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夢見町の史

Let’s どんまい!

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2024
April 28
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2008
October 19
 セクハラをされ続け、もう何ヶ月になるだろうか。

 職場は賑やかで、さすが週末のスナックといった風だ。

 スマイルのフロアレディであるAちゃんは、今日も般若のような形相で俺の尻を撫で回す。

「へっへっへ。めさ、いいケツしてんじゃねえか」
「ちょ、やめてください! 男女が逆です!」

 そもそもカウンターの下で俺の尻を撫でたところで、お客さん側からは何をしているのか見えないのだ。
 いちいち「今Aちゃんにお尻を触られています」なんて説明を、恥じらいながら皆にしなきゃならない。
 俺の立場になってほしいものである。

 そんなAちゃんが、いきなり怒り始めた。

「めさ!」

 え、何?

「今あたしの胸に触ったでしょ!」

 何!?
 そんなの触ってないよ!

「そんなの!?」

 いや、すまん。
 でも触ってないよ。

「触った! めさが今、あたしの胸に触った!」

 触ってないったら!
 ってゆうか普段あれだけ人の尻を触りまくっている女が一体何いってるの。

「触ったもん! あーん! めさが今、あたしの胸に触ったー!」

 たぶん、すれ違うときに、腕かどっかがAちゃんの胸に当たっただけでしょ。

「じゃあ触ったんだ!」

 違うったら!
 それに、触ったとしても大丈夫だってば!

「何が大丈夫なのよ!」

 君の胸の辺りには何も無いじゃないか!

 すると、般若の顔がみるみるうちに赤く変色してゆく。

 俺がどうなってしまったかは、タイトルの通りだ。

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2008
October 12
 小指の隣にあるのは薬指ではなく、人差し指だ。
 聞いたことがない常識だが あいつにとっての33年間は、そうだった。

 職場のスナック「スマイル」には、悪友トメが飲みに来ている。

「こないだよ~、ものスゲー事実が明らかになったよ~」

 トメは釣りに出かけ、その釣果を友人に話したのだそうだ。
 行きつけのバーで、彼はマスターと飲み交わす。

「小さいハゼしか釣れなかったんですよ~」

 マスターに対して、彼は小指を見せた。

「だいたい小指ぐらいのハゼでしたね~。大きく見ても、人差し指ぐらい?」

 人差し指と言ってるそばからトメは、薬指を示している。

 信じられないことだが、トメは今までずっと、薬指のことを人差し指という名称で覚えていたのである。

「トメ君! それは人差し指じゃないよ!」
「え!?」
「それは薬指!」
「え? え?」

 トメは手を開き、確認をする。

 彼はまず、小指を摘んだ。

「これが小指で…」

 次に薬指を摘む。

「これが人差し指じゃん?」

 続けて中指。

「こいつが中指で…」

 次に人差し指に注目すると、トメは困惑をした。

「何これ?」

 自分の指に対して「何これ?」と疑問を持った奴は初めてである。

 トメとは中学生からの付き合いであったが、考えてみれば今まで指について話し合ったことがなかった。
 話題にさえ上っていれば、俺が教えてあげられたのに。

「トメ、それはね? 人差し指じゃないんだよ? 指を差すときに使うのが人差し指なのね? お前が人差し指だと思っていた指は、なんと薬指というんだ」
「だってよ~、別の日になって、俺、後輩に訊ねたんだぜ~?」
「何て?」

 トメは後輩に、薬指を見せて質問したのだそうだ。

「なあ、これ、なんて指?」
「え?」

 トメの薬指を見て、後輩は応えた。

「人差し指がどうかしたんですか?」

 意外と多いのだろうか。
 薬指で指を差す人。

 ふと心配に思う。
 その話を聞いたとき、彼は親指について何も触れていなかったからだ。

 トメの奴、親指のことは何て呼んでるんだろうか。

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2008
October 05
「足とかのスジあるじゃないっスか! アキレス腱とかのスジ!」

 職場のスナック「スマイル」では、とあるフロアレディが目を輝かせている。

「スジっすよ、スジ!」

 スジスジうるさい。
 それが、どうしたのさ?

