夢見町の史
Let’s どんまい!
2009
August 16
August 16
高校3年生の頃、空手道部の部員達は顧問の先生方に連れられ、スキーツアーに参加していました。
スキー中も充分に楽しいエピソード満載だったのですが、そのお話は別の機会に譲ろうと思います。
今からご紹介するエピソードは、帰りに乗った長距離バスの中で起こった出来事。
今回の主役は俺と同期の空手道部員、仮に名をピン君としておきましょうか。
彼は非常に物静かな男で、他の部員と違って余分なお喋りは一切しない人です。
部員1の筋力と精神力を誇るクールな男、ピン。
バスの中ではこのピン君の身に、とても素晴らしいことが起こるのでした。
高速道路を移動中、疲れ知らずの部員達は来る時と変わらないテンションをずっとキープしています。
いつの間にか罰ゲーム有りのトランプゲームが開始されていました。
その罰ゲームなんですが恐ろしいことに、「罰ゲームの内容は、負けた奴が決まった時点で決める」という、聞いたことがないルールです。
この悪魔のゲームで、ピン君は面白いように負け犬街道を爆進し続けました。
さて、彼にやってもらう罰ゲームをどうしよう。
最初のうちは女子部員から口紅を借り、ピン君をセクシーにしてみました。
いかつい顔で無表情。
死ぬほど似合っていませんでした。
次に、別の化粧品も試します。
誰かが気分を害しました。
しかし、最も嫌な気持ちになっていたのは間違いなくピン君自身です。
ここまでは俺たちにとっては見慣れた光景だったのですが、事態は急変。
誰かが、もしくは俺が、ピン君の頭部に小さめのスーパーの袋をかぶせたのです。
すると車内は大爆笑の渦に巻き込まれました。
凄く似合っていたからです。
悪寒を誘う化粧まみれの顔面に、間抜けな袋をかぶったピン君の怒った表情。
こんな人、見たことありません。
彼にかぶせたビニール袋は本当に小さく、無理矢理フィットさせたので、酷く窮屈そうに張っています。
いつの間にかビニールには小さな穴が開いていて、誰かがそれに気がつきました。
試しに、その穴から髪の毛を引っ張り出してみると、さらに間抜けさに拍車がかかるではありませんか。
にょきっと出た髪の毛が噴水みたいな形状になっています。
俺たちは再び大笑いをし、今度はわざとビニール袋に穴を開け、髪の毛を次々に穴に通しました。
こうして出来上がったのは、究極の変な人。
試しに喋らせてみることにします。
俺は「このメモを音読してくれ」と、彼に紙を渡しました。
ピン君は、受け取ったメモを読み上げます。
「俺の髪型、イカすぜ」
俺たちを殺す気か、ピンよ。
せめて息ぐらいさせてくれ。
調子に乗った俺は急遽原稿を作成してピン君に持たせ、今度は先生方の前で読ませてみました。
変わり果てたピンの姿を見た先生方は、明らかに「誰だこれ?」と言いたげな表情を浮かべています。
ピン君は嫌な仕事をさっさと終わらせるべく、原稿を読み上げました。
「先生方へ。今回はどうしても先生方に対して、不満があるので抗議させていただきます。自分は、この姿を見ても分かる通り、極めて真面目な生徒です。パーマもかけていないし、脱色もしていません。それなのに何故、自分が頭髪検査に引っかかるのでしょうか? 頭髪検査とは、ふざけた髪型をしている輩を取り締まるべきものだと思います」
ふざけた髪型をしている輩はお前である。
ピンが抗議を終えると、それを聞いた先生方も呼吸ができなくなっておいででした。
スキーが目的だったのにも関わらず、帰りのバスの中の方が面白かったという事実がまた不思議です。
アレ、他の人が同じことをしても、あそこまでの威力はないんだろうなあ。
写真でお見せ出来ないのが残念でなりません。
スキー中も充分に楽しいエピソード満載だったのですが、そのお話は別の機会に譲ろうと思います。
今からご紹介するエピソードは、帰りに乗った長距離バスの中で起こった出来事。
今回の主役は俺と同期の空手道部員、仮に名をピン君としておきましょうか。
彼は非常に物静かな男で、他の部員と違って余分なお喋りは一切しない人です。
部員1の筋力と精神力を誇るクールな男、ピン。
バスの中ではこのピン君の身に、とても素晴らしいことが起こるのでした。
高速道路を移動中、疲れ知らずの部員達は来る時と変わらないテンションをずっとキープしています。
いつの間にか罰ゲーム有りのトランプゲームが開始されていました。
その罰ゲームなんですが恐ろしいことに、「罰ゲームの内容は、負けた奴が決まった時点で決める」という、聞いたことがないルールです。
この悪魔のゲームで、ピン君は面白いように負け犬街道を爆進し続けました。
さて、彼にやってもらう罰ゲームをどうしよう。
最初のうちは女子部員から口紅を借り、ピン君をセクシーにしてみました。
いかつい顔で無表情。
死ぬほど似合っていませんでした。
次に、別の化粧品も試します。
誰かが気分を害しました。
しかし、最も嫌な気持ちになっていたのは間違いなくピン君自身です。
ここまでは俺たちにとっては見慣れた光景だったのですが、事態は急変。
誰かが、もしくは俺が、ピン君の頭部に小さめのスーパーの袋をかぶせたのです。
すると車内は大爆笑の渦に巻き込まれました。
凄く似合っていたからです。
悪寒を誘う化粧まみれの顔面に、間抜けな袋をかぶったピン君の怒った表情。
こんな人、見たことありません。
彼にかぶせたビニール袋は本当に小さく、無理矢理フィットさせたので、酷く窮屈そうに張っています。
いつの間にかビニールには小さな穴が開いていて、誰かがそれに気がつきました。
試しに、その穴から髪の毛を引っ張り出してみると、さらに間抜けさに拍車がかかるではありませんか。
にょきっと出た髪の毛が噴水みたいな形状になっています。
俺たちは再び大笑いをし、今度はわざとビニール袋に穴を開け、髪の毛を次々に穴に通しました。
こうして出来上がったのは、究極の変な人。
試しに喋らせてみることにします。
俺は「このメモを音読してくれ」と、彼に紙を渡しました。
ピン君は、受け取ったメモを読み上げます。
「俺の髪型、イカすぜ」
俺たちを殺す気か、ピンよ。
せめて息ぐらいさせてくれ。
調子に乗った俺は急遽原稿を作成してピン君に持たせ、今度は先生方の前で読ませてみました。
変わり果てたピンの姿を見た先生方は、明らかに「誰だこれ?」と言いたげな表情を浮かべています。
ピン君は嫌な仕事をさっさと終わらせるべく、原稿を読み上げました。
「先生方へ。今回はどうしても先生方に対して、不満があるので抗議させていただきます。自分は、この姿を見ても分かる通り、極めて真面目な生徒です。パーマもかけていないし、脱色もしていません。それなのに何故、自分が頭髪検査に引っかかるのでしょうか? 頭髪検査とは、ふざけた髪型をしている輩を取り締まるべきものだと思います」
ふざけた髪型をしている輩はお前である。
ピンが抗議を終えると、それを聞いた先生方も呼吸ができなくなっておいででした。
スキーが目的だったのにも関わらず、帰りのバスの中の方が面白かったという事実がまた不思議です。
アレ、他の人が同じことをしても、あそこまでの威力はないんだろうなあ。
写真でお見せ出来ないのが残念でなりません。
PR