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夢見町の史

Let’s どんまい!

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2024
April 29
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2008
November 25
 俺を解剖したところ、俺の死因は解剖によるものでした。

 人体の不思議展についての話を耳にし、そう思う。

 話をしているのは常連のお客さんと、スマイルのフロアレディだ。

「脳ミソの重さとか、解るんだって!」
「それは興味深いな」

 行く気満々なのだろう。
 人体の不思議展について、楽しそうに話し込んでいる。
 職場のスナックは、今日も平和だ。

 ところが、話の方向が思わぬほうに向かってしまう。

「めささんの構造って、普通の人と違いそうだよね」
「解剖してみたいな」

 そこから先は聞き耳モード、オンである。

「めさの体を開いたら、あいつ恥ずかしがりそうじゃないか?『もう! 見ないでよう!』とか言って、自分の内臓を隠しそうだ」

 俺、不死身?
 臓器見られて恥ずかしがりそうって、何よ。
 日記だから誰とか書かないけど、チーフ、いい加減にしてください。

「めささん解剖したら、中にちっちゃいめささんがたくさん入ってそう!」

 嬉しそうに言うな。
 そこまでファンシー路線を取り入れる気はない。
 匿名希望のHちゃん、いい加減にしてください。

「ちっちゃいめさがたくさん! がはははは!」
「みんな声が高いの! ははははは!」

 楽しそうで良かったですね!

 俺を解剖したところ、俺の死因は解剖によるものでした。

 人体の不思議展についての話を耳にし、そう思う。

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2008
November 24
 グラスマーカーという物がある。
 グラスの淵に引っ掛けるようにして取り付ける、いわば小さな目印だ。
 職場のスナックが込み合うと、自分のグラスがどこにあるのか見失ったり、または人のグラスと間違えたりすることがよくある。
 そこでこのグラスマーカーを付けておくことで、対策を立てているというわけだ。
 なかなか可愛らしいデザインだし、便利なので、俺は普段から愛用している。

 そんな素晴らしいグラスマーカーが、壊れた。

 犯人はフロアレディのHちゃんだ。
 店仕舞いをする際、彼女は大笑いしながら俺を呼んだ。

「めささーん! めささーん! ちょっと!」
「ん?」

 厨房に行くと、Hちゃんは手に、グラスマーカーだった物体を持っている。

「これ、壊れた! がはははは!」

 何故か喜んでいらっしゃる。

 グラスマーカーにはアクセントとして宝石を模したプラスチックが付いていたのだが、それがどう見ても取れている。

「あーッ! 俺のグラスマーカーがーッ!」
「がはははは! めささん、ごめーん! あはははは!」
「ぷぷっ! 何が可笑しいんだよ! あはははは!」

 釣られて俺まで笑ってしまったが、目には早くも涙が滲んでいる。

「ホントごめんなさい! ふはははは!」

 反省の色がまるで見えない謝罪であった。

 翌日。
 俺はそれでもグラスに、金具の部分だけを引っ掛けていた。
 目印としては可哀想な感じだけれども、何もないよりはマシだ。

 以前だったら宝石みたいなのが可愛く付いていたんだけどなあ。

 なんて思っていると、Hちゃんが目を見開いた。
 俺のグラスを指差し、大いにびっくりしている。

「めささん! どうしたんスか、これ! 取れてるじゃないっスか!」

 驚いた。
 Hちゃん、あれだけ派手に壊しておきながら、何も覚えていなかった。
 怖い子。

「なんで取れてるんスか! めささん、いつも大事にしてたのに!」

 しらばっくれ方のクオリティが高すぎる。
 この犯人、ドラマを越えたリアクションだ。
 怖い子。

「いつ壊れたんスか!」

 昨日。

「なんで!?」

 君が壊したんです。
 めっちゃ笑いながらの自白をされました。

「あたしが!?」

 それはそれは楽しそうでした。

「あーはっはっは! あたしかー! あはははは!」

 ふはは!
 そうです、お前です。
 あはははは!

「覚えてないっスー! あーはっはっは! あたしヒデー! あはははは!」

 ホントだよ!
 今もめちゃめちゃ笑ってるし!
 くははははは!

「あはははは!」

 ははははは!
 でも見て、Hちゃん!
 俺、涙目!
 あはははは!