「ああいう靭帯の展示会があるんスよ! なんか燃えないっスか!?」

 へえ。
 またずいぶんとピンポイントな。

「チーフさんが教えてくれたんス!」

 男友達の名が出て、俺は「ああ、あの人なら変なことに興味を持ちそう」と妙に納得をした。

「だからあたし、今度チーフさんと一緒に靭帯の展示会を見に行ってきますよ!」

 俺も行きたい!
 とは言わなかった。
 なんか、どうでもよかったからだ。

 さて。
 やがてチーフが来店し、意外な真相が明らかになる。

「そっちの靭帯じゃねえ! 身体の人体だ!」

 靭帯の神秘なんかじゃなかった。
 人体の神秘だった。

 あの娘は、なんでわざわざ難しい字のほうで解釈をしていたのだろうか。
 しかも、やたら嬉しそうだったのは何故だ。

 ちょっと、彼女の言葉を回想してみよう。

「足とかのスジあるじゃないっスか! アキレス腱とかのスジ! スジっすよ、スジ! ああいう靭帯の展示会があるんスよ! なんか燃えないっスか!?」

 ただの足フェチじゃねえか。

 だいたい、よく考えてみれば、靭帯だけ見せつけられても、何も面白くない。

「これが伸びた状態のアキレス腱です」
「すげー!」

 何がだ。

 マニアックな趣味がバレた上、とんでもない勘違いが発覚した従業員の女の子は、恥ずかしさで顔を伏せている。

「まあ、そっちの靭帯もきっと展示されているさ」

 そう慰めるしかなかった。

 スマイルには今日も、「日記に書かないでー!」との声がこだましている。

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2008
September 24
 時間の法則でも乱れてしまったのだろうか。
 俺は信じられないものを見た。

 お店が開いてる!
 職場のスナックが、開店している!
 今日は定休日じゃないのか!?

 1日中、俺はずっとパソコンに向かって作業をしていた。
 夜分にはさすがにお腹が減ったので、ラーメン屋さんに向かおうと家を出る。

 気持ち良くチャリでしゃしゃしゃ~って走っていた。
 やがて視界に飛び込んできたのが、光り輝く職場のネオンだった。

 なんでお店やってんの!?

 俺としては今日が日曜日だと思っていたのだが、実は気のせいなのかも知れない。
 いや、もしかしたら人類は、俺が知らないうちに曜日という概念を捨て去ってしまったのかも知れない。

 いやいや、もっと現実的に考えるんだ俺。
 ここはどう考えても、俺かお店のどちらかがタイムスリップでもしたのだろう。

 日にちを間違えて、知らぬ間にサボってしまったのでは断じてない。

 ところで神様。
 リセットボタンはどこですか?

 いつものスーツ姿ではなく、ジンベエといったラフこの上ない恰好だったけれど、俺は恐る恐る玄関を開け、店内を覗き込む。

 めちゃめちゃ人がいたので、俺はそっと玄関を閉めた。

 すんごい込んでるじゃないか。
 パッと見だけで解った。
 果てしなく忙しそうじゃね?

 一気に血の気が引き、俺は一瞬にして空腹を忘れた。
 なんでこんなに忙しいのに、俺は電話などで呼び出されなかったのだろう。
 多忙すぎて通話の間さえなかったか、あるいは人として諦められたかのどっちかであろう。

 いやいや違う。
 今日は日曜日だ。
 ケータイで確認するのは怖いからやめておくが、今日は日曜、つまりスマイルの定休日であるはずなのだ。
 その証拠に、昨日は土曜日だった。

 待てよ?
 従業員もお客さんも、みんなまとめて勘違いしているんじゃなかろうか。
 だったらいいな。

 ってゆうか、もう何を信じていいのか解らない。

 神か時空か俺以外の全人類が間違っている。

 あ!
 もしかしたら、全ては幻なのかも!
 明かりの灯った看板も、込み合う店内も、全てはアスファルトジャングルが見せる真夜中の蜃気楼なのかも!
 でなかったら夢だ夢。

 再び、そっと玄関を開けてみる。

 カラオケや談笑による喧騒がリアルに聞こえる。
 実にリアルな立体映像だ。
 みんな凄くいい酒飲んでいらっしゃる。

「あ、めさ!? どうしたの!?」

 スマイルのボス、K美ちゃんが驚きの表情を浮かべた。
 俺だって似たような表情だ。

「いやね? 違うの。今日は日曜なのにラーメン食べに行こうとしてお店の看板がチャリでしゃしゃしゃ~って走ってるときにスマイルの明かりが」
「え? もしかして看板点いてた?」

