夢見町の史
Let’s どんまい!
2009
August 26
August 26
俺の最終学歴は高校と思われがちですけれど、正確には職業訓練学校と呼ばれる1年制の専門学校のような学校でした。
この学校に入学した理由は実をいっちゃうと、「定員割れしているから」とか「履歴書に空欄を作りたくなかったから」などという不純な動機からです。
学費も一切かからない学校でしたしね。
悪友トメとジンと3人で受けに行ったのです。
しかし、いくら定員割れしている学校だからといっても当然試験はあるわけで、今回はこの職業訓練学校の入試試験について触れたいと思います。
国語の試験って大抵の場合、問題用紙に小説か何かの一部分が本文として記載されていますよね。
で、「アンダーライン1の文で、主人公はどのような心境だったのか答えよ」みたいな問題が出てくるじゃないですか。
この「何かの小説の一部分」なんですが、文体その物は純文学風で、難しい言葉使いとか昔の単語とかが出まくりでした。
間違いなく難解な文章です。
俺はビビりつつも、まずは本文に目を通し、ストーリーの理解に努めました。
なになに?
どうやら主人公は若い男の子であるようだな。
近所のお祭りに参加しているらしい。
お!
女の子登場。
ボヘミアンネクタイをした可憐な女子、か。
ボヘミアンネクタイって何じゃろか?
ほう、この主人公、変なネクタイを絞めた見知らぬ女の子のことが気になる様子であるぞ?
顔が見たくて後をつけ出した。
ネクタイが見れて、どうして顔が見れてねえんだ、こいつは。
それと、後をつけるな後を。
そいう行動が犯罪とかに発展するんだぞ。
あ!
こいついきなり女の子を見失いやがった。
尾行の下手クソな人だ。
まあいい。
読み進めてみようか。
何!?
「熊から喰らった一撃のせいで肩が痛む」って書いてある!
この人、一体何者だ。
いつの間に熊と戦ったのだ?
祭りを楽しんだり女の後をつけたりしているところを見ると、怪我はたいしたことがないのか。
すげえ。
読み進めていくと、この主人公は病院にも行かずに頑張って「ボヘミアンネクタイの女の子」を再発見し、再び尾行に励んでいます。
俺はそんな個所より、熊との戦闘シーンが読みたかったです。
主人公が「痛い」で済んでるってことは、熊には勝ったのでしょうか?
まあいいや。
物語をさらに追ってみましょう。
女の子は夜店から離れて、暗い森の道を1人で歩いているみたいです。
無防備だな、この子。
熊が出ても知らんぞ。
あ、 女の子がある家の前に到着したぞ。
熊やストーカーから襲われなくて何より。
おや?
主人公はこの家に見覚えがあるみたいだぞ?
なんでだ?
君は昔、ここに来た経験があるのか?
そう思っていた矢先、俺の目にはとんでもない一言が。
「それは我が家であった」
てめぇン家かよ!?
そりゃ見覚えの1つや2つ、余裕であるだろうよ!
気づくの遅いんだよ!
でも待てよ?
どうしてボヘミアンネクタイの彼女は貴様の自宅に入ってっちゃうのだ?
熊の仇討ち?
で、主人公は不思議がりながらも彼女の後を追って、自宅に入るのですが、俺はもう笑ってしまうかと思いました。
「ボヘミアンネクタイの女子は、彼自身の妹であった」
主人公が怪我の治療よりも優先させたのは、いつでも会える肉親の尾行だったのです。
小説の名は解りませんが、これを書いた方とそのファンの皆様、ごめんなさい。
作者の意図が全く読めません。
それにしてもこんな常軌を逸した問題だらけの問題文を読んで、どうしてみんなは平気で試験に励めるのでしょうか?
これは何?
笑いをこらえるための精神力を見るテスト?
あ!
そうだ!
ジンとトメは!?
俺の席は後ろの方だったので、悪友2人の様子を観察することができます。
彼らは案の定、肩を震わせていました。
よかった!
笑いたいのは俺だけじゃなかった!
奴らのことだ。
主人公が熊に勝っていることまで見抜き、だからこそ笑いたいに違いない。
俺が教員だったらその想像力に敬意を表し、笑いたくてたまらないお前たちをみんな合格にしている。
つまり俺も合格だ!
やったー!
