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夢見町の史

Let’s どんまい!

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2024
March 29
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2009
May 28
 例えば、男と女。
 例えば、生と死。

 このように対する意味が正反対になるような語のことを対義語と呼ぶ。
 反対語よりもさらに広い意味があるのだそうだ。

 スナック「スマイル」は開店早々の来客がなく、俺も含めて従業員たちでダラダラしている。

 フロアレディの1人が雑学の問題集のページをめくった。

 彼女は「Aさん」と隣に目をやる。

 Aちゃんが「ん?」と返事をした。

「問題っス。Aさんも一緒に考えてください」
「いいよー」

 なんで俺は混ぜてもらえないのだろうか。

 さり気なく傷ついている俺をよそに、女の子たちによる問答が始まる。

「これから言う言葉の、対義語を答えてください」
「対義語って何? 反対語のこと?」
「さあ。まあ、そんな感じじゃないっスか? とにかくいきますね。まずは、衆議院」
「参議院!」
「おおー! 当ってます! じゃあ次! 北極!」
「南極!」
「正解っス!」

 次々と出される問題に、Aちゃんはテンポ良く答えてゆく。
 この出題に対しても、Aちゃんは素早く回答をしていた。

「次の問題いきますね! インフレ!」
「セフレ!」

 デフレだ。

 Aちゃんは、それはそれは堂々と胸を張っておいでだった。
 まだ早い時間であるにもかかわらず、シラフの状態で女の人が大音量でセフレ。
 物価が上昇し続ける現象の対義語が、セフレときた。

 ふしだらな。

拍手[9回]

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2009
May 22

 他に友達がいないという気の毒な理由で、悪友のトメがうちに遊びにやって来た。
 書き物の途中だったけど手を休め、酒を振る舞ってやる。

「まあ飲めよ」
「おう。ところでオメー、なんか書いてたの?」

 トメからの質問には「ちょっとした小説だ」と答えておいた。
 ちなみに書いていたのはwillだ。

 トメはのん気に「俺は絵がねえ本は読めねえよ~」などと言いつつ、人の酒をゴクゴク飲んでいる。
 そんな漫画しか読めない男からの提案だ。

「めさオメー、なんか壮大な小説書けよ~」

 壮大、というと?

「宇宙と地球の始まりとかよ~」

 じゃあ、試しに書いてみるわ。

------------------------------

 なんか、最初のほうで、何かが凄く爆発して。
 それでなんか、何かが色々とこう、めっちゃくちゃな速さで広がっていって。
 その凄い爆発のせいで、なんかこう時間とか流れるようになって。
 なんで何も無いところでいきなり爆発が起こったのかは知らないけど、こう、色々と星的な物も生まれちゃって、とにかくスケールでっかいことに。

 光って熱い星とか、色々と吸い込むタチの悪い星とか、とにかく色々あって、各自頑張って回ったりなんかしてて。
 で、いっぱいある星の1つが地球なわけ。

 太陽との距離とか星の成分的なアレとかが、なんか超いいアンバイで、生き物がとってもとっても増えまくるの。
 海とかあって都合いい感じ。

 めでたし。

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 どう、トメ。
 面白かった?

「適当なとこが最高だよ~」

 まさか気に入られるとは思わなかった。

拍手[4回]