 スナック、スマイル。
 文字通り笑顔の絶えない店である。

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2008
November 20
 職場がスナックだと、様々なゲームや罰ゲームで盛り上がることが多い。

「こういうの、どうかな?」

 営業中のスマイル店内で、俺は提案をしてみた。

「負けた人は、何を言われても特定の返事しかできないの。例えば『はい、そうです』とか」

 試しにやってみようか。
 そんな流れが発生して、常連さんやフロアレディとでジャンケンをする。

 どういうわけか、俺が負けた。

 これからしばらく、俺は何を言われても「はい、そうです」としか返答できないことに。

「めさ、お前、DVなんだって?」
「はい、そうです」

 違う違うと手を左右に振りつつも、口では認めなくてはならない。

「めささん、最低!」
「はい、そうですぅ」

 早くも涙目だ。

「めさ、いつもエロいことしか考えてないんだって?」
「はい、そうです」

 もはや立っていられない。
 心のダメージが足にくる。

「めささん、自分のことカッコイイと思ってる?」
「はい、そうです」

 そんなことない。
 当たり前のことだが、そんなことはない。

「めさ、お前この店で自分がナンバー1だと思ってるだろ」
「はい、そうです」

 もう嫌だ。
 お家に帰りたい。

「めささんの日記とか小説とかって、全部盗作なんでしょ?」
「はい、そうです」

 というか、今この日記でこんなことを書いたら勘違いされるので、記載を止めてしまいたい。
 盗作じゃないです。

「めさ、俺のタバコに火をつけろ。おら」
「?」

 ルールを理解してない奴が混じってるのは何故だ。
 命令じゃなくて、質問をしていただきたい。

「定額給付金のアイデア出したのって、めさ?」
「はい、そうです」

 いつの間に俺、国を動かしたんだろう。

「めさ、日本の借金を全て背負え。おら」
「?」

 この人、まだ解ってない。

「この罰ゲーム面白い! 今日はずっと罰ゲームのまんまでいいんだよね、めささん?」
「はい、そうです」

 そんなにやってたら死んじゃうよ!
 そこまで俺、ハート強くないよ!

 この後、セリフを変えて再度、似たような罰ゲームで楽しんだ。
 何を訊かれても「自分です」とか「愛してます」とか、バリエーションは案外多い。

 手っ取り早くジャンケンで負けを決めたわけだけど、ここで奇跡が起こることを、当時の俺はまだ知らない。
 まさか、全て俺が負けてしまうとは。

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2008
November 17
「めささんの夢を見ていたの」

 そんなことを女性から言われて浮かれない男がいるのだろうか?
 少なくとも、俺の部屋にはいない。

 ケータイを握る力を、俺は強めた。

「どんな夢? どんな夢? どんな夢?」

 いつ電波が悪くなってもいいように、3回訊ねておいた。

 女友達は続ける。

「めささんは、あたしの夢の中でね? もの凄い有名人になってるの」

 ほほう!
 それは素晴らしいシチュエーションでありますな!
 ふはは!
 下界の民たちは、俺のこと大好き?

「うん、凄い大人気! ホント有名すぎて、テレビやラジオなんかでも、めささんのことばっかり報道してるの」

 君のことは、ずいぶん前からずっと「夢を見る才能があるな~」と思っていたよ。

「でね? めささん、何かの番組の企画で、隠し撮りされちゃうの」

 ほうほう。
 そういう番組でも俺を取り上げているのか。
 国民は俺に興味を持ちすぎですな~。

「それでね? めささんは、ちょっと、その…」

 うん?

「カメラに気づかず、エッチなことをしてて、それがオンエアされちゃってた」

 おい。
 そういうのは編集でカットしなきゃ駄目だろ。
 テレビ局の人間は一体、何をしているんだ。

「テレビ見てね? あたし、びっくりした」

 そんな夢を見られた俺のほうがびっくりしたよ。
 だいたい、その、女の人に聞きにくいんだけどね?
 俺はその、一体どのようなエッチ行為を?

「そこまでしてない!」

 そこがどこなのか解らない。

「女の人がね? 上半身だけ裸だった」

 アルファベットでいえばB以上は確実じゃないか。
 夢とはいえ、人に見られたくない場面を君に目撃されたことは理解した。

「でね? あたしが、めささんに、なんか怒ってた」

 なんかって何?
 プライバシーど真ん中を日本中にオンエアされた挙句、さらに怒られたのか、俺は。

「あの、ごめんなさい」

 ごめんなさいって言われても、こっちだって反応に困るよ。
 いいっていいって、そんなん気にするなよ!
 って言うのも、なんか違う気がするし。

「あたし今、寝起きでね? そういう夢を見たから、慌てて電話しちゃったの」

 なるほどね!
 つまり俺に用事は無いわけですな!

