夢見町の史
Let’s どんまい!
January 21
続・永遠の抱擁が始まる 1
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/186/
続・永遠の抱擁が始まる 2
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/187/
続・永遠の抱擁が始まる 3
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/188/
続・永遠の抱擁が始まる 4
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/189/
続・永遠の抱擁が始まる 5
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/190/
続・永遠の抱擁が始まる 6
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/191/
続・永遠の抱擁が始まる 7
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/192/
続・永遠の抱擁が始まる 8
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続・永遠の抱擁が始まる 9
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/194/
続・永遠の抱擁が始まる 10
http://yumemicyou.blog.shinobi.jp/Entry/195/
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空いたメインディッシュのお皿が下げられ、あたしは紅茶のお替りを頼む。
窓から望める夜景がさらにあたしを優雅な気分にさせた。
「どうだった?」
すっかりワインが回っているのだろう。
彼は上機嫌だ。
「怖くない話でよかった」
と、あたしは下腹部を撫でる。
「でもさ、毎回毎回、よくそんな凝った話、考えるもんだよね」
「僕も語り部になれるかも」
「なれそう」
「真の語り部に必要な条件は、愛する者のために自分で話を作ることなのかも知れないなあ」
「あはは。ありがとう」
新しい紅茶が運ばれ、あたしはウエイターに礼を言う。
カップに注ぐと、ゆるやかに湯気が舞った。
彼はテーブルの上で指を組む。
「今回も、裏設定っていうのかな。あるんだよ」
「へえ。どんな?」
「まずね、僕の中では、5000年前に地震を経験した人はいない」
「へ? なんで?」
「地表が安定していて、プレートが移動していないから」
「難しい話なら結構です」
「手厳しいな。でもまあ、火山の噴火ぐらいはあっただろうから、地震が起こるとしたらそれぐらいかな。だから正確には、少しぐらいなら地震を体験した人、いたかもね」
「あ、もしかして、だから?」
「なにが?」
「地震っていう単語、ルイカさん使わなかったでしょ」
「素晴らしい」
彼が小さく拍手をする。
「地震っていう言葉が発明されてないから、ルイカさんは屋敷が震えたとか地面が揺れたなんて表現をしたんだ」
「凝り性だなあ」
彼はそれを褒め言葉と受け取ったようだ。
当事の電話機は子供が入りそうなぐらい大きいだとか、一部の上流階級の自宅にしか普及されていなかったとか、自分なりに考えた世界観を語っている。
「あたしとしては、ハッピーエンドだったらそれでオッケーだよ」
「君の性格上、そうだろうね」
「ねえ、あたしにプロポーズしたときのこと、覚えてる?」
すると彼は照れたように頭をかく。
「うん、まあ」
「お返し、してもいい?」
「どういうことだい?」
「今度はね、あたしから問題を出すの」
「へえ、興味深い」
紅茶を少しすすり、あたしは「では第一問目」と笑む。
「あたしがお酒をやめたのは何故でしょうか?」
「美容と健康のため」
「ブー! 続けて二問目ね。さっきあんたにタバコを吸わせなかったのは、何故でしょう?」
「煙が嫌いになったから?」
「ハズレ。それでは最終問題」
「もう?」
「うん。あたしは今回、ハッピーエンドで終わる3人の話をどうしても聞きたかったの。それは何故でしょうか?」
「知的好奇心の故」
「もー、鈍いなあ」
彼はさほど問題の答えに気が向いていないようだ。
「なら正解はなんだい?」と涼しげな顔でグラスに口をつけている。
「あんたさあ、いつか酔って『ずっと2人でいたい』みたいなこと、あたしに言ったことあるよね?」
「持ち出さないでくれ。恥ずかしい」
「残念ながら、あたしたちは2人でいられません」
「なんだって? どういうことだい」
「ふふ」
あたしは心の中で「阿修羅のように」とつぶやく。
「2人じゃないの」
「ん?」
「3人になるの」
「え!? ああ!」
あたしは再び下腹部に手を添える。
「ハッピーエンドで、本当によかった。もし後味の悪い話だったら、縁起でもないから」
「もしかして、君」
「今の話、将来また聞かせてね」
お父さん。
と付け加え、あたしは愛しい我が子を腹の上から撫でる。
キャンドルの炎が、また小さく揺れた。
――fin――
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参照リンク。
永遠の抱擁が始まる1
永遠の抱擁が始まる2
永遠の抱擁が始まる3
永遠の抱擁が始まる・番外編
お読みくださった皆さん、本当にありがとうございます。
今後とも皆さんに楽しんでいただけるよう、精進させていただきますね。
それでは恒例のお祝いです。
1/18 K子ちゃん、誕生日おめでとう!
1/19 レニアさん、誕生日おめでとうございます!
わずかに遅れてしまい、すみません。
この1年もたくさん幸せな笑顔でいてください。
お誕生日、本当におめでとうございます。
追伸・幼馴染みのK子ちゃん、ケータイ壊れて君の連絡先が消えた!