2009
May 18
 いきなり目の前で乱闘事件が勃発した。
 3対2で派手に戦っていらっしゃる。
 うちのお店の前でそういうのはやめてほしい。

 きっかけはというと、3名の若者がうちのスナックに入るかどうかで迷っているところを、俺から声をかけさせていただいた。

 だいたいの料金を説明すると彼らは「じゃあここにしようか」と店内に足を踏み入れようとする。

 このとき、この3人は既に揉め事を起こした後だったのだろう。
 遠くから2名のお兄さんが追ってきた。

 3人組は「追ってきたぜ? どうする?」などと余裕を見せている。

「ンだよ、殴っちゃえばいいじゃん」
「あんなのほっといて飲もうぜ」

 なんか、この人たちに声をかけたのは失敗だったっぽい。
 タチが悪くていらっしゃる。

 3人組も追っ手の2人も、大学生よりは少し年上といった風で、どこか怖そうなファッションだ。

 追いついた側がいきなり相手の胸ぐらを乱暴に掴み、「テメーこっち来いよ!」と怒鳴った。

 で、乱闘騒ぎだ。
 超怖い。

 俺だったら危なすぎて相手の胸ぐらなんて掴めない。
 そんなことして手首をコキャっとやられたら痛いではないか。
 その無防備さがまず不気味だ。
 もの凄い勇気だ。

 幸い近くをお巡りさんが徘徊している時間帯だから、彼らが怒られるのは時間の問題だ。
 でも、さすがに5人がここまでエキサイトしていると、俺1人では止められない。

 とここで、見ていた俺は度肝を抜かれることになる。

 怖そうなお兄さんたちは合計5人もいてそれぞれが頑張って戦っていらっしゃる。

 なんてこった。
 強い人が1人もいない。

 ある程度飲んでいるのだろうけども、本気のグルグルパンチを見るのは初めてだ。
 この人たち、なんでめちゃくちゃ弱いのに喧嘩っ早いのだろうか。

 大人の馬力で本気のグルグルパンチ。
 怖がるべきか笑うべきか判断に迷う。

 ズシャア!
 そのような音がして目をやると、1人がすっ飛んで地面にスライディングを決めていた。

 なんでそうなる。

「オラァ!」
「ンざけんじゃねえ!」

 声だけ聞けば立派なところが逆に哀愁を感じさせた。

 俺がこの怒鳴り声を翻訳すれば、次のようになる。

「オラァ! グルグルパンチ! グルグルパンチ!」
「ンざけんじゃねえ! 両手パンチ! 両手パンチ!」

 実は仲良しなのだろうか。

「ッってんじゃねえぞコラー!」

 叫んでいるだけで一切戦っていない人も1人いる。
 余っちゃったのだ。

 ってゆうかこれ、決着がつく日は来るのだろうか。
 あと俺、何も見なかったことにして店に戻っていいですか?

 幸い武器も持っていないみたいだし、ここは放置で良さそうに思える。

 とここで盗難自転車についてパトロールをしていたお巡りさんたち登場。

「やめろやめろ!」

 ナイスタイミングだ。

 今度こそ安心して俺は店に引き返す。

「表の彼ら、なんだったの?」

 飲みに来ていた常連さんも一部始終を見ていたらしい。
 店のドアが開いていたから、カウンター席からも外が望めたのだろう。

「なんかね、喧嘩してた。お店に入った後じゃなくて良かったよ」

 と手短に説明する。

「喧嘩だったのか。俺てっきり、大はしゃぎしてるのかと思ったよ。キスでもしようとしてるのかと」
「まあ、そんなようなもんだよ」

 ある意味平和を感じた1日でした。

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2009
May 07
 生まれて初めてカツアゲに遭った。

 終電間際の駅で切符を購入したところ、声をかけられたのだ。
 相手の表情を見た瞬間、俺は用件を悟る。
 先方の顔にはこう書いてあった。

「お金くれ」

 急がなきゃ終電を逃しちゃうではないか。
 問答している時間はない。

 お金をあげたくない貧乏な俺は、このピンチをどう凌ぐか、早くも計算を始めている。

 しかし俺に声をかけてきた相手は、ことカツアゲに関しては無敵のキャラクターだった。
 チンピラでも不良でもない。
 所々歯の抜けた、ホームレス風のおばあさん。
 気弱そうな顔つきだ。

 この時点で冷たくなんてできない。
 この人、自分の風貌を解ってやっているのだろうか。
 なんてズルい大人なんだ。

「友達がファミレスで待ってて、すぐにお金を持っていかなくちゃいけないんです」

 嘘だ。
 直感でそう思った。
 どう見ても彼女はファミレスで食事って感じでも、友達がいる風にも見えない。
 まだ「電車賃がない」のほうが説得力あるのに。

 俺はいざとなれば冷酷だ。
 おばあさんの存在なんて、宇宙から見れば微生物の1匹なのだ。
 そんなちっぽけな者の言うことに俺が耳を貸すと思うか?

