夢見町の史
Let’s どんまい!
2009
August 26
August 26
「めさー、お前、腹減ってるー?」
高2の秋、悪友ジンが俺にそのように声をかけてきました。
俺は弁当を食べたばかりでしたが、あと3食分は余裕で胃に入ります。
なんかくれるのかな?
ウキウキしながらジンの元へ。
彼は食べかけのインスタントラーメンを手にしています。
「俺さ、さっきラーメン買ったんだけど、お腹いっぱいになっちゃったんだよ。お前コレ、100円で買わねえ?」
「ンだよ、金取んのかよ! 貧乏なんだぜ、俺」
「じゃ、50円でどうだ?」
「誰が喰いかけのラーメンなんか買うか! 自分で買うからいいよ」
「ちッ! しょうがねえなー。じゃタダでやるよ」
マジでー!?
というわけで、俺はジンから喰いかけのインスタントラーメンを入手しました。
まだ半分も残っています。
ジンはなんていい奴なのでしょうか。
それでは、いただきまーす!
妙に苦え。
まいっか!
麺のみを平らげ、俺はご満悦です。
なんか苦かったので、スープまで飲むのはやめておきました。
「ああ! めさ、そのスープ貰ってもいい?」
背後から声に振り向くと、そこには友人Hが物欲しそうな顔をしています。
彼はラーメンのスープに目がないんですね。
「ああスープ? (苦いから)あげるよ」
「おお! ありがとう!」
Hがスープを飲み始める頃、ジンが再び俺を呼びました。
「めさ、さっきのラーメン喰った?」
「ああ、喰ったけど?」
「ふふ。美味かったかよ?」
「いや、なんか苦かったけど」
「ククク。全部喰ったんだな?」
「貴様! 何か入れたな!?」
するとジンは信じられないことを。
「下剤だバーカ!」
なんだってェ!?
「夕べ、トメと2人ですり鉢ですって、粉末状にして持ってきた下剤が入ってたんだよ! さっきお前が喰ったラーメンにはな!」
お前!
そこまでするか!?
あ、いかん!
Hが危ない!
「Hがどうした?」
「Hにあげちゃった。スープくれって言うから残りのスープ、全部Hにあげちゃった」
「じゃあ、あいつも手遅れだ」
こいつ酷え!
Hはなんにも悪いことしてないのに!
俺は一応、Hのところに行って尋ねました。
「H、あのスープは!?」
「え? もうないよ?」
「全部飲んだの!?」
「え? うん、飲んじゃった。苦かったけど。あ! もしかして全部飲んじゃ駄目だった!?」
「ああ、お前がな」
Hは翌日、学校を休みました。
おのれジンの野郎!
よくもHを!
俺は幸いメンしか喰っていなかったから少しは無事で済んだものの。
Hの仇は必ず取るぜ!
無論トメの野郎も同罪だ!
明日が楽しみだぜ!
「トメの邪悪な決意」に続く。
高2の秋、悪友ジンが俺にそのように声をかけてきました。
俺は弁当を食べたばかりでしたが、あと3食分は余裕で胃に入ります。
なんかくれるのかな?
ウキウキしながらジンの元へ。
彼は食べかけのインスタントラーメンを手にしています。
「俺さ、さっきラーメン買ったんだけど、お腹いっぱいになっちゃったんだよ。お前コレ、100円で買わねえ?」
「ンだよ、金取んのかよ! 貧乏なんだぜ、俺」
「じゃ、50円でどうだ?」
「誰が喰いかけのラーメンなんか買うか! 自分で買うからいいよ」
「ちッ! しょうがねえなー。じゃタダでやるよ」
マジでー!?
というわけで、俺はジンから喰いかけのインスタントラーメンを入手しました。
まだ半分も残っています。
ジンはなんていい奴なのでしょうか。
それでは、いただきまーす!
妙に苦え。
まいっか!
麺のみを平らげ、俺はご満悦です。
なんか苦かったので、スープまで飲むのはやめておきました。
「ああ! めさ、そのスープ貰ってもいい?」
背後から声に振り向くと、そこには友人Hが物欲しそうな顔をしています。
彼はラーメンのスープに目がないんですね。
「ああスープ? (苦いから)あげるよ」
「おお! ありがとう!」
Hがスープを飲み始める頃、ジンが再び俺を呼びました。
「めさ、さっきのラーメン喰った?」
「ああ、喰ったけど?」
「ふふ。美味かったかよ?」
「いや、なんか苦かったけど」
「ククク。全部喰ったんだな?」
「貴様! 何か入れたな!?」
するとジンは信じられないことを。
「下剤だバーカ!」
なんだってェ!?
「夕べ、トメと2人ですり鉢ですって、粉末状にして持ってきた下剤が入ってたんだよ! さっきお前が喰ったラーメンにはな!」
お前!
そこまでするか!?
あ、いかん!
Hが危ない!
「Hがどうした?」
「Hにあげちゃった。スープくれって言うから残りのスープ、全部Hにあげちゃった」
「じゃあ、あいつも手遅れだ」
こいつ酷え!
Hはなんにも悪いことしてないのに!
俺は一応、Hのところに行って尋ねました。
「H、あのスープは!?」
「え? もうないよ?」
「全部飲んだの!?」
「え? うん、飲んじゃった。苦かったけど。あ! もしかして全部飲んじゃ駄目だった!?」
「ああ、お前がな」
Hは翌日、学校を休みました。
おのれジンの野郎!
よくもHを!
俺は幸いメンしか喰っていなかったから少しは無事で済んだものの。
Hの仇は必ず取るぜ!
無論トメの野郎も同罪だ!
明日が楽しみだぜ!
「トメの邪悪な決意」に続く。
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