまま、小声でそう言った。
突然の展開に、僕はゴクリと息を飲み込む。
これは、神様がくれた最後のチャンスだ!
落ち着け!
落ち着くんだ近藤直人!
しっかりと、さっちゃんに気持ちを伝えるんだ!
好きだって言うんだ!
僕は意を決し、さっちゃんの顔を真正面から見据える。
「さっちゃん、大事な話っていうのはね? 僕…」
やはりなかなか切り出せない。
僕はぎゅっと強く目をつぶった。
「僕…! す、好きな人がいるんだ!」
「あはは」
この場にふさわしくない笑い声。
目を開けると、さっちゃんは目に涙をいっぱいに溜めて微笑んでいる。
「そんなことだろうと思った」
「え?」
「綺麗な人だもんね」
「え? なにが?」
「ああいう大人な女の人、いいなあ。近藤くんったら、隅に置けないんだから」
「え? いや…」
「末永くお幸せにね」
その言葉に、僕の胸がズキンと傷んだ。
そうか…。
さっちゃんは、やっぱり僕のことを避けているんだ。
考えてみたら、さっちゃんがクマのぬいぐるみをわざわざ隠していたのだって、僕に正体を隠したいからじゃないか。
そうだよ。
まだ小さかったあの頃と今は違うんだ。
今のさっちゃんは僕に恋なんてしてないし、むしろ僕が想いを寄せたって迷惑なだけなんだ…。
僕は精一杯の笑顔を作る。
「いやあ、参ったなあ。もう逢えなくなるみたいな言い方しないでよ。これからもさ、なんかあったらまたみんなで遊ぼう? 僕ら、ほら。友達、なんだからさ」
「そ、そうだよね!」
さっちゃんの瞳からポロポロと涙がこぼれた。
にもかかわらず、彼女は満面の笑みを浮かべている。
「あたしたち、友達、だもんね! これからもまた、あ、遊ぼうね!」
さっちゃんがぐいっと涙を拭う。
「さよなら」
そのまま振り返ると、さっちゃんは駆け出し、行ってしまった。
ポツポツと雨が降り出して、やがて大降りになる。
僕はそれでも、その場からしばらく動けない。
最終話「昨日からの卒業」に続く。
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/462/
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参照リンク。
【ベタを楽しむ物語】春に包まれて
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/380/
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無題
はじめまして。あだもと申します
つい先日めささんの動画を発見しまして…続けて見終わったところでブログを読ませて頂きました。
序盤で状況説明と登場人物の主観とが入り混じって『???』なところがありましたが、すぐに話にのめり込んでしまい読み終わった今となってはせつなさに苦しめられて半無きです:;
めささんとは同年代です
めささんと同じく泣き虫なおっさんです
共感できる感覚も、勝手ながら似ていると感じて動画、ブログ、小説などなど応援しなくてはいけないと自分の中の悪魔が囁くのですw
なので、たびたびお邪魔させて頂くことをお許しください。
お体に気をつけて動画でも小説でも素晴らしい作品を期待しております。
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めささんとは同年代です
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共感できる感覚も、勝手ながら似ていると感じて動画、ブログ、小説などなど応援しなくてはいけないと自分の中の悪魔が囁くのですw
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