「お金持って、すぐに行かなきゃいけないんです」
「うんうん、そうなんですかー」

 耳、貸しちゃった。

 ごく自然にシカト失敗。
 俺には向いてなかった。
 宇宙から見れば、俺だって微生物だからだ。

 しかし、お金だけは絶対にあげない。
 働いて稼いだ金だからだ。

「少しだけでもいいんです」

 額の多い少ないの問題ではない。
 お金をあげるという行為そのものを、俺は絶対にしない。
 絶対にしないぞ。
 あげるとしても、せいぜい500円までだ。

「お願いします。ちょっとだけでも」

 ふふん、甘い!
 切符を買ったばかりで財布を開いている状態で声をかけてきた点は賢いが、あんたは俺を知らなすぎる。
 見ろ。
 ちょうど財布に500円玉が入っているではないか。

「お願いします、お願いします」

 くどい!
 もうすぐ電車が出てしまうのだ!
 悪いが他を当たってくれ。
 これをやるから許してください。

 手早く500円をあげて、俺は手を振る。

「じゃあ、気をつけてー!」

 電車に間に合うためであって、俺は決して負けたわけではなくて、そもそもおばあさんが「ファミレスに友達を迎えに行く」って言うもんだから、いやそれは嘘かも知れないけれど、でも少なくとも目上の方がお金に困っているのは事実なわけで、いやもちろん俺ぐらいのレベルになれば簡単に冷徹になれるんだけど、たまには遊んでやろうと思って、つまり魔が差した的なアレなだけで、俺は決して、
 もういい。

拍手[4回]

2009
April 27
 宇宙の話で盛り上がる。
 純粋に神秘的な話題だから、熱も自然と篭った。

「宇宙ステーションってあるじゃないですか!」

 職場のスナックでは俺やお客さんと同様、フロアレディのHちゃんも目を輝かせている。

「そこで住んでる人の話なんスけどね!」

 へえ、もう宇宙空間で暮らせるんだね。

「そうなんスよ! 凄くないスか!」

 Hちゃんが放つ次の言葉に、俺は耳を疑うことになる。

「で、その人が地球を見ようとして、窓開けたんスよ!」

 窓、開けちゃったのー!?

 本当にびっくりだ。

 宇宙ステーションの窓がどうして開くように設計されているのだ。

 Hちゃんはカウンターに突っ伏しながら「違ーう!」と悶えている。

 何が違うのさ。

「窓っていっても、外側の窓なんスよー! 内側の窓は開けてないッス!」

 内側の窓?
 網戸!?

 びっくりしすぎて眼球がこぼれるかと思った。

 宇宙空間に蚊がいるのー!?

「違う! もー! あー! もう! 違う!」

 さらに顔を赤くし、身悶えるHちゃん。

 どうして彼女は「外壁のシャッターを開けた」と言わなかったのだろうか。

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プロフィール
HN:
めさ
年齢:
48
性別:
男性
誕生日:
1976/01/11
職業:
悪魔
趣味:
アウトドア、料理、格闘技、文章作成、旅行。
自己紹介:
 画像は、自室の天井に設置されたコタツだ。
 友人よ。
 なんで人の留守中に忍び込んで、コタツの熱くなる部分だけを天井に設置して帰るの?

 俺様は悪魔だ。
 ニコニコ動画などに色んな動画を上げてるぜ。

 基本的に、日記のコメントやメールのお返事はできぬ。
 ざまを見よ!
 本当にごめんなさい。
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