もし見てたらメールか何かくださいな。
誕生日おめでとうね。
まさか....!な終わりかたでした!!
最初のストーリーからこんな風に繋がっていくなんて!!!!!!!!
まさかまさか!!で
おもしろかったです><
最後はあのカップルも幸せそうでよかった^^
三人の幸せを祈ってます♪
最後にコメントしてから1年近くなりますかね??
あ、もちろんずっと見てましたよ(笑)
今回の長編、とても楽しませていただきました!!!
暖かい人達の暖かいやりとりに、自分も暖かい気持ちになれました。
自分は小説の良し悪しとかはわかりませんが…暖かい気持ちになれる、この…っていうかめささんのお話が大好きです(´ω`)
素敵なお話をありがとうございました
1つ1つが励みになっています。
おつりが来るぐらい報われましたよ。
さてさて。
ここで、いくつか寄せられたご質問に一括でお答えさせていただきますね。
「ところで、涙腺のゆるいめささんは自分の書いた話でも泣いたりするんですか?」
ガン泣きです。
書いているときは冷静なんですけども、9話、10話、11話を読み返すと、自分で作っておいてなんですが「よかった! よかったよう!」と人に見せられないぐらい大変な顔面になっています。
一人上手。
「ってことはエリーと先生も災害に巻き込まれてるけど、どうなったの?? あれ、どっかに書いてある?? まぁでも死んじゃうのよね」
これは皆さんの想像にお任せすることにしているので、エリーと教師がどのようなラストを迎えるかは書いていないんですね。
ただエリーと教師は「エンジェルコール」の時代で生活しています。
もし災害を体験することになるとしたら、それは16年後のことになるでしょうね。
「自分の日記で紹介してもいいでしょうか?」
もちろんです。
めさは無断リンク大歓迎、大感謝の人です。
ありがたいので、お礼をコメントさせていただきますね。
感謝感謝です。
また、たまに長編をアップすることが今後は増えるかも知れませんけども、目を通していただけたら嬉しいですよ。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。
コメントやメール、本当にありがとうございます。
今回もすごく良かったです(*´ω`*)!
本にしてください!!
めささんの本なら、活字嫌いの現代っ子もスラスラ楽しく読める気がしてならないです(*´ω`*)
感動して思わずコメントしてしまいました(´v`*)
めささんの作った物語は全部大好きです(#^^#)
寒い日が続きますが、風邪には気をつけてくださいね^^;
皆さん、本当にありがとうございます。
ここで再度、お寄せいただいたご質問に答えさせていただきますね。
「めささん、この写真を待ち受けにしたいのですが、もらってもよろしいでしょうか?」
OK!
だと思います。
画像はニュースサイトから拾ってきたものなので、待ち受けにするとか大丈夫だと思いますよ。
「もも、もしか、して、ま、魔王、さ、様、は、さ、ささ、最後の、ア、アダムの、ララ、ラトな、なのか、かな?」
そ、そそ、そーう!
そう!
そそ、そのラトです。
読んでくれただけでも大感謝なのに、コメントまでくださって、本当にありがとうございます。
はじめまして
か過去にコメントしているか自分でも忘れてしまったのですが…orz
日参させて頂いています。
めささんの久しぶりの長編というのも、前回と同じシリーズというのも、とてもうれしかったです。
以前のキャラを彷彿させる文とか、ニヤリモノですよね(*´▽`)
なによりカップル二人が結婚後も仲良く幸せにしているのが嬉しかった。
きっとお父さんは子供にも寝る前にお話を催促されるんでしょうね(笑)
ウルッときたり、ふきだしたり、とてもたのしませて頂きました。
これからも楽しみにしています!
あと、7/13が自分の誕生日なので、ついでにでも祝っていただけると嬉しいです。
めささんに祝ってもらうと、物凄くハッピーになれそうで(*´`)
リンクその他の活動大変だと思いますが、携帯にぎって見守っています!
がんばってくださいね(*´▽`)
長文失礼しました。
本当に信じがたい
伏線が前の話からめぐらされいて…
自分は夢見町の史~めさにとっては普通の思い出から読んでいまして(笑)
仕事が忙しくなり何時しか離れてしまい、2年以上?ぶりにサイトへ足を運びビックリしました…!
いつもmixiで見かけていたコミュ『変な寝言~』が めささんのコミュだったなんて!!!?人数にもぶっ飛びましたヽ(゚Д゚;)ノ
そして今 のめささんの状況を理解するために 必死で過去の日記を追いかけてます(;^ω^A
本当にビッグになりましたね…!間違いない作家さんです(゚∀゚)
夢見町の史を読み始めた頃10代だった自分も今や社会的立場が有る歳です
フリーターですけど自分は(笑)
とにかくめっちゃくちゃ嬉しいです!
ずっと応援してます!
本当に一度『生めさ』さんをお目にかかりたいです(笑)