密かに拳を握りました。
ちなみに試験はですね、ピアスを付けたまま面接に望んだジン以外は全員合格しました。
めでたし。
この学校に入学した理由は実をいっちゃうと、「定員割れしているから」とか「履歴書に空欄を作りたくなかったから」などという不純な動機からです。
学費も一切かからない学校でしたしね。
悪友トメとジンと3人で受けに行ったのです。
しかし、いくら定員割れしている学校だからといっても当然試験はあるわけで、今回はこの職業訓練学校の入試試験について触れたいと思います。
国語の試験って大抵の場合、問題用紙に小説か何かの一部分が本文として記載されていますよね。
で、「アンダーライン1の文で、主人公はどのような心境だったのか答えよ」みたいな問題が出てくるじゃないですか。
この「何かの小説の一部分」なんですが、文体その物は純文学風で、難しい言葉使いとか昔の単語とかが出まくりでした。
間違いなく難解な文章です。
俺はビビりつつも、まずは本文に目を通し、ストーリーの理解に努めました。
なになに?
どうやら主人公は若い男の子であるようだな。
近所のお祭りに参加しているらしい。
お!
女の子登場。
ボヘミアンネクタイをした可憐な女子、か。
ボヘミアンネクタイって何じゃろか?
ほう、この主人公、変なネクタイを絞めた見知らぬ女の子のことが気になる様子であるぞ?
顔が見たくて後をつけ出した。
ネクタイが見れて、どうして顔が見れてねえんだ、こいつは。
それと、後をつけるな後を。
そいう行動が犯罪とかに発展するんだぞ。
あ!
こいついきなり女の子を見失いやがった。
尾行の下手クソな人だ。
まあいい。
読み進めてみようか。
何!?
「熊から喰らった一撃のせいで肩が痛む」って書いてある!
この人、一体何者だ。
いつの間に熊と戦ったのだ?
祭りを楽しんだり女の後をつけたりしているところを見ると、怪我はたいしたことがないのか。
すげえ。
読み進めていくと、この主人公は病院にも行かずに頑張って「ボヘミアンネクタイの女の子」を再発見し、再び尾行に励んでいます。
俺はそんな個所より、熊との戦闘シーンが読みたかったです。
主人公が「痛い」で済んでるってことは、熊には勝ったのでしょうか?
まあいいや。
物語をさらに追ってみましょう。
女の子は夜店から離れて、暗い森の道を1人で歩いているみたいです。
無防備だな、この子。
熊が出ても知らんぞ。
あ、 女の子がある家の前に到着したぞ。
熊やストーカーから襲われなくて何より。
おや?
主人公はこの家に見覚えがあるみたいだぞ?
なんでだ?
君は昔、ここに来た経験があるのか?
そう思っていた矢先、俺の目にはとんでもない一言が。
「それは我が家であった」
てめぇン家かよ!?
そりゃ見覚えの1つや2つ、余裕であるだろうよ!
気づくの遅いんだよ!
でも待てよ?
どうしてボヘミアンネクタイの彼女は貴様の自宅に入ってっちゃうのだ?
熊の仇討ち?
で、主人公は不思議がりながらも彼女の後を追って、自宅に入るのですが、俺はもう笑ってしまうかと思いました。
「ボヘミアンネクタイの女子は、彼自身の妹であった」
主人公が怪我の治療よりも優先させたのは、いつでも会える肉親の尾行だったのです。
小説の名は解りませんが、これを書いた方とそのファンの皆様、ごめんなさい。
作者の意図が全く読めません。
それにしてもこんな常軌を逸した問題だらけの問題文を読んで、どうしてみんなは平気で試験に励めるのでしょうか?
これは何?
笑いをこらえるための精神力を見るテスト?
あ!
そうだ!
ジンとトメは!?
俺の席は後ろの方だったので、悪友2人の様子を観察することができます。
彼らは案の定、肩を震わせていました。
よかった!
笑いたいのは俺だけじゃなかった!
奴らのことだ。
主人公が熊に勝っていることまで見抜き、だからこそ笑いたいに違いない。
俺が教員だったらその想像力に敬意を表し、笑いたくてたまらないお前たちをみんな合格にしている。
つまり俺も合格だ!
やったー!
密かに拳を握りました。
ちなみに試験はですね、ピアスを付けたまま面接に望んだジン以外は全員合格しました。
めでたし。
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