 よくぞ解読できたものである。

 K美ちゃんは慌ててスイッチを切り、看板の光を消した。

 事情を聞けば、今宵はK美ちゃんたちによる、一種のホームパーティであるとのことだ。
 飲み場として店を利用していただけで、営業をしていたわけではないらしい。

 安心した。
 凄く安心した。
 時空とかあんま乱れてなかった。

「なあんだ、そうだったのかー。よかった。俺、曜日を間違えて仕事をすっぽかしちゃったのかと思ったよ~」

 俺的には、本日最高の笑顔である。

「じゃあ俺、改めてご飯食べに行くね」

 店を後にしようと、振り返る。
 そこには数々の顔と声が。

「おー! めさ君! 来たか!」
「こっちこっち!」
「飲んでいきなって!」

 ああ、気持ちは嬉しいんだけど、俺はこれからご飯に。

「何飲む?」
「めさ君、紹介するよ。こちら俺の兄弟分」
「カラオケ唄いなさいよー!」

 あはは、いや実は俺、今日はまだ何も食べてな…。

「はい酒!」
「駆けつけ3杯ね!」

 いやほら、すきっ腹で飲んだら俺、酔っちゃうから、後でまた来るから。

「いいから取り合えず飲みなさいってば!」
「飲みな! めさ君、飲みな!」
「早くカラオケ唄ってよー!」

 うっせえな!
 飲むよ!
 飲ませていただきますよ!
 いただきますよ!

 俺の死に様、よく見とけ!
 おりゃー!

 盛り上がった。

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2008
September 20

「初めまして!」

 ちっとも初めましてじゃない人からのメールは、そのような件名であった。

 送ってきたのは劇団「りんく」の歌姫、通称「空」だ。

 最初は同名の別人からかと思ったけれど、どう見ても間違いない。
 俺が知っている、あの空からのメールだ。

>例の掲示板から来ました!
>貴方みたいな人でも、あんな活動をしているんですね。
>なかなか人に言える内容ではないので解り合える人がいて嬉しいです。
>運命的なものを感じたので、メールしてみました。
>もし宜しければ掲示板に書き込んでいたようなことを、親密に語り合いませんか?
>返事、待ってます!

 なんで仲間から迷惑メールが?
 悪ふざけの完成度がやたら高い感じが否めない。

 どうやら彼女はめちゃめちゃ暇すぎて困っているらしい。

 きっと俺以外のメンバーにも、同じ文面のメールを送っているに違いない。
 そうして返信を待ち、各メンバーのリアクションを比べたいのであろう。

 だからって、なんで普段なかなかメールの返事ができない俺にまで。

「ちきしょう、今回だけだからな!」

 俺はパソコンモニターの前に、どっかりとあぐらをかいた。
 



 空さん、初めまして。
 昨日メールを頂きました、めさです。

 まさか例の掲示板参加者さんから連絡を頂けるとは夢にも思っていなかったので、実に嬉しい驚きです。

 お恥ずかしい話、僕は結構真面目にあの活動に取り組んでいるのですが、空さんはいかがですか?
 やはりタバスコを目に入れるのは危険ですよね。

 先日も、眼球に多大なるダメージを受けました。
 眼科に行ったところ、主治医に「また君か」と呆れられた次第です。

 それでも大いなる野望のために、次はパンダの黒い部分を白く塗りつぶそうと考えています。
 1日3頭ほどを目標にしているのですが、長い道のりになりそうで、気が遠くなっていますよ。
 でも、中国を白クマだらけにしたいので頑張ります。

 よろしければ、空さんの武勇伝などお聞かせいただければ幸いです。
 これを機に、是非仲良くしてやってください。

 


 よーし!
 なんじゃこりゃ…。

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プロフィール
HN:
めさ
年齢:
48
性別:
男性
誕生日:
1976/01/11
職業:
悪魔
趣味:
アウトドア、料理、格闘技、文章作成、旅行。
自己紹介:
 画像は、自室の天井に設置されたコタツだ。
 友人よ。
 なんで人の留守中に忍び込んで、コタツの熱くなる部分だけを天井に設置して帰るの?

 俺様は悪魔だ。
 ニコニコ動画などに色んな動画を上げてるぜ。

 基本的に、日記のコメントやメールのお返事はできぬ。
 ざまを見よ!
 本当にごめんなさい。
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 必要なものがあったら遠慮なく気軽に、どこにでも貼ってやって人類を堕落させるといい。
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