夢見町の史
Let’s どんまい!
2009
August 15
August 15
あれはいつだったでしょうか。
以前、友人たちと海に行った帰りに、ある町によりました。
小腹がすいたので、ラーメンでも食べていこう、というわけです。
適当に見つけて入ったそのラーメン屋はとても規模が小さく、10人もお客さんが入れそうもありません。
「誰もいねえな」
お客さんもいなければ、どういうわけか店の人間までもが不在。
奥にあると思われる厨房にも、人の気配がありませんでした。
一応「すみませーん!」とか「ごめんくださーい!」とかって声はかけたんですよ。
でも、いない者が返事を返せないのも道理。
俺達は諦めて店を出ました。
すると、遠くから走りよってくる人影が。
中年の男性です。
「ごめーん! 散歩してた!」
お前か店長は!
暖簾(のれん)を出したまま、散歩するか普通!?
俺たちは、このおっさんが気に入ってしまいました。
再び店内へ。
皆、それぞれが好きなように注文をし、おやじさんは早速ラーメンを作りにかかりました。
ラーメンを作りながら、おやじさんは笑顔を見せます。
「うちのラーメンはね、世界一ウマいよ! なんせ水が最高だから!」
話好きらしいおやじさんは、頼まれてもいないのにラーメンのレクチャーを始めてくれました。
それによると、このお店ではマジで素晴らしい浄水機を使用しているので、それによって水が澄んで、ラーメンが美味しくなるのだとか。
「水が世界一だから、その水で作るラーメンも世界一美味いんだ」
どうやら、俺たちがたまたま入ったラーメン屋は、なんと世界一のラーメン屋だったみたいです。
凄い。
もう晩飯時だというのに、客は俺たちしかいない世界一のラーメン屋。
凄い。
そして、世界一のラーメンの作り手であるこのおやじさんは、営業中に散歩をするという異例の快挙を成し遂げている。
凄い。
俺たちはワクワクしまがら待ちました。
世界一のラーメンを。
完成した世界一のラーメン。
観察してみると、スープの色が薄く、水を大切にしているのが解ります。
では、いただきまーす!
ところが、おやじさんが急に叫びました。
「ちょっと待って!!」
なんだろ?
おやじさんに目をやる俺たち。
おやじさんはニカッと爽やかに笑います。
「ごめんごめん! 味、入れ忘れてた!」
味を入れ忘れた?
どういうこと?
俺の聞き間違い?
注・ここから先の話は非常にショッキングな内容になります。
覚悟はよろしいでしょうか?
おやじさんは俺たちのドンブリを一旦下げると、普通の態度で粉末のスープを入れました。
どう見てもインスタントラーメンか何かの粉です。
世界一の秘密は水じゃなくって、粉じゃん!
おやじさんはドンブリを俺たちに返すと、とどめを刺さんばかりの一言を放ちます。
「よく混ぜてねー!」
まさかのセルフサービス!
色んな意味でお腹一杯になりました。
でも不思議なことに、味は良かったです。
何の粉だろ、あれ。
以前、友人たちと海に行った帰りに、ある町によりました。
小腹がすいたので、ラーメンでも食べていこう、というわけです。
適当に見つけて入ったそのラーメン屋はとても規模が小さく、10人もお客さんが入れそうもありません。
「誰もいねえな」
お客さんもいなければ、どういうわけか店の人間までもが不在。
奥にあると思われる厨房にも、人の気配がありませんでした。
一応「すみませーん!」とか「ごめんくださーい!」とかって声はかけたんですよ。
でも、いない者が返事を返せないのも道理。
俺達は諦めて店を出ました。
すると、遠くから走りよってくる人影が。
中年の男性です。
「ごめーん! 散歩してた!」
お前か店長は!
暖簾(のれん)を出したまま、散歩するか普通!?
俺たちは、このおっさんが気に入ってしまいました。
再び店内へ。
皆、それぞれが好きなように注文をし、おやじさんは早速ラーメンを作りにかかりました。
ラーメンを作りながら、おやじさんは笑顔を見せます。
「うちのラーメンはね、世界一ウマいよ! なんせ水が最高だから!」
話好きらしいおやじさんは、頼まれてもいないのにラーメンのレクチャーを始めてくれました。
それによると、このお店ではマジで素晴らしい浄水機を使用しているので、それによって水が澄んで、ラーメンが美味しくなるのだとか。
「水が世界一だから、その水で作るラーメンも世界一美味いんだ」
どうやら、俺たちがたまたま入ったラーメン屋は、なんと世界一のラーメン屋だったみたいです。
凄い。
もう晩飯時だというのに、客は俺たちしかいない世界一のラーメン屋。
凄い。
そして、世界一のラーメンの作り手であるこのおやじさんは、営業中に散歩をするという異例の快挙を成し遂げている。
凄い。
俺たちはワクワクしまがら待ちました。
世界一のラーメンを。
完成した世界一のラーメン。
観察してみると、スープの色が薄く、水を大切にしているのが解ります。
では、いただきまーす!
ところが、おやじさんが急に叫びました。
「ちょっと待って!!」
なんだろ?
おやじさんに目をやる俺たち。
おやじさんはニカッと爽やかに笑います。
「ごめんごめん! 味、入れ忘れてた!」
味を入れ忘れた?
どういうこと?
俺の聞き間違い?
注・ここから先の話は非常にショッキングな内容になります。
覚悟はよろしいでしょうか?
おやじさんは俺たちのドンブリを一旦下げると、普通の態度で粉末のスープを入れました。
どう見てもインスタントラーメンか何かの粉です。
世界一の秘密は水じゃなくって、粉じゃん!
おやじさんはドンブリを俺たちに返すと、とどめを刺さんばかりの一言を放ちます。
「よく混ぜてねー!」
まさかのセルフサービス!
色んな意味でお腹一杯になりました。
でも不思議なことに、味は良かったです。
何の粉だろ、あれ。
PR