夢見町の史
Let’s どんまい!
May 22
他に友達がいないという気の毒な理由で、悪友のトメがうちに遊びにやって来た。
書き物の途中だったけど手を休め、酒を振る舞ってやる。
「まあ飲めよ」
「おう。ところでオメー、なんか書いてたの?」
トメからの質問には「ちょっとした小説だ」と答えておいた。
ちなみに書いていたのはwillだ。
トメはのん気に「俺は絵がねえ本は読めねえよ~」などと言いつつ、人の酒をゴクゴク飲んでいる。
そんな漫画しか読めない男からの提案だ。
「めさオメー、なんか壮大な小説書けよ~」
壮大、というと?
「宇宙と地球の始まりとかよ~」
じゃあ、試しに書いてみるわ。
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なんか、最初のほうで、何かが凄く爆発して。
それでなんか、何かが色々とこう、めっちゃくちゃな速さで広がっていって。
その凄い爆発のせいで、なんかこう時間とか流れるようになって。
なんで何も無いところでいきなり爆発が起こったのかは知らないけど、こう、色々と星的な物も生まれちゃって、とにかくスケールでっかいことに。
光って熱い星とか、色々と吸い込むタチの悪い星とか、とにかく色々あって、各自頑張って回ったりなんかしてて。
で、いっぱいある星の1つが地球なわけ。
太陽との距離とか星の成分的なアレとかが、なんか超いいアンバイで、生き物がとってもとっても増えまくるの。
海とかあって都合いい感じ。
めでたし。
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どう、トメ。
面白かった?
「適当なとこが最高だよ~」
まさか気に入られるとは思わなかった。
重力ピエロ、映画化されたらしいですからねぇ…。
あ、私からも一つ言わなければいけないことが。
たまたま本を買う機会があったので、どうせ買うならめささんがお勧めされていた重力ピエロを!と思って買ったんです。
小説を読むのはかなり久しぶりなんで少し時間が掛かりましたが、なんとか読めました。いい作品でした。
めささんが夢見町で書いてくださらなければ、ここ4、5年小説に興味が無かった私はこれに出会えなかったでしょう。
ありがとうございました。
長文失礼しましたm(__)m