夢見町の史
Let’s どんまい!
2009
September 28
September 28
※怪談話につき閲覧注意。
久しぶりの、それは霊現象だった。
職場のスナックが深夜4時を過ぎる頃、お客さんたちは全員お帰りになられている。
ボスや他のフロアレディたちはタクシーを待たせてあったので、やはり早々に店を後にしていた。
照明を落とし、わずかに薄暗くしてある店内にはしたがって、俺とフロアレディのAちゃんだけが残っている。
帰宅前のわずかな一時。
タバコに火を着けると、俺はカウンター席に腰を下ろした。
Aちゃんに「お疲れさーん」と労うと、彼女はふらふらとした足取りで「もー疲れたよー!」みたいなことを言い、近くの椅子に座った。
仕事後の雑談タイムというやつだ。
Aちゃんも自分の近くに灰皿を寄せ、タバコを咥えている。
このときは俺もAちゃんもなかなか飲まされており、かなり酔いが回っていた。
酔っ払いが2人も揃えば、他愛のない雑談にも熱が入る。
タバコはいつの間にか3本目に達していた。
すっかり夢中で話し込んでしまったのだ。
俺が何かしらを喋っている、その最中。
Aちゃんが急に真面目な顔をして俺の話を遮った。
「めさ! 今の聞こえた!?」
え?
「今あたしの横から女の声が聞こえた! めさ、聞こえてなかった!?」
いや、俺は別に。
「気のせい!? いや、絶対聞こえた! はっきり聞こえた!」
なんて聞こえたの?
問うとAちゃんは「聞こえたんだけど、おかしいなー」と首を傾げる。
完全にシラフに戻っているようなAちゃんの表情を見るところ、冗談ではなさそうだ。
一体何が聞こえたのか?
という質問を何度しても、Aちゃんは何故かなかなか答えてくれなかった。
「いいからAちゃん、答えてってば! 何が聞こえたの!?」
するとAちゃんは真っ直ぐと俺の目を見つめ、その声を再現する。
「いつまで喋ってるの?」
朝と呼ぶにはまだまだ闇の深い、深夜での話だ。
久しぶりの、それは霊現象だった。
職場のスナックが深夜4時を過ぎる頃、お客さんたちは全員お帰りになられている。
ボスや他のフロアレディたちはタクシーを待たせてあったので、やはり早々に店を後にしていた。
照明を落とし、わずかに薄暗くしてある店内にはしたがって、俺とフロアレディのAちゃんだけが残っている。
帰宅前のわずかな一時。
タバコに火を着けると、俺はカウンター席に腰を下ろした。
Aちゃんに「お疲れさーん」と労うと、彼女はふらふらとした足取りで「もー疲れたよー!」みたいなことを言い、近くの椅子に座った。
仕事後の雑談タイムというやつだ。
Aちゃんも自分の近くに灰皿を寄せ、タバコを咥えている。
このときは俺もAちゃんもなかなか飲まされており、かなり酔いが回っていた。
酔っ払いが2人も揃えば、他愛のない雑談にも熱が入る。
タバコはいつの間にか3本目に達していた。
すっかり夢中で話し込んでしまったのだ。
俺が何かしらを喋っている、その最中。
Aちゃんが急に真面目な顔をして俺の話を遮った。
「めさ! 今の聞こえた!?」
え?
「今あたしの横から女の声が聞こえた! めさ、聞こえてなかった!?」
いや、俺は別に。
「気のせい!? いや、絶対聞こえた! はっきり聞こえた!」
なんて聞こえたの?
問うとAちゃんは「聞こえたんだけど、おかしいなー」と首を傾げる。
完全にシラフに戻っているようなAちゃんの表情を見るところ、冗談ではなさそうだ。
一体何が聞こえたのか?
という質問を何度しても、Aちゃんは何故かなかなか答えてくれなかった。
「いいからAちゃん、答えてってば! 何が聞こえたの!?」
するとAちゃんは真っ直ぐと俺の目を見つめ、その声を再現する。
「いつまで喋ってるの?」
朝と呼ぶにはまだまだ闇の深い、深夜での話だ。
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