「ホントごめんなさい。あたし、なんて言ったらいいのか」

 なんで告白を断るときの謝り方?
 勝手に夢で恥ずかしいところを見られて、さらにわざわざ電話までして教えてくれるとは思わなかったよ。

「じゃあ、あたし用事あるから。お仕事、頑張ってね」

 この電話がなかったらもっとやる気に溢れてました!

「じゃあ、またー。お疲れ様でした」

 お疲れ様でした!
 いい夢見ろよ!

 最初に浮かれて損した。

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2008
November 03
 何かの拍子に、酔拳の話題に花が咲く。
 俺はちょっとした知識を披露することにした。

 職場のスナックは適度に盛り上がっていて、誰もが楽しそうに酒を飲んでいる。
 スマイルのカウンターの中で、俺は口を開いた。

「酔拳って、実際は酔っ払っていないんだよ」
「え!?」

 ボスのK美ちゃんが、驚きの表情を浮かべた。

「そうなの!?」

 俺は深くうなずく。

「酔拳って、酔えば酔うほど強くなるってフレーズで有名じゃん? でもそれ、嘘なんだよ」
「マジで!?」
「マジ。あれはあくまで、酔ったフリをして敵を油断させるための動きだもの。だから酔拳の使い手って、本当はシラフで戦うんだ」

 K美ちゃんは、ショックの色を隠しきれないといった表情だ。
 構わず、俺は続ける。

「だから例えば、敵が『こいつは酔拳の達人だ』って知ってたら意味無いわけ。それだと油断させられないからね。酔拳だってバレたら、普通に戦ったほうがいい」

 信じられない。
 夢を壊された。
 そんな顔を、K美ちゃんはしていた。

 一方では、フロアレディのHちゃんが、お客さんと喋っている。
 内容は、犬笛についてだった。

「みんなで楽器持って、公園で練習したら楽しそう!」
「そういうのアリだな! 1人だけ犬笛を頑張らせようぜ!」
「それ最高!」
「犬がスゲー寄ってきそうだよな」

 ゴールデンレトリバーに引きずられるおじいちゃんでも想像しているのだろう。
 2人の表情は輝き、実に楽しそうだ。

「うちらの周り、犬だらけになったりして!」
「そうだなー!」
「残念だけど」

 俺は会話に割って入る。

「犬笛はあくまで、犬にしか聞こえない音を出すっていう笛なんだ。音が聞こえるってだけで、犬を寄せ付ける効果はないよ。犬笛を吹いて寄ってくるのは、それなりの訓練を積んだ犬だけなんだ」

 お客さんもHちゃんも、びっくりしたような顔をした。
 2人とも「人生の道を全て閉ざされた」と言わんばかりの、絶望に満ちたもの凄い形相だ。

 俺はトドメに、締めくくる。

「つまり、おじいちゃんがゴールデンレトリバーに引きずられてこっちに来るなんてことは、期待しないほうがいい」

 気づけば、K美ちゃんもHちゃんもお客さんも、解りやすく沈んでいた。
 誰か死んだの?
 思わずそう問いたくなるような、通夜みたいな雰囲気だ。

 なんか、悪いことをした。

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プロフィール
HN:
めさ
年齢:
48
性別:
男性
誕生日:
1976/01/11
職業:
悪魔
趣味:
アウトドア、料理、格闘技、文章作成、旅行。
自己紹介:
 画像は、自室の天井に設置されたコタツだ。
 友人よ。
 なんで人の留守中に忍び込んで、コタツの熱くなる部分だけを天井に設置して帰るの?

 俺様は悪魔だ。
 ニコニコ動画などに色んな動画を上げてるぜ。

 基本的に、日記のコメントやメールのお返事はできぬ。
 ざまを見よ!
 本当にごめんなさい。
 それでもいいのならコチラをクリックするとメールが送れるぜい。

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 必要なものがあったら遠慮なく気軽に、どこにでも貼ってやって人類を堕落させるといい。
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